給料明細で天引きされている社会保険ってなに?いまさら聞けない大人の常識
- 2017/05/31
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社会保険の内容を知る
給料が上がるのは年に1回が一般的な社会では、毎月の給料明細を見ないオヤジも少なくないようです。それどころか、給料明細に書かれている内容や数字すらよく覚えていないというツワモノまでいます。あるいは、嫁さんに全部握られているから、自分は何も知らなくて当然というケースも。ちょっと悲しい話ですね。しかし、自分の給料明細の中身くらいは理解しておきたいもの。そこでネックになるのが社会保険の項目です。
社会保険料として毎月同じくらいの金額が引かれていることは知っているけど、詳しく説明しろといわれても無理というオヤジのために、いまさら聞けない社会保険の常識をお伝えします。
一般に社会保険と呼ばれるものには、以下の種類があります。
・医療保険(健康保険)
・年金保険
・雇用保険
・労災保険
それでは、個別の内容を確認しましょう。
・医療保険…健康保険とも呼ばれる保険です。病気やケガをしたときの医療費負担が軽くなるように整備されている国の社会保障制度の中でも重要な位置を占めています。医療保険には主に41種類あり、大企業が自社グループのために設置する健康保険組合の健康保険と、かつて政府管掌健康保険と呼ばれていたものが協会運営に変わった協会健康保険(組合を持たない会社の従業員などが加入)、公務員の共済、それに国民健康保険です。保険料は所得によって異なります。
医療保険の加入者が病院の窓口で払う料金(自己負担額)は、基本的に3割です。保険診療の報酬が1万円だったとすれば、自分は3000円だけ払えばよいのです。また、高齢者の域まで年齢が上がれば2割、後期高齢者で1割と負担が減りますが、所得が現役並みにある人は3割負担です。
この医療保険の拡大部分とも言えるのが、介護保険で40歳以上の人が加入対象です。介護保険は、介護が必要な状態になったときに低い負担額でサービスを受けられる制度です。
時代とともに変化する社会保険
・年金保険…一般的なサラリーマンが加入するのが厚生年金保険、自営業者や無職者などは国民年金保険です。公務員には共済年金がありましたが、民間よりも優遇されていたため2015年10月に厚生年金に統一されています。
この年金は、退職後の生活を考慮したものとされていますが、その中に国民年金部分が含まれており、さらに事業者が半額負担することで保険料が多くなっている厚生年金はともかくとして、国民年金の支給額はそれだけで生活できるレベルではありません。月額6万程度では、家賃にもならないオヤジも少なくないことでしょう。その理由は、国民年金に加入している自営業者は生涯現役で収入があるからだそうです。「?」マークが一杯になります。
また、年金は一定期間保険料を払い込まないと受給資格が得られません。(2017年、つまり今年の8月から25年以上だったものが10年に短縮されます。)さらに、国民年金の場合は65歳からの受給ですが、繰上げ繰り下げが可能です。早くなれば減額され、遅くなれば増額されますが、寿命と相談になる面もあります。このような点については、国民の不満や保険料を確保したいが支払財源は乏しいという国の思惑などがあって、条件が変わることは避けられないでしょう。今後の制度変化に注意すべきところです。
・雇用保険…失業した場合に当面の生活費を確保する手段ですが、こちらも条件が悪くなる一方です。
・労災保険…勤務中や通勤途上の病気やケガ、死亡などについて給付を行う制度です。雇用保険とともに労働保険と呼ばれる分野で、労働者を雇用している者には加入義務があります。
ちなみに、医療保険においては、世帯の月間自己負担額に所得による上限が設けられています。高額療養費制度がそれです。医者代が高くても、還ってくる可能性があることを忘れないでください(場合によっては、初めから限度を超えて払う必要がありません)。また、医療保険とは別の話ですが、年間の医療費がかさんだ場合は所得税の還付対象となることがあります。
社会保険にはもっと細かい規定がたくさんありますが、概要を抑えておけば、必要なときに必要な情報を得やすいでしょう。