欧州メーカーは電気自動車時代へ!日本のメーカーは大丈夫?
- 2017/11/18
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中国とヨーロッパの電気自動車化
黄砂にPM2.5。北京の空は排ガスまみれというのは、北京オリンピックの頃にさんざん見られた光景です。人口が多く、自動車も多く走っている中国において、自動車から出る排ガスは重大な問題であり、ナンバーの末尾で規制したりといった工夫だけではどうにもならない現状に、電気自動車への大転換を決定したことは自然な成り行きだったでしょう。
ガソリン車ではナンバーがもらえないが、電気自動車にしたらすぐにナンバーをもらえた(つまり、ガソリン車狙いでは車を買えない)という話も、中国では当たり前のことになっているともいわれています。
そんな大陸の様子を横目に見ながら、こちら日本では、いまだにハイブリッドカーが若干増えたかなという印象です。電気自動車の普及に至っては、まったく進んでいないといって差し支えないでしょう。
ただ、中国だけでなくヨーロッパでも電気自動車へのシフトが加速していると言われています。日本の自動車メーカーのライバルといえば欧州メーカーと考えられるため、このままで日本のメーカーは大丈夫なのかとの心配する声も聞こえてきます。
もっとも、欧州メーカーが電気自動車へシフトしているのは、それぞれに事情があってのことという側面も見逃せません。日本メーカーにそうした事情があればともかく、なければどうでしょうか。
大丈夫かどうかは相手にする市場がどこかで変わる
携帯電話のガラパゴス化をみてもわかるように、そもそも国内市場は必ずしも海外市場とリンクしていません。最近になって、ようやく誰も彼もがiPhoneという状況ができつつあるだけです。それでも、まだまだアンドロイド端末どころかガラケーが頑張っています。
たとえ、欧州メーカーが10年20年先には完全に電気自動車オンリーになっていたとしても、日本市場がガソリン車やハイブリッド車を求めているなら、たいした問題ではないのです。
むしろ、ガソリンエンジン車向けの国内部品工場のことを考えれば、性急に電気自動車への転換を進めるメリットは大きくはないでしょう。自動車業界全体として、20年先30年先をどうするかを踏まえて、裾野が壊滅状態にならないような方針を打ち出すべきともいえます。もちろん、エコの観点からはガソリン車を減らすほうが良策であることは確かです。要は、バランスの問題といえます。
仮に、欧州市場でも戦いたいと思うなら、欧州向けの電気自動車を作れば済む話です。実際、技術的な面では日本メーカーでも電気自動車を作れないわけではありません。需要がないに等しい面があっての現状です。
少なくとも、国内ではガソリン車の需要が根強く残っていることから、当面はハイブリッドカーの普及を推進して行くのが現実的な話でしょう。その一方で、充電ステーションを徐々に増やして行くなど、電気自動車への備えも進めて行くことが無難な感があります。急いで電気自動車にチェンジするのは、慌てるナントカは…という結果になる危険性もありそうです。