達成感と、やり甲斐麻薬に注意!気付かないうちに周囲に疲労を撒き散らす人たち

  • 2018/03/29
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公私共々、心身共々疲労困憊している人をつかまえて、『仕事なのに、ここ一番の踏ん張りが足りない』と尻を叩いたり『好きな事ならいくらでも頑張れるはず』と、ありえない根性論を軽々しく言い放つ体育会系出身者や、イベント大好き人間に出くわし驚く。

『出来れば頑張ってほしいのだけど…』と、疲れている人間に柔らかに圧力をかけるのも同じ事だ。
彼、彼女らは、疲れている人間に追い打ちをかける事が、どれだけ罪になるのか判っていない。

疲れている人間に柔らかに圧力をかける
仕事で達成感を得られれば疲れが吹っ飛ぶという事や、好きな事をやり続けていれば疲れないというのは嘘である。
その証拠に、オヤジの年齢になれば、好きなイベントやライブに行った翌日は昼過ぎまで寝ているはずだ。

この様な脳の『やり甲斐麻薬』に騙されない為には、どうすれば良いのだろうか。
はたまたオヤジは上司として、自分や部下が疲れない様にする為に、どの様な対策を練れば良いのだろうか。
人が疲労を感じているのに覆い隠してしまう『やり甲斐麻薬』について説明する前に、疲労とは何か、疲労のサインについて説明したいと思う。

 

疲労はパフォーマンスの低下となって現れる

日本疲労学会では、疲労を『運動や労力などの身体作業、もしくはデスクワークなどの精神負荷を連続して行った場合にみられる心身のパフォーマンス力低下』と考えている。

疲労が及ぼす心身のパフォーマンスの低下は、具体的に以下の様なものが挙げられる。

疲労はパフォーマンスの低下となって現れる
1:肩こり、腰痛、目のかすみ、頭痛など身体の痛みにより、動作が緩慢になる
2:注意力が散漫になる
3:思考力が低下する

長時間同じ仕事をしている、もしくは同じ趣味をしている事で、この様な現状が起こるのであれば、それは心身が『これ以上同じ事をしては体に悪い』と警告を発しているのだから、やめるべきなのだ。

全ての生き物は体の状態や機能を一定に保つための機能『ホメオスタシス』がある。
疲労は、発熱、痛みと同時にホメオスタシスが発する生体アラームの一種である。

野生の動物は、空腹であったとしても、疲れていると獲物を追う事をやめる。
それはホメオスタシスの働きにそっているからだ。無理をしてしまうのは人間だけである。

全ての生き物は体の状態や機能を一定に保つための機能『ホメオスタシス』がある
では何故人間だけが、『やり甲斐麻薬』により無理をしてしまうのか。

 

疲れているのは脳

実は運動で『体が疲れた』というのは正しくは『体』ではなく『脳』が疲れているのである。

脳の視床下部は、運動する前に、自律神経を通して、体が求める酸素量を判断し送りこむ。いわゆる司令塔だ。
伝達役の自律神経の働きが鈍ると、頭痛、ふらつき、体温調整がうまくいかないなど、疲労独特の症状が出てくる。

疲れているのは脳
疲労の原因の8割=自律神経失調症となるのだが、視床下部や自律神経は疲労したという情報が、体に伝わらないケースがある。

感情を司どる前頭葉が疲労よりも先に、喜びや達成感をキャッチした場合は、視床下部や自律神経からの疲労というメッセージがかき消されてしまうのだ。
これが俗に言われる『疲れがふっとんだ』という現象である。

ランナーズハイと呼ばれる現象
ランナーズハイと呼ばれる現象も、隠れ疲労、やり甲斐麻薬が出ている事になる。
脳内にエンドルフィンやカンナビノイドなどの脳内麻薬が出ているので、疲労感が打ち消されてしまうのだ。
ランナーズハイが終わった後に、襲ってくる疲労感は只者ではない。
疲労アラームを無視しつづけて走り続けてきたのだから、疲れが取れるまで、それなりの時間がかかるだろう。

では具体的に、やり甲斐麻薬が出ている人は、仕事上、どの様なミスをしてしまうのか。
疲労研究のパイオニアで、東京都港区で疲労外来専門のクリニックを開く梶本修身・大阪市立大学院疲労医学講座特任教授の所に来た患者の例をとってみよう。

 

モーレツ社員は、流行りではない

大手自動車販売会社勤務の営業課長(43)は、仕事にやり甲斐を感じ、仕事は楽しいと言っていた。
課長に昇進し、部下を統率し、通勤に片道70分かかるのもなんのその。朝早くから夜の9時まで12時間以上働いていた彼の疲労が仕事に響いていたのが露見したのは、事故だった。

彼は不注意で、短期間の間に2度事故起こしていたのだ。
自分はそんなつもりはない、『まさかの』が続く人程、疲労が溜まっている。

モーレツ社員は、流行りではない
彼はそれから、バブル時代の『モーレツ社員』として働くのではなく、余裕をもって働く事にした。
後で、彼のモーレツ社員ぶりに、部下は無理矢理付き合わされていた事も発覚。
事故を起こした課長につきあって、下っ端社員も残業をしていたというのだ。
このままでは下っ端も課長の二の舞になり、会社の業績が下がってしまう。

この様に、やり甲斐麻薬に、どっぷりつかっている人は、周囲の事が全く見えていない人が多い。
『オレがこんなに働いているのだから、お前らも頑張れ』というオーラを出し、無言で部下を残業の渦に
巻き込む事も多々ある。
裏で部下に『課長が残業やめてくれたらいいのに』とボヤかれているのも知らずにだ。

モーレツ社員以上に危ない疲労のサイン
モーレツ社員や、やり甲斐麻薬は今時はやりではない。
では、この様なモーレツ社員以上に危ない疲労のサインは何だろうか。

 

飽きたは疲労の最たるもの

あれだけ夢中になっていた趣味なのに、やり甲斐がなくなった、飽きたというものはないだろうか。
同じ仕事、同じ趣味を続けていると、脳の同じ神経細胞を使い続けているので、活性酸素が発生し、神経細胞が破壊される。
これが『飽きる』間接的要因となる。

『飽きる』『疲れる』『眠くなる』は脳疲労の三大サインで、放置しておくと重大な病に繋がる。

ちなみに筆者が一緒にいて疲れるのは、脳疲労三大サインが出ているにも関わらず、達成感や仲間意識などの『やり甲斐麻薬』が出ている為、無理なハイテンションとなっている趣味の団体だ。

飽きたは疲労の最たるもの
自分の心身に正直に生きられないどころか、他人に迷惑をかけて何とも思わない趣味の集団は正直いって目にするだけで健康を害してしまう。

貴方の仕事ぶり、そして趣味の在り方は、人を疲れさせていないだろうか。
夜遅くまで社員や趣味仲間をモーレツに頑張らせる、時間を拘束する、これらの事は、人を疲労させる要因でもある。
もしも貴方の仕事ぶりに不服を申し立ててくる部下が、1人でも居るとするならば、その下に何十人も疲労困憊している部下がいるとみて間違いないだろう。

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