オヤジも美少女になれる? Vチューバーの世界
- 2018/09/30
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人気急上昇中の「Vチューバー」とは
小学生がなりたい職業の上位に、動画配信サイトユーチューブへの動画投稿で生計を立てる「ユーチューバー」がランクインするようになった昨今ですが、さらに進化した「Vチューバー」がここ2年ほどで人気を席巻していることをご存じでしょうか。
Vチューバーとは「バーチャルユーチューバー」の略です。通常のユーチューバーは生身の本人が動画に登場して企画に挑戦したりダンスを披露したりしますが、Vチューバーは生身の本人に代わってCGやイラストのキャラクターが登場します。多くのVチューバーは、いわゆる「萌え系」の美少女キャラクターです。
世界初のVチューバーを自称する「キズナアイ」は、双葉とハートをイメージした飾りのついたカチューシャがお気に入りのロングヘアの女の子。2016年11月に彗星のように動画デビューを果たし、瞬く間に人気を集めました。現在ではチャンネル登録者数が200万人超え、動画視聴回数が1億回超えという驚異的な数字を叩き出しています。
キズナアイの人気を受けて、「輝夜月」や「ミライアカリ」などのVチューバーも続々デビューしており、それぞれがファンを獲得しています。さらには茨城県が公認Vチューバー「茨ひより」で広報活動を行うなど、自治体や企業の注目も集まっています。
Vチューバーだからこそのメリットがある
VチューバーはCGなどでつくられた架空のキャラクターですが、アニメと違って生放送にも対応できます。事前に制作した映像を流すのではなく、モーションを担当する人物の動きを機械で読み取ってCGに投影する仕組みだからです。いわばバーチャル上の着ぐるみといえるでしょう。Vチューバーの動きや声を担当するいわゆる「中の人」は非公開であることが多いですが、ゆるキャラなどと同様と考えれば納得のいくところです。
このような表現方法が誕生したことで、今までなんらかの理由で「顔出し」ができず、ユーチューバーをあきらめていた人にもデビューのチャンスが与えられました。現在でもゲームのプレイを実況するゲーム実況者にはマスクやお面をつけて生放送などに登場する人が多いですが、これからはどんどんその必要がなくなるでしょう。
また、配信したいコンテンツに合わせた外見が得られることは大きなメリットです。アイドルのようなかわいくて元気な歌を動画配信したければ、アイドルらしい華やかな外見のほうがしっくりきますよね。
これは突き詰めて考えれば、オヤジでも美少女の外見を手に入れられるということです。現状では声を女性にお願いしなければなりませんが……美少女の外見でオヤジの声というのもおもしろいかもしれません。
Vチューバーデビューのハードルは下がっている
しかし「モーションを機械に読み取らせてCGに投影」などといわれると、「必要な機材が多そう」、「誰にでもできることではなさそう」と思う方も多いでしょう。実際、キズナアイを開発したのはActiv8という企業で、きちんと製作委員会が存在します。
だからといって、一部の技術がある人たちにしかできないと判断するのはまだ早いのです。確かに、モーションを撮影するためのモーションキャプチャはかつて数百万円もするうえに専用スタジオも必要という大がかりな機械でした。しかし現在ではセンサーの性能が向上したこともあり、20万円程度で場所を選ばず全身がキャプチャできる製品が開発されています。スマホの自撮り動画にVチューバーのキャラクターを重ねるアプリなども登場しており、個人でVチューバーになる人も増えています。
一昔前までは、動画製作とはプロが数人がかりで行う大変な作業でした。もちろん現在でも大作なら手間や人数が必要ですが、アマチュアひとりでも動画をつくれる時代になったのです。Vチューバーとしての動画製作も、同じようにアマチュアひとりで可能な時代になりつつあります。Vチューバーデビューのハードルは、高いものではなくなっているといえるでしょう。