離れてもなお、残るものから文化が生まれる
- 2017/06/28
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クルマから離れる若者たちだそうですが?
「若者のクルマ離れ」なんていう言葉を耳にしますね。自動車だけではありません。近年の若者は活字、ファッション、旅行、更には異性からも離れているといいますから、えらいことだと思うのです。
クルマ離れについていうならば、若者だけではありません。日本国内の新車の販売台数を年ごとにまとめたグラフを見ると、1990年に800万台近くでピークを記録して以降は右肩下がり、昨年では500万台強まで落ち込んでいます。
うん、若者だけではないね、車から離れていっているのは。
その背景には不況のお陰で金を使えないんだよとか、個々が多様化して、世代が同一の趣味にハマるといったことがなくなったためとかいわれていますが実際は何なんでしょうか?
一方で、クルマから離れられないアメリカ
一方で、アメリカでのクルマの販売台数の統計を見ると、昨年は過去最高を記録したようで、こちらはクルマ離れとは無縁のよう。この日本とアメリカの差は何なのか? と考えると、単にアメリカは国土が広大だから、という腰砕けになりそうな答えが待っています。
アメリカへ流入する移民の数は減らないし人口も増えている、更には国土が広大で必需品だから、車の販売台数が減らないというカンタンな話。クルマ離れをしたくてもできないのがアメリカなのです。
例えばテレビ番組に見る日米の違い
さて、わが家のテレビはほぼ常に、CSのヒストリーチャンネルや、ディスカバリーチャンネルあわせられているのですが、驚かされるのがクルマ関係の番組の多さです。レストアするとか、転売するとか、製造工程を紹介するとか、時には解体するというものまであるのです。まあ、上記のチャンネルが、主にアメリカからその手の番組ばかり買い付けてきているのでしょうが、それだけの本数が作られているのですからアメリカのクルマ好きというのは、もう筋金入りといっていいでしょう。
一方で、日本のクルマ番組の貧弱なことといったら……「カーグラフィックTV」と「おぎやはぎの愛車遍歴」ぐらいしか思いつかないのです。
クルマが文化となる、その背景には
アメリカと日本、クルマの製造については共に歴史や技術などなど、相当なものがあるにも関わらず、クルマについての番組の数が大きく違うのはなぜか? これはクルマと日常生活の距離がどれほど近いかということではないでしょうか。地理的な理由でクルマと離れられないアメリカと離れられる日本、前者はそんな環境ですからクルマを愛せずにはいられない。こうなると番組もできますし、文化にもなろうというものです。
一方日本は、クルマがなくても不便ではない日常、クルマからいくらでも離れることができるのです。
離れた後だからこそ、文化が成熟するかも
テニス、ゴルフ、スキー、スノボー、ワイン……一過性のものとして日本が「離れ」ていった物は数多いのです。しかし、それは必要なものではなかったのですから離れるのもしょうがありません。
しかし、それら大勢が離れていってからが本当の勝負ではないかと思ったりもするのです。例えば現在、日本のワイン市場が何度目かの盛況を迎えているといいますが、これは何度もワイン離れを繰り返してきた結果。絶対数が減る一方で、コアなファンが残り続けてきた結果だと思うのです。願わくば、若者のクルマ離れも一段落した後に、もっと成熟したクルマ文化が醸されんことを。