遅れているのは日本の自動車メーカーか、それとも消費者か?
- 2017/12/22
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人権侵害シートとは、まさしくアレのこと
3列目のシート、あれ何とかなりませんかね?
そんなことを思っているのは犬助だけではないはずです。
何の3列目か、もちろん車の3列目。ミニバンについている3列目のシート、クッションは薄い、足元は狭い、更には後輪の真上に来るだけに路面の凹凸がモロに来る、あれはひどい代物です。
その昔、ホンダ「CR-X」やトヨタ「スープラ」の後部座席が人権侵害シートとして、揶揄されていましたが、現在の3列目シートも負けてはいません。
トヨタ「アルファード」、日産「セレナ」……近所の付き合いや、親戚の集まりなどで、最近たて続けに3列目に座る機会があり痛感したのです。
そして、先日はトヨタ「プリウスα」の3列目。
アルファードやセレナなら、頭上のスペースが確保されているから、まだ我慢はできました。しかしプリウスα、これはいけない。
猫背にならないと座れないほどに天井が低く、圧迫感があることこの上ないのです。
しかも、後頭部とリアガラスの距離は数cm。これで、追突でもされれば危ないよね。
そんなことを感じながら、プリウスαの3列目シートに身をゆだねていたのです。
ブレーキアシストとかいう前に、やるべきこと
今や進行方向に障害物があればブレーキがかかり、センターラインのはみ出しでは警報が鳴るという、車の安全性が重視される時代。3列目の耐衝突性についても不安を感じる程度で、実際はそれなりの強度を備えているものだと思い込んでいました。
しかし、プリウスαで不安を覚えたものだから調べてみたところ、自動車メーカーにしろ国土交通省にしろ、まともに3列目シートの安全性について、テストすらおこなっていないというではないですか。
これはプリウスαのような、ツーリングワゴン系統の車種を無理やり3列シート仕様にしたものに限った話ではありません。セレナ・クラスやアルファード・クラスのミニバンと呼ばれる車種にも、まともなテストはおこなわれていないというのです。
安全性をないがしろにしたシートを引っ付けておいて、7人乗りとか8人乗りとかよく名乗れるな……ブレーキアシストがどうしたとか、自動運転がどうしたとか、そんなことをする前に、メーカーはやるべきことがあるんじゃないの?こんな風に感じるのです。
XC90がCOTYに選ばれた、なるほどという理由
さて今年のカー・オブ・ザ・イヤー(COTY)にボルボ「XC90」なるクロスオーバーSUVが選ばれました。ちなみに2016年に登録されたXC90は1023台、全然売れていない車にもかかわらずCOTYとはどういうことだ? 毎年、発表されるたびに「日本レコード大賞」同様、不信感がつのるCOTY、今年も良くわからない選出だなと思ったのです。
ところが、XC90について少し調べたところ……ああ、COTYに選ばれるのは故あってのことだと思わされたのです。
実は、3列目の安全性まで確保したと、メーカーがアナウンスしている唯一の車がXC90なのです。ダミーを乗せた衝突実験までおこなっているメーカーはボルボだけ。全席プリテンショナー付きシートベルト、サイドエアカーテンを搭載しているというのもXC90だけというのです。
ボルボに大きく遅れをとった、日本のメーカー
XC90がCOTYに選ばれたのは3列目の安全性の高さだけではないでしょう。
直列4気筒・2,000ccを始めとして、スーパーチャージャー付き、PHEVと何種類も用意されているパワートレイン。ブレーキアシストなどなど数々の安全機構……ひょっとすると選考委員に対するゴニョゴニョもあったのかもしれません。
しかし、ボルボに大きく遅れをとってしまっている、日本の自動車メーカーに対する警鐘という意味では今年のCOTYは大きな意味があったと思いますし、いち早くその次元まで追いつくことを期待したくなってしまうのです。
より大きくなったとか、メッキパーツを多用して迫力が出たとか、豪華になったとか。
はたまた、小さなボディに大勢乗れるとか。何だか変な方向性で競ってばかりの日本の自動車メーカー。
そんなことをやる前にクリアすべきは、高い安全性能であるということ。
こんな当たり前のことに気付くべきですし、ユーザーが選ぶのもそんな車にしなくてはならないのではないでしょうか? 大体、危険な3列目シート付きの車をのさばらせているのは、私たち消費者なのですから。