映画「グリーンブック」~ロードムービーでヒューマンドラマで見応えあり。

  • 2019/03/15
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天才的黒人ピアニストのドクターシャーリと荒くれ者のイタリア系白人ドライバー兼マネジャーのトニーリップが、黒人差別の激しい南部への公演旅行をグリーンブックを頼りに旅する実話をベースに映画化したロードムービーです。

第91回アカデミー賞で見事に、作品賞・助演男優賞・脚本賞の栄冠を獲得した「グリーンブック」。アカデミー賞のほかに、トロント国際映画賞で観客賞、そしてゴールデングローブ賞では作品賞を受賞した名作です。

1960年代当時のテールフィン付きの恐竜のようなアメ車やロックンロールそしてオールディズなどのポップスもふんだんに入れられ、期待を上回る程の面白さに拍手したくなるほどのヒューマンドラマに仕上がっています。

 

あらすじ

あらすじ
ニューヨークのナイトクラブ・コパカバーナでボーイを務めるトニー・リップ・バロレンガ。通称トニー・リップ。日本風に言えば大口トニーでしょうか。ボーイといってもトニー・リップの仕事は酒場で騒ぎを起こす酔客をボコボコにしてたたき出す用心棒です。ある日、クラブは改装工事のため数ヵ月休業することになり突然プー太郎(無職)に、、。家には愛するきれいな妻とまだ幼い子供が二人もいるのに、、。大事な時計を質に入れたりハンバーガーの大食いの賭けで何とか日銭を稼ぐ日々。そんな時、職を探していたトニーに友人から仕事を紹介してくれる電話が掛かってきました。

ドクターだからお医者さまのお抱え運転手ではないか?と想像していたトニー。しかし、面接場所に現れた雇い主のドクターはまるでアフリカの王さまのような姿。自宅の水道工事に来ていた黒人を「黒ナス」と蔑んでいたトニー。しかし、週給100ドルの高額給料に目がくらんだのか黒人が雇い主でも構わないと口から出まかせを言います。面接に来ていたのは、真面目な中国人などで自分がとても面接に受かるとは思わなかったことから週給125ドルを要求。しかし、翌日の早朝にトニーは、面接合格の電話を受けるのでした。トニーの腕っぷしの強さから、イザコザになったときに助けてもらえるのを期待して週給125ドルの高額にも拘わらずドライバーとして雇ったのです。

雇い主のドクター・シャーリーは、紳士的で上品かつ理知的。雇われ運転手となったトニー・リップは荒くれもので無教養で下品。まったく性格や行動が異なる二人でしたが黒人差別の激しい南部への音楽ツアーの旅に出かけたのです。

そこで待ち受けていたのは、、。

 

監督・脚本

監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・バレロンガ、ピーター・ファレリー

監督ピーター・ファレリーの代表作は、「メリーに首ったけ」や「愛しのローズマリー」などのコメディ映画を制作。ピーター・ファレリーと共同脚本のニック・バレロンガは、主人公トニー・リップ・バレロンガの実の息子です。映画化には、父からの話や残された手紙から脚本化されています。

 

キャスト

イタリア系白人運転手兼マネジャーのトニー・“リップ”・バロレンガを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。「イースタン・プロミス」や「はじまりへの旅」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされています。

天才黒人ピアニストで、トニーの雇い主のドクター・ドナルド・シャーリーを演じるマハーシャラ・アリ。2018年アカデミー賞助演男優賞出を獲得した「ムーンライト」や2018年2月公開となった「アリータ バトルエンジェル」です。

トニーの愛妻ドロレスを演じたのは、リンダ・カーデリーニ。「ファウンダー/ハンバーガー帝国の秘密」などに出演しています。

 

見どころ

①ドクターのピアノの腕にビックリ!
音楽家のツアーに同行する映画なのでドクターシャーリーの演奏シーンがふんだんに盛り込まれています。トニーもツアー最初のステージを見て驚いていましたね。はたしてドクターシャーリー役のマハーシャラ・アリが実際にピアノを弾いているのか?マハーシャラ・アリもピアノの練習はかなりやったようですがさすが吹き替え役が存在しました。アメリカのピアニスト クリス・バワーズが演奏しています。クリス・バワーズは、新進気鋭のジャズピアニスト。ジャズファンなら将来を期待している新人なのです。

②ケンタッキー・フライド・チキンを無理やりドクターに勧める
ケンタッキー州で、ケンタッキーフライドチキンをバケツで買うトニー。ドライブ中に、むしゃむしゃ食べ油ギトギトの手で平気でハンドル操作しますが油で汚れるとかそんな考えはちっとも思いつかない様子。黒人はフライドチキンが好きなのを思い出し、ドクターが食べたこともないし食べたいとも思わないと言うもフライドチキンを後席に放り投げ無理やり食べさせたトニー。ドクターは、いやいやフライドチキンを食べますが、、。

③パトカーの白人警官を殴り留置所へ
雨の中、道に迷い次の目的地まで必死にドライブするトニー。パトロール中の警官に運悪く止められ、ちょっとしたことから警官と言い争いになりました。あまりにひどい警官の発言から、思わず警官を殴り留置場へ。なぜか同乗していたドクターまで、ブタ箱入りに。冷静なドクターがとった驚くべき行動に「あ~っつ」と驚かされます。

 

お勧め度(★5点満点で)

★★★★+

主人公が、トニーリップで描かれているので白人目線からの黒人差別を描いた映画になって、様々な議論を呼んでいるようです。しかし、男同士の友情物語としてみれば満点の仕上がりだと思います。何よりも鑑賞した後のほっこりとした気持ちよさがとても良いのでお勧めです。

この記事の作者

Rc.オガ
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オギャと生まれたときからミニカーを握りしめていたくらいの車好き。旧車から新車、軽自動車からVIPカーそしてダンプカーやバスまでと守備範囲はとても広いです。WRCやF-1・インディ―カ―そしてエア・レースとレース観戦が大好き。長年に渡って培ってきた、車のウンチクを後世に伝承させるためWEBライターとして、車の楽しさを日夜伝道しています。
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