フランスでいま一番人気の日本製品は、この日本酒
- 2016/07/23
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パリの高級レストランのシェフやソムリエの目線の先は旨い日本酒
フランスでいま一番人気の日本製品といったら、何が思い浮かびますか? 南部鉄のティーポット?新潟・燕市で作られる爪切り?一風堂のラーメン? これらも、確かに人気沸騰ですね。南部鉄のティーポットなど、フランス向けにファンシーカラーのものが作られ、パリの雑貨店のウィンドウを賑わしています。
でも、本命はやはりこれでしょう。日本酒。ここ数年、パリの高級レストランのシェフやソムリエたちは、血眼になってという表現もオーバーでないぐらい、旨い日本酒を探し、見つけて、仕入れています。
酸味の強いレシピには、日本酒がベストマッチ
フランス料理のパートナーはワインと決まっているのに、なぜ、日本酒なのか。これは、実は簡単な理由からです。貴腐ワインなど食前酒として飲む甘味系のものを除けば、ワインは基本的に酸味の強い酒。やや甘めのソースを使った野菜料理やこってりした肉料理にはベストマッチ。ワインの酸味が、甘いソースや肉汁のしみこんだ舌をぴりっと引き締めてくれます。
ところが、料理そのものが酸味が強い場合は、これが裏目に。酸味+酸味では、よほど体がへとへとで酸っぱいものが欲しいときでないかぎり、ご免こうむりたい気分になりますよ。
なんと、素人2人が作り出した逸品
そこへ、ある有名シェフが見つけ出したのが、「九平次」という日本酒です。正しくは「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」。生まれたところは、愛知県名古屋市の萬乗醸造。灘でも伏見でもなく、全国的にはあまり著名な蔵元のない名古屋から出て来たという点がユニークですね。
ユニークなのは、地区だけではありません。15代目の蔵人をつとめる久野九平冶さんは、モデルや劇団員をしていて、親の不幸のために急遽1647年(正保4年)創業の蔵元のあとを継いだ人。杜氏をつとめる佐藤彰洋さんは、エンジニアから転職した人。そんな2人が、平成9年、長野まで水を汲みに行き、原料米を厳選して作り上げたのが醸し人九平次なのです。これはまさしくドラマですよ。
すっきり淡麗な味の純米大吟醸
醸し人九平次は、酒の分類上では「純米大吟醸」にくくられる一品。最近では兵庫県黒田庄で作る自家栽培米を100%使用した銘柄も出てきていますが、オリジナルは他県産の山田錦を使用。「美しい田んぼからとれた、美しいお米を、美しい環境で醸造したい」という願いから生まれた「エレガントな日本酒」です。
純米大吟醸らしいすっきりとした淡麗な味わいは、すでに折り紙付き。ネットを検索すれば、「これは旨い!」という雄叫びがたくさん見付かります。
ちょいと値は張りますが、お祝い事の席などでぜひ
バリのミシュラン3つ星レストラン「ギィ・サボア」Restaurant Guy Savoyなどにおさめられているのは、「醸し人九平次純米大吟醸 別誂」ですが、これが国内では8,000円前後。高いといえば高いですが、べらぼうに高いというわけではありません。
一時期は国内では入手困難になっていた九平次も、最近はデパートなどで入手できるようになっています。毎日の晩酌にというわけにはいきませんが、何かお祝い事でもあるときにはぜひ。日本の愛知県の酒なのに、飲めばパリ気分になれるかも。