プロ野球のキャンプって、なんで暖かいところばかりでやるのでしょうか?

  • 2018/01/31
  • ライフスタイル・娯楽
  • 465view
  • アントニオ犬助
タグ

オフといえど、ルーキーたちの競争は始まっている!!

オフといえど、ルーキーたちの競争は始まっている

プロ野球選手にとって年末・年始の2カ月は貴重な契約外期間。
球団の拘束を受けることがない時期ですから、オフを満喫しているか? というと、決してそうではありません。2月から始まる春季キャンプに向けて、各自トレーニングに励んでいるもの。これを「自主トレ」と呼ぶのです。
しかしルーキーの場合、アマチュア球界で実績を積んだとはいえプロ経験はゼロ。自主トレといって好きに練習をさせておくだけでは少々不安が残ります。
そこで各球団、1月の初旬にはルーキーは入寮した後に「新人合同自主トレ」へ参加するのが恒例。特に今年から我らが阪神タイガースは新人合同自主トレの舞台を、恒例の鳴尾浜(兵庫県:寮とファーム施設があります)から甲子園に変更……うーん、聖地・甲子園で一足早く躍動する若虎たち!! 胸が高鳴りますね。

 

遠い沖縄までキャンプに出向く必要性は?

ここで「ん?」と思ったのは犬助なのです。
鳴尾浜や甲子園で新人合同自主トレを開始するならば、春季キャンプも鳴尾浜や甲子園でやればいいんじゃないの?
練習設備も整っていますし、寮や自宅といった生活基盤とキャンプ地が近いのも選手たちにとってありがたいはず。ファンにしても通いなれた球場や施設ならば、見学に出向くのも便利。
選手たちもファンたちも、なにも遠く離れた沖縄県宜野座村(1軍)まで、春季キャンプに出向く必要は無いのではないか? ということなのです。
現在、沖縄県でキャンプをおこなっているのは阪神タイガースを含めた9球団。
やはり暖かいところでキャンプをおこなった方が体のキレが違うとか、屋外での全体練習がはかどるなどメリットも多いのでしょう。しかしそれだけならば、もっと温暖な海外でおこなうという選択肢もあるはず。
現に北海道日本ハムファイターズはアメリカで、Jリーグの数チームは東南アジアでキャンプをおこなっているのです。

 

いざ、虎戦士たちは沖縄県宜野座村へ!!

いざ、虎戦士たちは沖縄県宜野座村へ

阪神が現在の宜野座村でキャンプをおこなうようになったのは2003年から。それまでは現在2軍のキャンプ地である、高知県安芸市で1軍もおこなうのが恒例でした。
なぜ高知県がキャンプ地に選ばれていたか? というのは降雨量の問題、本州と比較して雨が少ないので屋外練習がおこなえる。これは他のキャンプ地にもいえることで、古くは静岡でもおこなわれていたもの。現在も読売ジャイアンツや広島東洋カープなど5球団が、宮崎県でキャンプをおこなっているのです。
しかし阪神の場合キャンプをおこなっていた高知県安芸市営球場の設備が老朽化していたこともあり、他のキャンプ地を探していたところに手を上げたのが沖縄県宜野座村だったのです。
ここにはナイターも可能な天然芝の村営野球場に加えて屋内練習場もあるという、近代的な設備が整っている。人口も数千人で近くに繁華街もありませんから「野球漬け」になるにはもってこいの環境。
東南アジアでは野球場を探すことが難しい、アメリカまで足を伸ばすには経費がかかる。
すると適当な場所が沖縄にある上に、年真に誘致もしてくれた、というのが阪神だけでなく、他球団も沖縄をキャンプ地に選んでいる理由でしょう。

 

小さな村に、なぜ立派な球場があるのか

ではなぜ、こんな人口数千人の小さな(失礼)宜野座村に立派な野球の施設が整っているのか? というと別のキャンプ……米軍基地「キャンプ・シュワブ」の特別歳入によるというのがもっぱらの説。どの程度の額が流れており、本当にそれで宜野座村営球場が建てられたのかどうかの証拠まではつかめてはいません。
しかし、このことは他の8球団がキャンプをおこなっている地域にも、それぞれ米軍基地もしくは付帯施設があるということからもリアリティがあるのです。
しかしそんな施設、維持していくだけでも相当な費用がかかるもの。これも、一説でしかないのですが宜野座村営球場の年間の維持費は1,000万円とか……
そこで、プロ野球のキャンプを誘致することで球場の維持費や、それを上回る経済効果を見込んだというのです。

 

経済効果を望む、沖縄県側

経済効果を望む、沖縄県側

11万800人、11万3,100人とは金本知憲氏が監督就任以来、キャンプ地の宜野座村にやってきた観客の数。「りゅうぎん経済研究所」がまとめた資料によると、2016年の阪神タイガース春季キャンプの経済効果は実に34億7,900万円、他球団のキャンプを含めた沖縄全土の経済効果の総額は100億円を上回っているのです。このことは宮崎県でも同様で、こちらも経済効果も100億円を上回る。これは人口も少ない地方都市にとっては、大きいものということができるのです。
なぜ、プロ野球のキャンプは暖かいところ、とりわけ沖縄でやるのか? というと球団側は温暖な上に設備が整っているからということができる。加えて、誘致する側は経済効果も見込めるということができます。
うーん今年のキャンプ、そしてペナントレース……今から、実に楽しみなのです。

この記事の作者

アントニオ犬助
アントニオ犬助
みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
up アントニオ犬助
アントニオ犬助

週間アクセスランキング

    ページTOPへ
    ページTOPへ