現金が使えなくても今日1日過ごせる?ここまできたキャッスレス世界
- 2018/09/12
- ビジネス
- 234view
- マネー
- マネー
- 日常
- 生活
- 社会
出張先のホテル近くに見慣れない看板が…
ビジネスマンならとかく出張はつきもの。
仕事が終わったらやっすいビジホに宿を取り、近くの中華料理屋で一杯か、コンビニで500ミリ缶を買い込んでオードブルをつまんだりと、おひとり様の夜はあまり豪勢なことを考えないのが今のオヤジ世代だろう。
そのホテル近くで目を付けていたコンビニ?のような店舗前に、1枚の見慣れない看板があった。
「当店では現金が使えません」
なにこれ?ふぁ〜、マジかよ!
よりによって、知らない土地で他のコンビニ探せってか?
おかしいと思ったよ、ローソンでもセブンでもない感じで、新しめの店なのに人がサッパリいないんだから。
仕方なく他のコンビニか食い物の店を探索していると、今度はこじゃれたバル風のオープンレストラン?を発見。
「ちょっと高いかもしれないけど、今夜はここで一杯やるべ」
そしたらまた店先に看板が。
「SORRY! CASHLESS」
ぷぷぷ〜!英語で書かれたって、現金お断りには違いねえじゃねえか!
いったい、この街はどうなっちゃってるんだ?
…というのはオジサンの経験&一部妄想の話だが、実は今、首都圏を中心にこれと似た状況がバンバン出てきてるらしいのだ。
電子マネー使えます、から現金お断りへ
思い返せば10年くらい前は、電子マネーなんてオマケにもらったポイントを小銭の代わりにしましたよ、くらいな話で、とても使いづらく、そしてうさんくさく思われていたものだ。
なにしろ現金指向の高い我がニッポン。
バブルの頃は、アタッシュケースに現金詰めて倒産品を根こそぎ買う安売り王のようなオジサンがいたり、ひとり暮らしのおばあちゃんが亡くなった後、床下のカメからうん千万円分の硬貨が見つかったりと、実物主義ここに極まれりといった風情だった。
ところが、である。
いまや人手不足で会社がつぶれる時代。
レジ打ちにそうそう人材を取られるわけにはいかず、またレジ作業での困ったトラブルも後を絶たない。
なにより閉店後、お金をいちいち数える手間(期末の経理含め)も省ける。
そこで経営側は思い切ってくだんの「現金お断り」「CASHLESS」店に転換しちゃったというわけ。
この世で一番信頼できるはずの「現物貨幣」がもういらないっていうんだから、これはオヤジ世代も少し考えをあらためるべきところがありそうなのだ。
キャッシュレス社会で最も大切なものとは
完全キャッシュレスの波は今のところレストランやホテル、お土産屋、書店くらいまでで落ち着いているようだが、これはもう抗えない時代の波。
次はアパレル業界からレジャー産業まで、現金を持っているとちょっと煩わしいシーンでは積極的にキャッシュレスとなることが予測される。
で、こうなると注意すべきことが3つある。
ひとつは
▼個人の信用度が改めて問われる
ということ。
どういうことかというと、キャッシュそのものの「実物信用」を使わないキャッシュレス世界では、今度は電子マネーを持つ人間そのものの「人間信用」を担保に経済が動くということ。
具体的には「キャッシュカードが持てない人はキャッシュレス時代を生き残れない」と断言しても良い。
キャッシュカードの信用を使い、人間そのものを選択することが進んでいるからだ。
これまでは支払いを飛ばしてしまっても、カード発行停止&数年間の金融機関ブラックリスト入りくらいだったかも(今はもっと厳しいかな)しれないが、これからひどい場合は電子マネーの使用はおろか、入店、登録さえ拒まれるシーンもあるだろう。
そしてもうひとつは
▼あなたの使うお金の流れが今以上にデータとして扱われやすい
ということ。
電子マネーはいくら使ったかわかりにくい、という声もあるが、世の中のお金の流れが全部データ化されると、今度はその通知だけでもうるさいくらいスマホが鳴り、光り、教え、忘れることはない。
ということは、あなたの経済活動を現す指標がまたひとつビッグデータの中に組み込まれ、いやおうなしにどこかの企業、広告活動に使われるということも覚えておかなければならない。
そして最後に、これが一番大切なのだが
▼現金が必要なシーンもまだまだ全然なくならない
ってこと。
今回の災害でわかったと思う。電気が来なけりゃ電子マネーなんて宝の持ち腐れだってことが。
ブタさんの貯金箱、壊して使った人いたんじゃないですか?
ヘソクリって言葉、今の若い世代は知らないかな?