ADHDの診断と社会人として知っておきたいこと
- 2016/08/23
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多くの大人が抱えているADHD
最近、ネット上でも話題の大人の発達障害ですが、なかでもADHD(注意欠如多動性障害)は、成人の10人に1人がその傾向を持っているといわれているほど、多くの人が抱えている障害です。ADHDの特徴には「多動性」「衝動性」「不注意」といったものがあります。
例えば、多動性であれば、自分では直立しているつもりでも他者からみれば体が揺れていたり、会話をしている最中に別のことを考え始めて意識が飛んでしまったり、会話が止まらなくなったりすることがあります。衝動性であれば、カッとなりやすかったり、周りが呆れてしまうような場違いな発言をしたりするようなことがあります。また、不注意では朝、家を出ようとした瞬間に忘れ物に気が付いたり、約束を忘れてしまったり、片付けが苦手だったりすることがあります。
ADHDの検査の流れ
ADHDの検査は、主に精神科で行われます。検査そのものは医師ではなく臨床心理士が担当します。
受診の方法は、インターネットなどで発達障害について診察や診断を行っている病院やクリニックを探して、予約を取ります。精神科は、再診の患者さんが優先されるところがほとんどなので、予約から最初の受診まで2~3か月空くこともあります。
受診日には、予約時に伝えられた持ち物をきちんと揃えて提出します。最初に医師が診察し、必要であれば臨床心理士による検査が行われます。ただし、臨床心理士による検査は別日程になるのが一般的なので、さらに1~2か月空いてしまうこともあり、検査から結果が伝えられるまでにも時間がかかります。
薬によるADHDの治療法
ADHDの「多動性」「衝動性」「不注意」といった特徴は薬で軽減することができますし、臨床心理士による複数の検査や検査結果に応じたカウンセリングを通じて、生活のしやすさを向上することが可能です。
ADHDの薬にはストラテラ(一般名:アトモキセチン塩酸塩)とコンサータ(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)の2種類あります。それぞれ特徴が異なりますが、大人の場合では、効果で選ぶことより、実際に服用してみて副作用の軽い方を選択するという方法があります。
例えば、睡眠における副作用では、ストラテラでは日中に激しい眠気に襲われることがありますが、コンサータでは頭が冴えてしまい眠れなくなることがあります。また、ストラテラでは食欲が低下することで、全身に不調をもたらすこともあります。
仕事におけるADHDの対処法
仕事において、締め切りを守れないというADHDの特徴は致命的ですが、締め切りのない仕事であれば、ずるずると先送りしてしまう可能性もあります。仕事には可能な限り締め切りを作りアラートを立てることで締め切りの管理をするとよいでしょう。
また、周囲の雑音や人の気配が気になり、仕事が進まないこともあります。耳栓を使用し、席をオフィスの端にしてもらうことで、効率を上げることも可能です。ADHDの特徴を持っている人はたくさんいますから、不得意な面を協力し合って補うことで、仕事への支障を小さくしていくことをお勧めします。