宮中晩餐会に招かれたら、服装はどうする?
- 2016/09/03
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一般人だって宮中晩餐会に招かれることがある
宮中晩餐会なる催しがありますね。天皇、皇后両陛下が主催し、国賓の来日の際などに開かれます。招かれるのは、ふつう、皇族方や三権の長、国会議員といった公職にある人たちです。
しかし、公的な地位にある人たちだけとは限りません。民間の友好団体関係者が呼ばれることもあります。
ということは、一般ビジネスマンのあなただって、招かれる可能性は皆無ではないのです。では、もしも招かれたら、服装はどうしますか? それも冬だったら、コートはどんなものを着ていきますか?
参考:天皇陛下、宮中晩餐会でのお言葉全文(1/4ページ) – 産経ニュース
格式の高いパーティーだから、「ホワイト・タイ」が原則
宮中晩餐会は、数あるパーティーの中でも最も格式の高いものの1つです。いや、最上位と言っていいでしょう。したがって、「平服でどうぞ」なんてことが招待状に書かれていることは絶対にありません。欧米のパーティー区分でいうと、「ホワイト・タイ」。つまりは、「燕尾服に白麻の蝶ネクタイ」が大原則ということです。
それでは、コートは? これも決まりがあります。チェスターフィールド・コート着用です。
19世紀から受け継がれてきた格式あるコート
チェスターフィールド・コートがどんなものかはファッション通ならとっくにご存じでしょうが、そうでない方のためにざっくり説明すると、発祥は19世紀のイギリス。チェスターフィールド伯爵なる人物が着始めたことから、この名があります。
見た目は、普通のジャケットのデザインそのままに丈をうんと長くしたといった点が特徴。欧米では最近はカジュアルに着る人も増え、デザインも多様化していますが、本格的なものはボタンが見えない比翼仕立て(隠しボタン)が原則。生地はウールが主ですが、カシミアやメルトンも使われます。
最もドレッシーなのは「ドレス・チェスターフィールド・コート」
その中でも最もドレッシーとされるものに、「ドレス・チェスターフィールド・コート」があります。普通のチェスターフィールド・コートとどう違うのかというと、ポイントは1点。上襟に黒のビロードがあしらわれているのです。
この黒襟は、18世紀、フランス革命でギロチンの露と消えたルイ16世とその妃マリー・アントワネットを惜しんだ英国紳士たちがはじめたといわれます。
「タンスのこやし」になってもいいじゃありませんか
そんなチェスターフィールド・コートですが、宮中晩餐会に招かれることなどありえなくても、ここはやはり1着ワードローブに加えてもいいのではないですか。
もともと、フォーマルウェアというのは、「タンスのこやし」などと揶揄されます。タンスに入れて以後、着る機会がないままに歳月が過ぎていくからです。
それでも、いざという時のために――それがいつ来るのか、永久に来ないのかはわかりませんが――1着用意しておけば、何となく気持ちが豊かになるじゃありませんか。