Vick TailorやCiccioなど評判な「関東の実力派日本人テーラー」その1
- 2016/08/26
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使えるお金が多くなってきて「そろそろオーダーメイドのスーツも良いな」なんて考える様になった時、オーダーメイドのスーツ屋さんというのは未知の世界ですよね。
なんてったって、ファッション業界にあっても、年に2回服の形が変わっていく、いわゆる一般的なアパレルと、オーダースーツというジャンルにはかなりの隔たりがあるものです。
ですから、いくらファッション業界での経歴が長いとしても、オーダースーツ業界に携わった事がなければ、実はそのスーツに関しての知識や感覚などは殆どわからない、なんて人もいるくらいなのです。こうなると一般の人は尚更、オーダースーツの世界は遠く感じてしまいがちですよね。
それでは面白くありませんから、今回はオーダースーツ業界での経験がある私から、日本の実力派テーラー(オーダースーツ店)をご紹介しましょう。ここでの実力とは
技術×センス×実績
を兼ね備えたテーラーという事で話を進めます。
この内容で紹介するには、それなりの知識と情報が必要です。特に実績は、私の生地屋での実際の経験と、そこから今までに得た情報から判断しています。それなりに高級な生地を扱っていたので、そういった生地がよく売れる=実績があるという事からも判断できる訳です。
もちろん、センスも大事です。日本には、昔から続くテーラーもありますが、その中には私が通称「とっつぁんテーラー」と呼ぶ、昔の冴えないおじさんが着る様な形のスーツを作り続けるところもあります。そういうところは選択肢から外しています。センスは主観的なもので、人によって好みは分かれますが、それでもそういった感覚を大事にしているテーラーかどうかというのはひとつのポイントになるでしょう。
と、いうことで早速、私がオススメしたい関東で活躍する日本の実力派テーラーを今回と次回の2回に分けてご紹介しましょう。(順番はカッコ内カタカナ表記での、あいうえお順です)
◇Vick Tailor(ヴィックテーラー)
銀座にそのお店を構えるテーラーです。
ここの主、近藤さんはとても温和で優しい雰囲気が滲み出ている方です。それに、スーツ史にもかなり造詣が深い、まさにプロフェッショナルな方です。
技術も素晴らしく、イタリア人にそのスーツを「まさにフェラーリだ!」と称賛された程だと言います。インスタグラムもやっているのですが、そこを見れば、センスも素晴らしいことが一目瞭然。まずはこのインスタグラムを眺めてみるだけでも、オーダースーツの世界を味わえると思います。
◇Sartoria Ypsilon(サルトリア イプシロン)
HP: http://www.sartoriaypsilon.com/
日本橋にお店を構えるのが船橋さん。ミラノにお店を構えていた頃に一度お会いした事があります。フェデリコ・フェリーニ監督の服を仕立てた事でも知られています。イタリアでも北部の、国際派の洗練されたスーツを得意とします。イタリアらしい柔らかい着心地のスーツが得意と言われます。
船橋さんとお話した時に印象深かった言葉に「餅は絵に描け」というのがありました。色々な可能性に満ちた未来を提案していくのがファッションに携わる者の本分であるべきだ、という事がよく分かる一言ですよね。
◇Ciccio(チッチョ)
青山にお店を構えるのは上木さん。私がお話させていただいたのは、随分前で、まだイタリア修行から帰ってこられたばかりの頃だったと思います。とても真面目で、真摯にスーツと向き合う姿勢が素晴らしい方という印象です。
日本のテーラーというのは、色んな技術を高いレベルで習得するので、「どこの国っぽいスーツ」というよりは中庸なものが多いのですが、その中でも上木さんのスーツはイタリア、しかもナポリスーツの匂いが感じられる、日本にあっては稀有な存在の1人と言えるでしょう。
◇TAILOR & CUTTER(テイラー アンド カッター)
HP: http://www.tailorandcutter.jp/
有田さんが南青山の骨董通りに店を構えます。お店の雰囲気がとても良いです。入った瞬間に、別世界に来た気分になります。
有田さんは整った顔立ちの「イイ男」ですし、インターネットで調べてもなんだか話しかけづらそうな雰囲気があるかも?なんて思ってしまいそうですが、やはり実際に会えば、話しやすい方なんです。お店にはハウススタイルと呼ばれる、お店独自の特色を持った形があり、それは結構独特なのですが、それはあくまでも「参考の形」なので、もちろん普通のスーツも作って貰えます。英国調のスーツを得意とするテーラーとして知られています。
◇Tailor Caid(テーラーケイド)
HP: http://www.tailorcaid.com/
渋谷にお店を構える山本さん。ホームページを見ても分かる通り、雰囲気のあるお店だという事が分かると思います。それに、山本さんはハリウッドなどの映画に造詣が深く、それがスーツづくりに活きています。つまり、ハリウッドなどで知られる、歴代のウェルドレッサー(装いが巧みな人)のスタイルを形にするのを得意とする、ユニークな視点のテーラーです。
さらに言えば、山本さんの人柄もユニーク。テーラーというと職人気質で言葉数も少なげなイメージかもしれませんが、山本さんはその逆。明るく、とても話しやすいですし、様々な話題もお持ちの博識な方です。そういった意味でもTailor Caidは、大人の男たちにとっての社交の場、サロンとしても盛り上がっている印象です。
さて、今回は以上です。次回もお楽しみに!