そもそも、ウンチクとか豆知識とかって何が語源なんだという豆知識?
- 2018/08/20
- ライフスタイル・娯楽
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特定のジャンルが肥大するとウンチクになる
時計とかお酒とか音楽とか、映画とか。
歳を重ねると誰しもこだわりのあるジャンルができるものですが、それを一人で楽しんでいる間は、実に無害なものなのです。しかし、そのジャンルの知識が蓄積されてくると、なぜかそれを披露したいという欲求が頭をもたげてくるもの。そうなると被害者が出てしまいますから、十分に注意をしなければなりません。
例えば先日、バーで見かけた光景。
若いカップルの男性がウンチクを延々と語っているのですが、その内容がいただけない。
映画「ブレードランナー」のオリジナル版と完全版、そして最終版の違いについて。
若いのに、SF映画の古典であるブレードランナーを研究しているのは感心なことだと思いますが、それを「感心だ」と思ってくれるのは、私、アントニオ犬助のような映画好きのオヤジぐらい。女性の方はやっぱり退屈そうなのです。
そんなことにお構いなしに男性はウンチクを語る語る、あの様子はウンチクを語るというより、炸裂させるというのにふさわしい。
会話の重要な機能として、相手を共感させて互いの距離を近づけるというがあると思うのですが、そんなことはお構いなし。
会話の体すら成していない炸裂するウンチク……いったい何を目的にしていたんでしょうか? あのカップルは近いうちに、100%別れると断言しておきましょう。
ウンチクは「かたむける」べきもの
ウンチク=「薀蓄」、「薀」とは、つむとかたくわえる、それが転じて奥深いという意味。「蓄」は文字通り、たくわえるという意味。つまり薀蓄とは、あるジャンルの知識が蓄えられた様を表します。
この「薀」という字はウンチクというケース以外で使われるのを、犬助は見たことがなかったので調べてみたところ、「蘊奥(うんおう・うんのう)」という言葉を見つけました。
これは、学問や技芸などの最も奥深いところという意味。奥義とか極意といった意味ですから、やはり「薀」とは蓄えられたものという意味ですね。
そんな蓄えられたウンチクは「かたむける」もの。
容器になみなみとたたえられた液体が、かたむけることでスムーズに喉に注ぎ込まれるように、飽くまでも相手が欲した時に欲している分だけ、かたむけることで価値を発揮するもの。
ウンチクは決してひけらかすものでもなければ、ましてや炸裂させるものでもありません。でないと、相手はむせ返るだけなのです。
ウンチクに似ているものといえば、豆知識
同様に豆知識という言葉もありますが、これは知識という言葉に少量のという意味を表す「豆」という意味が付いたもの。
豆という言葉でもわかる通り、こちらも相手に大量に摂取させるものではありません。
節分の時を思い浮かべてもわかる通り、豆を口にするのは歳の数。適量と適時を守ることで、初めて真価を発揮するのが「豆」なのです。
そんな豆を大量に摂取すると、消化機能(胃腸)が衰弱したり、自然治癒力や再生力が低くなったり、アレルギーや冷え性、スタミナ低下、精神的に不安定になったりと、ろくな事態を引き起こさない。
豆知識も、ひけらかしたり炸裂させると、ろくなことにはならないのです。
いずれにせよ、やり過ぎはよくありません
にも関わらず、蓄えすぎるとあふれ出してしまうのがウンチクや豆知識。
嫌われることがわかっているのに、ブレードランナーの彼のようになってしまいがちなのはなぜでしょうか?
それはマズローによる「5段階の欲求」のうちの「承認欲求」を満たしたいと思うから。
最も根源的な生命維持のための欲求や、安全に生存したいという欲求、家族や会社など社会のどこかに属しているという欲求がクリアされた段階で頭をもたげる、誰かに存在価値を認めてほしい、承認されたいという欲求にしたがっているからです。
こんなウンチクや豆知識と似たようなものといえば、女子を中心に人気となっているInstagram。こちらも、やり過ぎは嫌われる……どれもこれも、ほどほどに。ということで。