素朴な疑問!筋肥大のために「追い込み」は必要なのか?
- 2018/11/28
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パーソナルトレーニングでの実態
某大手パーソナルジムをはじめ、基本的にトレーナーとマンツーマンでトレーニングを行うパーソナルトレーニングの現場では、筋肉を限界まで疲労させる「追い込み型」のトレーニングが主流となっています。
自分ひとりでは絶対に実施できないような限界追求型のトレーニングを行うことには実はいろいろな大人の事情もあるのです。
筆者自身、トレーナーとして日々トレーニー達と接し、コーチングしていますが確かに中には追い込み型のトレーニングこそ至高と考えそういった内容を求めてくる人も一定数存在します。
もちろんお客様である会員さんのニーズに応えることはプロのトレーナーとして重要な責務の一つなのですが、最も大切なことは最終的な目標(ダイエットや筋肉増強)を達成することでありトレーニングの内容はその手段に過ぎません。
今回は「追い込み型トレーニング」の実際の良し悪しについて解説していきましょう。貴方がトレーニングに対して本当に求めているものはなんなのか?それをよく考えるきっかけにして頂ければと思います。
追い込みは効果よりも達成感重視
心肺機能、筋力ともに限界に達し息も絶え絶え意識も朦朧とする…このような状態にまでトレーニングで追い込まれると、確かに恐ろしい程の疲労感を覚えるとともにしかしその一方で強い高揚感や達成感を得ることができます。
この高揚感や達成感はパーソナルトレーニングの現場では大きな「顧客満足度」として評価されるケースがとても多いのです。
つまり実際の筋力増強度合いよりも、やった感の方が大切とされるわけですが筆者自身はこのような現状に大きな疑問を感じています。
会員さんが喜んでいればそれでいい…確かにそうかもしれませんが、間違った知識を前提として会員さんを喜ばせることが果たして正しいことなのか…なんともやるせない気持ちになることがあるのです。
トータルボリュームが鍵を握る
筋肉増強や筋力成長のために最も重要な点はトレーニングボリュームです。これはざっくり言ってしまうと重量×レップ数×セット数から算出されるトータルの数値の大小が重要という意味です。ただし重量には下限値があり最大挙上重量の50%以下の重さを使ってしまった場合はノーカウントと考えるのが無難です。
この掛け算から得られる数値を最大化するためには、一回のトレーニングもしくは一部位のトレーニングは限界に達する前に意図的に切り上げ、回復効率を高めてなるべく頻度を多く実施するのが効率的だと分かります。
具体的には限界のトレーニングを週に一度行うよりも、80%程度のトレーニングを週に2回から3回実施した方がボリュームを稼ぎやすいということです。
敢えて追い込まず次のトレーニングに備える。これを理解している一般のトレーニーの数はとても少ないのが実情です。
結果的に追い込む必要がある場合も
実際に筆者がコーチングの現場でトレーニーに追い込み型のトレーニングを実施させるのは、そうでもしなければトレーニングボリュームの絶対値が明らかに少なすぎると感じた場合です。つまり、トレーニングの頻度が少なく、週に1回か2回くらいしかジムに行くことができないようなケースですね。
このような場合はある意味やむを得ずいくつかの部位をチョイスして優先順位を決め、かなりハードなトレーニングを実施して頂きます。しかし繰り返しにになりますが、これは「やむを得ず」です。トレーニングの内容や方法はあくまでも手段であって目的ではないということを忘れてはいけません。
皆さんも、追い込み型のトレーニングはそれ自体が大切なのではなく、あくまでもトレーニングボリュームをトータルでどれだけ稼ぐかについてもっと高い意識を持たなければならない、ということを覚えておいてくださいね。