その服装、コスプレになってるかも?やり過ぎファッションには要注意

  • 2018/05/07
  • ファッション
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  • ファッションマジシャン◆ yutaka
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ゴールデンウイークまでのこの時期って、かなり暑くなるものです。真夏と大して変わらない格好をすることもありますよね。これが、梅雨に入ってくるとまた肌寒さも戻ってきて、今ごろの気候が懐かしく感じたりするものです。

このあたりの気温の変化って、アパレル業界にいると敏感になるものです。その日の気温で売り上げが大きく変わりますからね。夏に向かう時期に寒くなると、夏物は売れ行きが悪くなります。じゃあ、少し温かい服も用意しておけば良いだろうと思うでしょうが、どれだけ寒くなるかなんて誰にも分かりませんから、どの時期に、どれくらいの量を用意しておけば良いのかが難しいのです。しかも、ほとんど寒くならなければ、無駄になってしまうのですからね。

とまあ、真夏になるまでのこの時期って、服を着ている方も寒暖の差が激しくて何を着ようか悩むし「どうして良いのか分からない」というのが服に関わる人たちの共通の感覚と言えそうです。

 

で、そんな中私は数日前に見た人が印象的でした。パナマハットに、茶色のリネンスリーピーススーツを着た男性だったのですが、バッチリ決まり過ぎていて、遠くからでも「あ、あの人バッチリ着こなしてるな」と分かるほど。しかもこの時期ですから、昼間のスリーピースは暑そうだなあと見えるのです。

こういうのってファッションが好きになって、着こなしが楽しくなってきた時にも陥りやすいのですが正直、全面的に良い傾向とは言えないところなのです。

 

何が良くないのか?

何が良くないのか?

こういう格好の何が良くないのか?例えば今回私が見た男性の着こなしは、格好悪いものではありません。いや、むしろ格好良く着こなしていました。でも、装いとしては「ムムム」と唸ってしまう。これはどういうことか?一言で言うなら「コスプレになっていないか?」ということなのです。

そこに、「自分ではない何かになり切ってしまう」様な部分があると、コスプレ感が出てきてしまいます。コスプレというと、ハロウィンの時の仮装だったり、アニメなどのキャラの格好を真似たりと、いかにも!な格好をするイメージがありますが、それだけではありません。「医者風の格好」とか「弁護士風の格好」なんて、リアルな人物像になり切ろうとするのもコスプレですよね。私が見かけた男性で言えば「クラシックな男性の格好」になり切ろうとしていた、という所です。

こんな風に「自分ではない何かになり切ってしまう」様な格好だと、そこには「いまの自分」が見えにくくなっていきます。これが、コスプレ感を生むのです。こうなると、その格好は途端に「その人の趣味なのだろうなあ」という印象が強くなっていきます。つまり、独りよがりな服装に見えてくる度合いが高まる。これ、良くはありませんよね。

 

服やその着こなしを好きになるのは良いこと

服やその着こなしを好きになるのは良いこと

もちろん、ファッションを好きになるのはとても良いことです。さらに着こなしを上達させる上では、着こなす度にテーマをつくる、なんていうのも良い方法です。「今回はクラシックでジェントルマンな男性を意識してみよう」なんていう風に考えながら着こなしを考えると、迷ってぶれることも少なくなるので、着こなしに筋が通っていくものですから。私も、ファッション初心者で、どうやって毎日の着こなしを考えて良いか分からない方には、テーマを持って着こなしを考えると良いですよ、なんてアドバイスをします。

しかし、こういう時でも主体はあくまでも「自分」で考えるのが大事です。「『自分』がジェントルマンな格好をする」という風に自分がメインなら問題はないのです。しかし、これをやり過ぎていくと「『ジェントルマン』な格好をしている自分」と、いつの間にか自分の存在が後退していく場合があります。こうなっていくと、コスプレ感が出てくるのです。

 

結局、大事なのはバランス

結局、大事なのはバランス

つまり、大事なのはやり過ぎないバランスなのです。まあ、どこにでもある様なセリフの結論なのですが、だってその方が良いんだから仕方ないですね。それだけ「バランス」って大事。ファッションを楽しめる様になってくると、人の目を楽しんで意識できる様にもなっていくものです。ここに快感を覚えたり、逆に麻痺してしまう様なことになると、コスプレ感のある、趣味に走った服装になった時に向けられる周囲からの目に対して、ニュートラルなスタンスで受け止められずに「お、またオレ様の格好良い着こなしがみんなの注目を集めてしまっているな、フフフ」なんて、変な解釈に陥ってしまうのです。

ファッションの上達で必要なのは、常に「自分はこの格好で、相手に失礼じゃないかな?相手に相応しい格好かな?」と、自問できる事です。だって、いつも私が言っている様にファッションはコミュニケーションツールです。自分の表現(装い)を表現しっぱなしにするのは、コミュニケーションになっていないですからね。

とくに我々オヤジ世代でコミュニケーションが上手に出来ないと単なる「イタイおっさん」です。これは格好悪い。ぜひ、ファッションでも独りよがりにならず、相手を考え、思いやれる格好をしたいものですよね。ファッションが好きになってきて、楽しくなってきた時にぜひ一度、考えてみて欲しい視点です。

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ファッションマジシャン◆ yutaka
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ファッションの専門学校〜アパレル業界での経験を活かし オシャレに自信がない男性から 豊かな人生を自在に楽しむスマートミドルへ大変身するための マジックの様なファッション=ファッションマジックをお届けします。
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