親の運転の不始末は子供の責任になるのか?

  • 2017/11/21
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高齢者の事故は誰の責任か

高齢ドライバーによる事故が大きな社会問題になっています。免許返納の話は、そう簡単に進むものではありません。ちょっとした特典があるから返納しようという人は、もともとたいして車に乗る必要がない人だともいわれる始末です。

さて、自分の身内である高齢ドライバーが事故を起こしたとしたら、その責任は誰にあるのでしょうか?

高齢者の事故は誰の責任か

高齢者といえば、大のおとなであり、自分の不始末は自分で責任をとるのが当たり前だといえます。但し、それは高齢者がオヤジ世代と同じくらいしっかりしている場合の話です。昨今では認知症にかかっている高齢ドライバーの問題がクローズアップされることが少なくありません。認知症は、物事の判断をできなくさせる恐ろしい疾患のひとつです。

しかも、厄介なことに軽度の認知症では、本人も周囲もそれと気付いていないことがあります。もし、認知症だと思ったら、それこそ運転してはいけません。しかし、運転してはいけないと判断できない可能性もあります。もし、認知症の高齢者が自動車を運転して事故を起こした場合、家族に責任が及ぶことも考えておく必要があります。

 

認知症の高齢者は子供と一緒?

では、大の大人である高齢者ドライバーが事故を起こしたときに、その子供などの家族に責任が及ぶのかを考えます。親の事故で子供が責任をとるというと、何か逆のような気もしますね。一方で、家族なんだから連帯責任ではないかとの考えもあるでしょう。

認知症の高齢者は子供と一緒?

実際のところは、認知症の高齢ドライバーが民法上の責任無能力者である場合に、その監督義務者である子供が責任を追及される可能性があるということです。これは、未成年者が事故を起こしたときに、親が責任を追及されるのと同様の考え方です。小さな子供は、自分の行為が他人に損害を与えることになるなどの判断ができません。そのため、親が損害賠償をすることになります。

認知症の高齢ドライバーの場合も、疾患が原因で自分の責任がわからない状態で事故を起こせば、監督義務者である同居の子供などが責任を負うことになります。但し、監督義務を果たしていたかどうかがポイントになります。

・監督義務を果たしていたが事故に至った場合…監督義務者にも責任なし
・監督義務を果たしていないが、果たしていても事故は防げなかった場合…監督義務者にも責任なし

つまり、監督義務を怠ったから事故で損害を生じた場合にのみ、子供らの責任となります。しかし、何をすれば監督義務を果たしたことになるのか、監督義務に関わらず損害が生じるのはどういった場合かなどは一概にはいえません。

たとえば、運転をしないように注意を与えており、鍵も隠していたが、勝手に持ち出して運転したような場合には、監督責任を追求される可能性は低いでしょう。逆に、注意もせず、鍵も自由に持ち出せる場所に置いてあったとすれば責任を追及されても仕方ありません。

監督義務

ちなみに、子供の場合なら、普段から乱暴な行いをすることをわかっていて自由にさせていると監督義務を果たしていないと考えられます。しかし、大人しい子供で日常的に危険な行動をしないように注意や指導を行っていた場合には、監督義務を果たしたと考えられます。

とはいえ、個別の事故での判断は、そのときにしかできません。従って、通常考えられる程度には、親の様子に気をつけておくべきであることは間違いありません。

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