食品株が空前の大盛況 食卓と資産を守る強いミカタに
- 2016/07/21
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数々の下落局面にもびくともしない強さあり
世界ではブレグジット騒動の第1段階が終わったようで、各国の市場は落ち着きを取り戻しつつある。
そうはいっても一度ここまで崩れた相場。本格上昇まで再び盛り上がるには、時間的な調整が今少し必要になるだろう。
ところが年明けからの大きな2度の下落にもびくともせず、いまが旬真っ盛りのセクターがある。
それが「食品」セクターだ。
収穫の時を迎える食品株
みんながよく知る銘柄だけを見ても、その勢いはちょっとしたもの。
明治HD(2269) 再び最高値付近に PER31倍
伊藤園(2593) 1年で1.6倍 PER42倍
キューピー(2809) 1年で1.5倍 PER31倍
ハウス食品グループ本社(2810) 今年の高値付近 PER36倍
山崎製パン(2212) 1年で1.6倍 PER45倍
雪印メグミルク(2270) 1年で2.5倍 PER25倍
ごらんのように、この1年で5割や6割の上昇は当たり前。
中には2倍に化けたものや、上場来高値をとるものもある。
これがあの「ディフェンシブセクター」食品株の姿だというのだから、オドロキ。
散々デイトレして今年の利益がたった1割なんて人にとっては、「なんだ、去年食品株買ってりゃ5割取れたの?」と嘆きたくなるのも無理はないだろう。
割高にはなってきたが……
さすがに足元はボロボロに傷ついたセクターへの買い戻し等もあって、資金が少しずつそちらへシフトし出した。食品セクターのPERは軒並み30倍を超えているし、材料なしでこれ以上買い進めるのも難しかろう。
だからといって、すぐに食品セクター全体が下落するとも考えにくい。日本では食品株の人気は根強いものがある。優待制度が充実しているし、折にふれて買われ、持ち続けるから売る投資家がそもそも少ないという好需給に支えられている面があるからだ。
同じディフェンシブセクターであるはずの薬品株が、今年サッパリ冴えないのとは対照的な動きである。
割高ではなく、売られないから許されるPER30倍株といえる。
安全資産としてまだまだ現役バリバリ
「下がればまた買いたい」「毎日食べているから応援したい」
個人投資家にとっては、無意識に、自然と長期投資の極意のような順のサイクルが発動されるのが食品株なのかもしれない。
世界に誇る日本の食品業界がその理念を失わない限り、個人投資家の食卓と資産の両方を守る防波堤として、食品株はこれからも多くの災難を乗り越えてくれるだろう。