不便でも遅くても愛おしい「ホンダ・ビート」の魅力
- 2018/05/06
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ホンダ・ビートは大人の遊びにピッタリなクルマ!
ホンダの軽自動車「ビート」をご存じでしょうか。
ビートは1991年5月に販売、CMソングにはサザンオールスターズの原由子による「じんじん」が起用されました。
CMの最後には「遊んだ人の勝ち。」というフレーズで締めくくられていたように、1998年10月に販売が終了した今も“遊びのクルマ”として愛されています。
その人気の高さは、誕生から26年を迎えた2017年に、ホンダが「ビートをより長く楽しんでいただきたい」と、一部純正部品の生産を再開したことが証明しています。
今回は、そんなビートの魅力をご紹介したいのですが、先に断っておきたいことがあります。
ビートは大変魅力的なクルマではありますが、弱点が多いクルマでもあるのです。
ホロが劣化すると雨漏りはするし、対向車のヘッドライトがハイビームに見えるほど目線が低いし、MT車で軽いのに遅いし、ツーシーターとはいえ冗談のように狭いし、ボディの強度も不安だし、収納はないに等しいし…と、不便を感じることが多々あります。
ですが、その不便さもビートの醍醐味。
世話が焼ける子ほどかわいいとは、よく言ったものです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、弱点を帳消しにしてしまう、ビートの素晴らしい魅力をご紹介したいと思います。
わずか約30秒!簡単にフルオープンできるという手軽さ
ビートはオープンカーです。
ホロ(ソフトトップ)なので、ハードトップよりも開閉がラクチン。
前にあるフックを2つ外して、ヨイショと後ろに倒すだけで、開放感たっぷりのフルオープンが可能!
ホロは布1枚なので、雨漏りの他にも熱い・寒い・うるさい、防犯面も心配、ビニールスクリーンが劣化して曇るなどのデメリットがありますが、いつでも気軽にフルオープンを楽しむことができるのは大きなメリットですし、うるさいはずのエンジンノイズですら爽快なBGMに聞こえてくるというオマケ付きです。
ミッドシップレイアウトがもたらすメリットが満載!
ビートは、車体の中央あたりにエンジンがあるミッドシップレイアウトが採用されています。
イメージとしては、運転手の背中にエンジンがあるような感じです。
前方にエンジンがないことで、ハンドルを切れば向きがサッと変わりますし、後輪側に荷重がバッチリかかるので加速時のロスがあまりありません。
ミッドシップレイアウトによる重量配分と、オモステならではの遊びの少なさも相まって、一体感のある操縦を可能にしてくれます。
ターボではない!
ハイパワーを得やすいターボではなく、扱いやすい自然吸気(NA)エンジンが選ばれています。
ハイパワー化のためには、エンジン当時のF1テクノロジーが応用されているという、コンパクトな見た目からは想像できない“本気”が詰まっているのです。
そんなにスピードを出さなくてもアクセルを全開にできてしまうので、勇ましく鳴き始めるエンジンノイズと、街乗りでも8000回転超までガツンと踏み込める爽快感を楽しめちゃいます。
ビートの後継車S660も!
2015年に公式発表・発売されたS660は、軽自動車規格のオープンカーとしてはビート以来17年ぶりということで、世界中のビートファンに注目されています。
ビートファンの間でも賛否両論が巻き起こっていますが、S660のキャッチフレーズである「心揺さぶる走りがある。」に共感する人も少なくありません。
小さなボディに大きなこだわりが詰まったビート
車を選ぶとき、コンパクトだけど車内は広いだとか、驚くほど低燃費だとか、性能や快適さを重視する人が大半ですが、車離れが叫ばれる昨今だからこそ、ビートのような遊び心のあるクルマは“クルマの楽しさ”を伝える小さな伝道師として、これからも愛され続けることでしょう。