大きさは、そこまで重要なのか?キングダムでも話題?中国の巨根伝説・嫪毐(ろうあい)

  • 2019/03/13
  • モテ
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  • アントニオ犬助
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2,200年語り継がれる、中国の巨根

2,200年語り継がれる、中国の巨根
皆さんは、週刊ヤングジャンプに連載中の「キングダム」なる漫画をご存知でしょうか。累計3,600万部を記録している、原泰久氏の大ヒット作。実写映画も4月に公開されますから、こちらも話題になっています。そんなキングダムの舞台は中国の春秋戦国時代、若き日の始皇帝や後の大将軍・李信らの奮闘が描かれているのですが、ここにも登場するんですよね、巨根をセールスポイントにしている人物が。

彼の名前は「嫪毐(ろうあい)」、漫画への初登場の場面は、股間に巨大な馬車の車輪を通して、やんやの喝采を浴びているというもの。何しろ作者が創作した人物も多数登場する漫画だけに、嫪毐なる人物も創作ではないか?と、私、アントニオ犬助は思ったものでした。しかし、少し調べてみると嫪毐は司馬遷の表した「史記」にも載っている実在の人物。つまり2,200年以上も語り継がれている伝説の巨根、さすが中国はスケールが大きいですね。

 

サイズ、角度、強度、全て規格外!

嫪毐を見出したのは、中国を統一する前段階の秦国で重臣だった呂不偉(りょふい)。商売で財を成した彼は強大な権力を持ち、自邸に3,000人もの人物を居候させていました。彼らの大半は弁舌が立つとか、作戦を立てるのが得意とか、武力が高いといった、一芸に秀でた人物だったのですが、何しろ3,000人もいますから玉石混合。中には嫪毐の様な「何がでかい」というだけの人物もいたのです。

とはいえ嫪毐の場合、でかさのケタが違います。重量がある巨大な車輪を通し、ぶら下げ、グルグルと回すことができたといいますから、単にでかかっただけでなく、角度も強度も並外れたもの。何しろ呂不偉が感銘を受けてしまうぐらいなのですから。

そんな呂不偉が秦国で権勢を誇っていられたのは、財力や幾多の食客だけが理由ではありません。始皇帝の母親、趙姫とねんごろだったから。江戸時代の大奥に当たる後宮のトップをガッチリ握っていたのですね。ところが趙姫はエロエロな人物だったらしく、呂不偉では次第にもてあますようになってきました。

そこで彼が思い出したのが、巨根というだけで居候させていた嫪毐。彼に趙姫の相手をさせればよいと、ひらめいたのです。後宮は本来ならば男子禁制、去勢された宦官のみしか立ち入ることはできません。そこで嫪毐をニセ宦官に仕立てて後宮に送り込み、相手をさせたところ趙姫は満足、呂不偉はお勤めから開放、と当初は全て丸く収まっていました。

 

巨根一本でのし上がった男、嫪毐

しかし巨根がよほどお気に召したのか、趙姫の寵愛を受けた嫪毐は力を持つようになりました。遂には広大な領地まで得て、重臣・呂不偉に次ぐ権勢を誇るようになったとか。これが面白くないのは後の始皇帝、よくわからないヤツが勢いに乗っているし、気が付けば自身の母親(趙姫)は、よくわからない子ども(もちろん嫪毐との子どもです)まで産んでいる。これは由々しき問題です。

その後、嫪毐は反乱を企てて失敗。趙姫との間の子どももろとも、処刑されてしまうのですが……それでも天晴れなのは嫪毐。同じく巨根に物をいわせた日本の道鏡の場合、政治力の高さも同時に感じられます。しかし嫪毐から感じられるのは巨根の威力のみ。何一本だけで出世したのですから、2,200年以上語り継がれるのにふさわしい伝説の巨根と呼ぶのにふさわしいのです。

 

嫪毐と司馬遷、李信と李陵の不思議な縁

さて嫪毐と趙姫の故事を伝えたのは、かの有名な司馬遷なのですが、彼は宮刑、要は強制的に去勢されるという屈辱の中で、史記をまとめ上げたことで知られています。嫪毐の巨根話を残したのが、哀れな司馬遷だった。彼の心中をおもんばかると、男性として何とも複雑なものが去来します。

また司馬遷が宮刑に処された原因は、北方の異民族・匈奴との戦いに敗れ、やむなく投降した将軍・李陵の肩を持ったから。このことは、中島敦の小説「李陵」にも詳しく書かれているのですが、面白いのはこの李陵、漫画キングダムの主人公の一人、李信の子孫といいます。まあ李信と李陵のエピソードに巨根は全く関係ないのですが、ご参考まで。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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