大人は、レザージャケットをどう着こなせば良い!?
- 2019/08/17
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夏らしいもののひとつに、怪談とかホラーものってありますよね。私は、この系統はあんまり好きではありません。昔から、良い思い出がないんですよね。小学生とか小さい頃は、遊園地なんかに行くと、4つ下の弟がやたら入りたがるんですよ、お化け屋敷に。で、いざ中に入るとものすごい勢いで怖がって半べそかいて腕にしがみついてきて、出てきた時には「もう絶対行かない!」って言うんですけど、また次の時には行きたがるってのを繰り返すんです。
ファッションの専門学生時代には、富士急ハイランドのやたら長いお化け屋敷に10人以上のグループで入ったんですよ。1グループに1つしか懐中電灯貰えないのに。で、その先頭で縦の様に扱われて進んだのは、本当に「何やってんのオレ」状態。グループの後方に怖がりな子たちが集まっていて(ファッションの専門学校なので、女の子比率が高いんですよ)、オバケもそれを把握した上で脅かしてくるもんだから、先頭の自分には全く何もないままだったんですけどね。
とまあ、オバケじゃないポイントでの不遇が重なった思い出でしたね。そんなホラーの似合う夏に、今回はレザージャケットのお話です。こんな暑い夏に暑そうなレザージャケット!?コワイですね〜
レザージャケットはいつ着る服か?
レザージャケットというと、真冬に着る暖かいウエアというイメージを持つ方が多いのですが、実はレザージャケットって暖かくありません。だってレザー、つまり革ですよ。我々で言うなら皮膚。毛皮ならともかく、単なる革なのですから、そこに保温性などはありません。ただ、革そのものに厚みがあるので、涼しくないだけなのです。
とすると、レザージャケットっていつ着るのがより良いのか?というと、四季の中では春か秋なのです。夏は、着ている人いますけど、 よっぽどそういうファッションが好きでない限りは辛いだけですからね。冬は、着方によります。寒ければ、重ね着とか、マフラーなどを追加するなどで、暖かさを追加する事が出来ます。ただ、レザーそのものに保温性が無い分、寒さが厳しくなるほど、オススメ出来なくなります。だって、寒いならレザーを着る代わりに保温性のある服を着た方が暖かいのですから。という事でやはり、レザージャケットを着るなら春か秋なのです。暑がりで汗っかきな私は、春でも秋でも暖かさを感じる様な陽気ではもう着られないなと思うくらい。結構、着られる時期というのは絞られる印象です。
レザージャケットってどんな風に見える?
季節という視点では着られる期間が限定的で繊細に見えるレザージャケット。でも着ている人はあまり繊細そうには見えませんよね。どちらかというとワイルドなイメージもあるのではないでしょうか?レザージャケットというと、バイカーの着るライダースジャケットなんていうのは、すぐにイメージできませんか?どちらかというとアメカジの雰囲気が強くなるイメージもあるでしょうか。あとは、ミリタリーのイメージもありますよね。この辺りから見えてくる、レザージャケットの印象をキーワードで出してみると
・ワイルド
・アウトロー
・ワル
・男臭い
・タフ
こういったところでしょう。しかし我々大人の男性は、そこまでハードなイメージど真ん中でレザージャケットを着たいわけではありませんよね。こういったキーワードでは、大人の男性に見られるというよりは
・バイクが好きな人
・ミリタリー好きな人
・アウトローを気取りたい人
・ワルを気取りたい人
・男(マッチョ的な)らしさを強調したい人
こんなイメージが先行してしまいます。もう「大人の男性」とかそういう次元の話ではなく、趣味趣向の違いになってきてしまいます。ただこれだと、そういうのが好きな人しか着ないことになってしまいます。それに、例えそういうものが好きでも、いきなりそれを装いで表現してしまうのは、ちょっと安直。そもそも我々は大人の格好良さを楽しむための一つの選択肢としてレザージャケットを着てみたい。またバイク好きなどの趣味趣向があったとしても、それをストレートに表現してしまっては、これらのイメージに耐性があるとか、同じ趣味の人しか、反応してくれません。
趣味趣向をイメージのメインにする格好があっても良いのですが、もう少し大人っぽい格好をしたいものですよね。改めてキーワードで言えば
・紳士的
・知的
・洗練さ
・包容力
・落ち着き
こんなイメージをメインに出していきたいはず。このイメージのギャップをどうするか?というのが、レザージャケットをどう着こなすかに大きく関わってくるのです。
レザージャケットでどう見せたいか?
私のファッションアドバイスでも、前述の様な、ハードなイメージでレザージャケットの着こなしを楽しみたい、という様に、はじめからイメージが決まっている男性の場合は、いつもよりちょっと多めにヒアリングしています。なぜそういうイメージを出したいのか?誰に向けたものなのか?それを着てみた事があるのか?などです。そうすると、以外にもレザージャケットはそういうものだというイメージがあっただけで、必ずしもそういう着こなしをしたいわけでは無い、という人が結構いるのです。だって、はじめから着こなしのイメージが出来ていれば、そんなに相談することも無いはずですからね。相談したいという事は、迷う部分があるのです。
やはり装いにおいて大事なのは「自分を誰にどう見せたいか?」という部分です。特に大人の我々としては、そこは自分で把握し、言葉にできている方が良いですよね。「自分のしたいことを他人が理解できる言葉にすることができる」くらいには大人でありたいものです。
さらに、ファッションアドバイスの現場では写真や絵など、視覚的な具体例を求められることが多いもの。もちろんどんなプレゼンテーションでも写真や絵、図を用いるのは効果的です。しかしファッションにおいて、自分の格好良さというのは自分だけのもので、どこか他所にあるものではありません。自分で自分をイメージするのが一番の近道なのです。もちろん、レザージャケットの格好良い写真や絵ならいくらでも用意できるのですが、それが男性全員に合う正解というものでもありません。むしろ、ファッション誌から抜き出した様な、やたらと格好良い写真や絵が邪魔をして、自分の姿に正面から向き合えない、なんてこともあり得ます。「自分のしたいことを自分で言葉にできる」と同様に、自分の理想のイメージを、自分をベースにイメージ出来るということは、大人の装いにおいてとても重要な事なのです。
このふたつ、「自分のしたいことを言葉にできる」「自分の理想の姿をイメージできる」とここまで出来れば、大人の装いはほぼ完成します。
気を付けたい具体例
と、そうは言っても、きっかけとなる実例が欲しいという場合があります。そのお気持ちも十分に分かります。ファッションに迷っていた頃の自分がまさにそうでしたからね。なにか目安となるものが欲しいと思うものです。そういう実例をご要望の場合、私は理想となるイメージや言葉の例というよりも、やらない方が良い例を挙げることにしています。その上で、やはり理想像は自分で創り上げる。結果的に、この方が「自分らしい格好良さを自分で手に入れる」には手っ取り早いのです。
ということで、レザージャケットを大人の装いとして着こなす場合の気を付けたいポイントを挙げていきましょう。
・硬すぎる革は避ける
レザーマニアの中には、硬い革ほど良い!なんていう人もいます。実際、革によっては硬いというのは革が厚くてしっかりしているので丈夫で長く使えるという場合もあります。でも、これを着こなそうとすると大変です。着込んで行けば柔らかくなるものの、それには結構な時間が掛かります。私も厚くて硬いホースレザーのジャケットを持っていますが、春と秋の期間中、1ヶ月に1、2回着るという程度の頻度だと、買ってから1年ではしっかり柔らかくはなりませんでした。こんな風に年中レザージャケットを着たいわけではなく、たまに気分転換としてレザージャケットを羽織りたいという程度なら、この硬いレザージャケットを買うのは避けた方が良いでしょう。ゴワゴワして硬いレザージャケットを着る姿って、格好良くはありませんから。逆に、革の素材によってははじめから柔らかいものもあります。そういう方が、オススメです。
・安すぎる革は避ける
革は天然素材。生き物の皮から出来るので、個体差があります。さらに、商品になるまでの過程の違いもあり、結果的には品質に差が出てきます。安くて良い革の商品が出来るということは、基本的に無いと考えて良いでしょう。特に安い革というのは、見た目には色ムラもキズもなく、とても綺麗に見えます。安くてこういう見え方をする革は、基本的にオススメしません。品質の悪い革をよく見せるために、化学薬品などを使って加工処理を施しているのです。その分、革本来の風合いがなくなってしまい、「革っぽい革」になってしまっているのです。
表面がとても綺麗で、しかも加工処理を行っていない革というのは、生きている動物の段階から綺麗な肌の、希少価値のあるものですから、こういう革はいわゆる世界的な高級ブランドが買い占めていたりします。こういうレザージャケットは表面が綺麗ですが、その分とんでもなく高額になってしまいます。どちらにせよ、手軽に手に取るものでも無いので、気を付けましょう(高級なものはもちろん、お金さえあれば買っていただいて問題ありませんよ)。
・ダメージが強いものは避ける
ジーンズと同じで、革というのはその経年変化を楽しむ素材でもあります。例えばインターネット上で「レザージャケット 経年変化」と検索しても、様々な経年変化をしたレザージャケットが、その良さを讃えた文章と共に見つけられると思います。経年変化が進むほどカッコいい!!というやつ。でも、まずはレザーをさらっと着こなしたいなら、最初からダメージの強いものなどを選ぶ必要はありません。新品と同じ見た目のものを選ぶ方が良いでしょう。
・フェイクレザーは素材に気をつける
最近は動物保護やヴィーガンという観点から、動物の革そのものではなく、異なった素材で革に似せたものもあります。それをフェイクレザーとか、人造皮革などと呼びます。ただ、フェイクレザー自体は本革よりも安価に出来るということで昔からありました。こういったフェイクレザーは、素材によっては数年しか保たず、時間が経つとボロボロになってしまうものがあります。本革とは異なり、経年変化を楽しめないのです。なのでフェイクレザーを選ぶ場合は、どれくらい着続けられるものなのかをお店の人にしっかりと聞くようにしましょう。
・デザインの強いものは避ける
冒頭に書いた通り、レザーというだけでハードなイメージを持つ人は少なくありません。最近では若い女の子がレザージャケットを羽織ったりもしていますが、あれは男性的な服を着ることで、相対的に着る本人の女性らしさを際立たせるという視覚効果を狙ったものです。つまり、そんなレザージャケットを男性が着たら、男臭さが否応にも出てくるということ。なのでせめて、レザージャケットのデザインはシンプルなものを選びたいところです。デザインまでハードになってしまうと、ただただコワい人に見えちゃう危険もありますからね。
・サイズが合わないものは無理に買わない
レザージャケットは比較的効果な服ですが、スーツと異なりそんなにオーダー出来るところが多い訳ではありません。なので、自分の身体に合う1着を見つけるというのも、とても大事なポイント。日本人向けに作られたサイズのものを置いているお店を探すのが手っ取り早いですね。自分の身体より大き目を選ぶのか、小さめを選ぶのかは自分の理想のイメージ次第です。ぜひ、お店の人とも相談しながら、適切なサイズを見つけて欲しいと思います。逆に、サイズが合わないのなら、どんなに気に入った1着でも買ってしまうのはオススメできません。自分が好きなものと似合うものは、必ずしも一致しない場合があるのです。あくまで「理想の自分にどれだけ近づけるか」という視点で選んで欲しいと思います。
「レザージャケットを着てみたい!」と思ったらぜひ、まずは以上の様なポイントに気を付けながら、お気に入りの1着を探してみて欲しいと思います。これだと思うレザージャケットを手に入れたなら、臆することなく着て、着て、着倒して欲しいと思います。本革であればレザーの経年変化や、自分の身体に馴染んでいく経過も楽しめるはず。レザーならではの楽しみが広がるはずです。
ここまで書いておいてなんですが。もしそこでレザーに目覚めてしまったのなら、分厚くて硬いレザージャケットなどにも挑戦してみて良いかもしれませんね。そうなってくると、今回私のお伝えした「大人の格好良い装い」と、ちょっと違う世界に入ってはいきますが、それもまたレザーならではの楽しみのひとつです。どちらかに優劣をつけることは出来るものではありません。それもまた自分の理想がどこにあるかで変わってくるものですから。今回はまず、これまでレザージャケットなどを着たことが無い男性にもチャレンジできそうな視点で書いてみたので、この秋から試しに1着レザージャケットを探してみてはいかがでしょうか?