体型による有利不利?筋力の評価方法には二種類ある!
- 2017/01/06
- ボディメイク
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パワーを評価する二種類の方法
筋力トレーニングを行うにあたっては日々、自分のパワーがどれくらい成長しているのか。そして他人と比べた時、自分がどのくらいの実力なのかは大いに気になる点です。ただ、筋力の比較というのは実は意外と複雑で、例えば単純にベンチプレスの100kgを挙上できる人と、95kgまでしか挙上できない人を比べた場合でも、必ずしも100kg挙げられる人の方がパワーがあるとは言い切れないのです。
では、なぜベンチプレスで重い重量を挙げられるにも関わらずパワーが劣っている可能性があるのかというと、それは「体格や骨格と種目の特性や相性」というものがあるからなんです。
筋力の強さを計る指標には、先程のベンチプレスを例にしたような「挙上重量」で見る場合と、「関節トルク」で見る場合の二つのケースがあります。
関節トルクというのは一つの関節が曲げ伸ばしされる時に発揮される力のことで、これは骨の長さによって受ける影響を排した純粋なパワーの事を指しています。例えばダンベルカールを同じ20kgの重さで行ったとしても、支点である肘関節からダンベルまでの距離では当然身長が高い人の方が、或いは日本人よりも欧米人の方が長くなります。すると、支点部分に掛かる負荷はテコの原理により距離が長い方が大きくなりますから、骨の長い人の方が短い人に比べて支点部分では大きな力を発生させている事になるわけです。つまり力が弱くても骨の長さが短ければ冒頭の例のように、ベンチプレスで勝つ事ができるというわけなんですね。
体型による向き・不向きの違い
パワーリフティング競技であるベンチプレスや、デッドリフト、スクワットにはそれぞれ向き不向きな体格があります。それ故、関節トルクでは勝っていても骨格的に有利な人には「競技として」どうしても勝てない、といったケースが頻発します。
例えば、ベンチプレスでは腕の長さが短い人は挙上する距離が短くて済みますから日本人体型は有利です。一方でデッドリフトは腕が長く胴体が短い方がバーベルを引き上げる距離が短くなるとともに支点との距離も短くなるので有利になります。つまり日本人は欧米人に比べてベンチプレスは得意だがデッドリフトは不利というわけですね。
ちなみにスクワットはどうかというと、これもどちらかというと日本人は得意な種目です。スクワットは当然脚が短い方がバーベルを上下させる距離が短くなりますし、膝から太ももまでの距離が長いとどうしても膝を曲げた時に上体が前傾しやすくなるのです。
もしジムでいろいろな人がこれらの種目を行う姿を見る機会があるのなら、身長や四肢の長さによって有利不利があるのを直接その目で確認してみると良いでしょう。
重量だけを追い求めるな!
というわけで、骨格があまりにも違う人と各種目での挙上重量を競うことにはあまり意味がありません。むしろ自分の骨格に合った、そして目的に合致したトレーニング方法を追求するべきです。
意外なことにボディビルダーや欧米のトレーニーはベンチプレスの重量を競ったりすることなどほとんどありません。それよりもいかに大胸筋にピンポイントで刺激を入れるかだけに集中していますので、ブリッジもほとんど組みませんし、手幅もかなり狭く取ります。これによって比較的軽い重量でも胸に大きな刺激が入りますし怪我も防げるわけです。
皆さんも今一度自分がトレーニングする目的を再確認し、重量ばかりを単純に追い求める事が正しいのかどうか、再考してみるとよいでしょう。