プレミアム日本酒が高すぎる!と感じるオヤジには〇〇

  • 2019/05/01
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プレミア化で日本酒離れが進むという現状

プレミア化で日本酒離れが進むという現状
プレミアム化したジャパニーズウイスキーが、世のウイスキー好きを悩ませている。
こんな話を何度か書いたのですが、プレミアム化しているのはウイスキーだけではありません。近年、注目を集めているのが日本酒。「十四代」や「新政(あらまさ)」「而今(じこん)」といった数々の銘柄がプレミア化、蔵元の想定の数倍という市場価格で取引されていますから、気軽に飲もうと思っても手が出ないのです。

誰が悪いのか?というと、高値での転売を目論む人たち。プレミア必至の銘柄が売りに出されると、買い占めてしまうといいますね。これで困ってしまうのが、適正な価格で手に入れたい人たち。「あの有名な日本酒を飲んでみたい!」と思っても手に入らないか、とんでもない市場価格になっていますから、試してみることすらできない事態になっています。

これらプレミア化しがちな日本酒に共通する特長は、口上がりが良くて飲みやすいこと。「日本酒をこれから楽しんでみようか」と思っている人たちにピッタリというところです。しかし手に入らないから日本酒を試せない、奥深い魅力にハマることはない。ひいては日本酒離れにつながっているのではないか?私、アントニオ犬助は悲しく思っているのです。

 

増産しないのではなく、できないという理屈

「それだけ人気なのだから、増産すればいいじゃないか!」
プレミアム日本酒を入手できずに悩んでいる人たちは、こんなふうに考えがちです。しかし、そうはいかないのが日本酒の世界。プレミアムな日本酒は総じて、小規模な酒蔵が手がけているもの。増産するといっても設備投資や人員などの問題が山積みとなりますから、おいそれと踏み切ることができないのです。

加えて問題になるのが製造工程。大量生産されている日本酒とは異なり、少量しか生産できない、手間がかかる工程を踏んでいるからこそあの味が出せる!と酒蔵は主張していますから、増産できない。「増産しないのではなく、増産できないのだ」というのですね。ここまで聞いて犬助は「なら、しょうがないんだね」と、一時は納得していました。

 

酒造りの常識を次々と覆した「獺祭(だっさい)」

ところが、ある銘柄と出会い、その考えは大いに覆されることになります。それは山口県岩国市で造られている「獺祭(だっさい)」、非常に旨い純米大吟醸酒で、先に挙げたプレミアム日本酒たちと比較しても、何ら見劣りするところはないのではないか?犬助は思っています。しかし不思議なことに、この獺祭には(一部の銘柄をのぞいて)プレミアが付いていません。というのも十分な量が出回っているから、増産に成功したからです。

なぜ獺祭は、難しいとされる日本酒の増産に成功したのか?というと、蔵元の経営努力に尽きるでしょう。
優れた杜氏の長年の勘と経験によってしか、旨い酒は造ることができない。冬場にしか酒は造ることができない。これら伝統的な日本酒造りにこだわる酒蔵が「常識」としていたことを、次々と打ち破ったのが獺祭。現在、杜氏は存在しない代わりに、徹底したデータ化によって科学的な酒造りを志向、品質を安定化させることに成功しました。また、通年で製造していますから獺祭は品薄にはならない、飲みたい人に行き渡りますからプレミア化を防ぐことができるのです。また、多くの酒蔵が季節労働者に頼っている酒造りを、自社のスタッフでまかなうこともできるようになりました。巷の蔵元が抱える雇用問題も解決しているのです。

 

旭酒造の酒造りの姿勢から学ぶきこと

高い金を払って、プレミアムが付いた高名な日本酒を飲むべきかどうか?
こんなことに悩んでいる人は、一も二もなく「獺祭」を試してみるべきだと思うのです。繰り返しになりますが、その味はプレミア化した日本酒の銘柄と比べても、決して劣ることはないと犬助は思っています。卸している小売店こそ多くはないものの、それらは獺祭を手がけている「旭酒造」のHPで知ることができますし、Webを使えばそれらの小売店から簡単に手に入れることができます。

加えて知るべきことは、上質な酒が適正な価格で手に入る。こんな当たり前のことを実現するために、旭酒造が払ってきた企業努力でしょう。「これこれの理由で造れない」ではなく「造るためにはどうするか?」を追求し続けたからこそ。この心構えって、私たちの日常生活にも必要なものですよね。

この記事の作者

アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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