大人だからこそ!ベストを魅力的に格好良く着こなすための考え方とは?

  • 2018/12/26
  • ファッション
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  • ファッションマジシャン◆ yutaka
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クリスマスが過ぎましたね。今年も息子はサンタにプレゼントをお願いし、クリスマスまで待ち遠しくてウキウキし過ぎて日々の生活が雑になり叱られて「そんなんじゃサンタさんはプレゼント持ってきてくれないよ!」とクリスマスまでに何度も言われる羽目になっていました。

かくして、クリスマスの朝に無事プレゼントを見つけた時には、プレゼントに向かって「サンタさん!ありがとうございます!ありがとうございます!」と必死に拝む息子の後ろ姿がありました。今回ばかりは息子も自分の奔放さを自覚し「もしかしたらサンタさんに呆れられたかも!?」と心配だったのでしょう。それならもうちょっと毎日を丁寧に過ごせば良いのに、なんて思いつつ、まだ可愛い年頃だなと感慨にふけっていました。

あなたにサンタは来てくれましたか?もしくは、サンタを見事にやってのけたでしょうか?現実の中に奇跡が飛び込んでくるこの夢のある季節を、私は今年も存分に楽しめました。こういう現実とも夢とも取れない様な体験が出来るというのは、いくつになっても、とても良い経験になりますよね。

今回は現実か夢か!?という訳ではないものの「これってどっち?」という服についてのお話。こういうどちらとも取れない存在って、独特の魅力を放つものですからね。

 

ベストはアウターでありインナー

ベストはアウターでありインナー

その服とはベストの事なのです。現在では色々な呼び方があります。ジレ、ウエストコート、チョッキなどなど。名前の違いは国(言語)の違いでもあります。

それぞれ、その国で固有の進化をしてきた分、厳密には違う形や意味のものだ、なんて事をファッションの専門学校時代に学んだ気がするのですが、現在ではネットで検索すると「みんな同じもの」なんて大雑把な説明が多いですね。

今回はそんな名前の違いには踏み込みません。ポイントは男性服におけるベストの役割です。我々が洋服と呼ぶ装いにおける男性服のベストといえば、スーツの着こなしに使われるベストがベースにあります。このベスト実はなかなか面白い服なのです。

スーツ本来の話として良く出てくるのは「スーツではシャツは本来下着だ」というもの。だから、「シャツの下に下着を着ると下着を重ねて着ることになるからダメだ。」とか「女性の前でシャツ姿になるって事は、ベッドインしたいって意図を持つんだ」とかまあ、色々言われる訳です。実際にそういう認識だった時代があります。

でもジャケットを着ていて暑かったり堅苦しく感じて、ジャケットを脱ぎたい時もありますよね。それは今も昔も変わりません。

そんな時に活躍するのがベスト。ベストを着ていれば、シャツの上に上着を着ているという事で、下着一丁の格好じゃないから失礼にはならない!という事。

イギリスではベストをウエストコートと呼びますが、まさに「ウエストに着る上着」という役割なんですね。一方、ベストの上にジャケットを着ればスーツの王道、スリーピーススーツが完成します。この時は、ベストはジャケットの下に着るインナーの役割を果たします。

つまり、ベストというのはアウターでもありインナーでもある、まさに「これってどっち?」という服なのです。

 

狭間の立ち位置が、セクシーさを生む

狭間の立ち位置が、セクシーさを生む

アウターでもありインナーでもあり、着方によってその狭間を行き来する立ち位置にいるベスト。その立ち位置ゆえに、ベストは独特の魅力を持っています。

ジャケットを羽織っている時は、シャツとジャケットの間でチラッと覗くニクいヤツ。一方ジャケットを脱げば、本来は下着だったシャツの胴体部分だけを覆い、腕や胸元は露出するという、かなり(下着の)露出度が高い上着です。

この様にアウターとインナー両面の顔を持ちつつも、どちらの着方でもチラリズムで男の魅力を発揮できたりします。だから、ベストってかなりセクシーな服とも言えるのです。実際、ベストを着ている大人の男性ってセクシーに見えませんか?ベストのセクシーさは、こんなベストが持つ役割、立ち位置からきているのです。面白いのは、こんなベストの役割を知らなくても、自然とそう感じられる様なデザインがベストに施されているということ。なかなかデキるヤツなのです。

 

だから、こう着こなす!

だから、こう着こなす!

とはいっても、やはりベストの魅力を最大限に活かすためには、着こなしで注意する部分があります。ポイントとなる部分をいくつかお伝えしましょう。まずはサイズ。基本的には、身体のラインが見えるくらい、ジャストフィットが良いです。

少し小さいかな?と感じるくらいでも良いですね。胴体の部分って、座ったり身体を腰から曲げる状態になると、直立不動の時よりも太くなります。なので、座った時にぴったりジャストくらいにしておくと無理なく着られます。これ、ゆるいと格好悪いので要注意ですよ。

さらに、ベストは最近まで流行アイテムでもありました。なので大学生など若い子の間でも人気の服だったんです。あまりに出回りすぎて、着られすぎて、一部の着こなしは「木こりファッション」なんて名前で「大学生のダサい格好」の定番となってしまった感もあります。

これは、Tシャツにベストを合わせ、しかもベストの前は開けっ放し。まさにアニメとか絵本で出てくる木こりの様な格好でした。こうならないためにも、下に着るのは襟付きのサイズの合ったシャツにして、ベストは前のボタンを留めてジャストサイズを着るのが基本と考えるのが良いですね。

ちなみに、ベストはスーツのジャケット同様、一番下のボタンを留めないでおくという着こなしがあります。ベストのデザインによるので全てではないのですが、これも頭に入れておくと良いでしょう。

 

そういえば、ベストの背中ってなんであんな風に、テカテカの生地が付いているか知っていますか?あのテカテカの生地は、主にジャケットなどの裏地として使われる生地なのです。ちょっとネットなどで調べると「着る時にジャケットとの摩擦を少なくするため」なんていう情報がすぐに見つかるかと思います。

でもこれ、納得できそうなものの、よくよく考えると「?」となる理由だったりします。だって、ジャケットにも裏地があってそれはテカテカ、スベスベしているから、同じものがベストに無くても良さそうだと思いませんか?ちなみに、私は裏地のないタイプのジャケットを着ても、摩擦が気になるほど感じたことはありません。実はこのベストの背中の生地、経費削減のためにこうなったという説もあります。

もうちょっと言うと、贅沢禁止令ができた時にスーツの原型ができたとされるのですが、その贅沢を禁じる時、ベストの背中はどうせジャケットの下にあって見えないのだから、そこにお金をかける必要もないだろ。という理由から裏地の様な、安価な生地が使われたとするお話があります。これ、私は感覚的にも納得できるんですよね。だって、背中が裏地のベストって、ジャケットを脱いだ時になんだか気恥ずかしい、見せてはいけない部分を見せてしまった様な気分になるんです。

そんなこともあり、ベスト好きの私のベストの背中は、基本的に表地と同じか、もしくは色違いや柄違いの生地を使ったものばかりで裏地を使ったものってないんですよね。これでジャケットを上から着て摩擦で困ったこともありませんし。とまあ、こんな風にベストはインナーかアウターか?だけでなく更にはこんな風に表地か、裏地か?なんて選択まで迫られたなんて話もある、かなりキワモノの面を持っていると言えます。だからこそ、クラシックな服のわりに立ち位置が不鮮明で掴みドコロがなく、こんなトコロが男心も、女心もくすぐるのでしょう。

 

今回は、一時期のベスト大流行期を終え、落ち着いてきた感があったベストを取り上げました。流行しただけあって「ベストの着こなしテクニック」なんて情報はネットを探すだけでも数多く出てきますが、今回の様なベストの出自から考える着こなし情報というのは珍しいかもしれません。でもやはり、男の装いとして完成されたスーツの中の1つですから、本来の役割を理解した上で着こなすことで、より深みのある大人の装いが楽しめると言うものです。ぜひ、こんな考え方、視点も踏まえた上で、大人のベストをセクシーに着こなして欲しいと思います。

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