エプソン、腕時計の独自ブランド「TRUME」を立ち上げる
- 2017/10/05
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今さら、機械式時計の欠陥に気付くのか?!
今時、ゼンマイ駆動で1、2日放置しておくと止まってしまう。どれほど高性能のものを購入しても、やっぱり時間が狂う。にも関わらず、おかしなぐらい高価である。
いうまでもなく機械式の腕時計のことなのですが、こうやって欠点を挙げていくと、製品自体に大きな欠陥があるんじゃないの? という声に反論するのが、だんだん辛くなってきます。
腕の上に精密な機械が載っているロマンがとか、150年も前の基本構造そのままに動き続けているとか、あれは工業製品ではなく工芸品だからとか……うん、自身も機械式時計を複数本所有し、魅力を充分に知っているはずの犬助も、だんだん反論が辛くなってきますね。
「だからさあ、機械式なんかやめて、クオーツそれもソーラー発電にしちゃえばいいじゃん? これにGPSの時間合わせが付いていれば最高だよ? 止まらない、狂わない、これで時計として完成してるんだから」
「反機械時計派」の多くは、こんな主張をするのですが、うん、確かに反論できないね。
実はOEMだった「セイコー・アストロン」
日本が誇る腕時計メーカーといえば、シチズンとセイコーなのです。
前者が得意とするのはソーラー発電の腕時計、「ヤジアップ!」でも取り上げた通り超薄型の「エコ・ドライブ・ワン」や、ソーラー駆動で複雑系という「カンパノラ」が好評となっています。
その一方で、元気が今ひとつないのが後者のセイコー。
クオーツ式の腕時計を実用化したという先駆者でありながら、スプリングドライブなどマニアックな技術に注力しすぎた結果、クオーツ式の時計ではすっかり後手に回ってしまった印象。
「何をいうんですか? 安倍首相も愛用するGPSソーラー腕時計・アストロンがあるじゃないですか!!」そんな反論が聞こえてきそうなのですが、あれ、実はOEMってご存知でしたか?
エプソンが手がけているのは、プリンタだけではない
アストロンの製造を手がけるのは、実は「セイコーエプソン」。
創業時こそセイコーの出資を受けた腕時計製造の会社でしたが、その一方で独自路線も開拓。今や腕時計よりもプリンタの方で超有名となっているのは御存知の通り。……なのですが、変わらず時計の製造も続けているのです。
アストロン以外にもエプソンが手がけている腕時計は数多くあるもの。
ブランドを買収した「オリエント」の製造もそうだといいますから、実はクオーツだけでなく機械式のものも大得意。
プリンタなどの影に隠れているものの、エプソンは腕時計の製造でも大メーカーだったのです。
エプソンが腕時計界の暴れん坊になる予感
そんなエプソンが、遂に独自ブランド「TRUME(トゥルーム)」を立ち上げた、という話です。
ソーラー発電のクオーツ駆動、価格帯は20万円中盤から後半。恐らく、ターゲットは20~30歳の男性……と考えると明らかに「セイコー・アストロン」の競合となるのですが、まあ全然気にしている風はありません。
何だか元気がないセイコーに対して、まるで「もっとアストロンが狙っている市場は開拓できるぜ!!」と言わんばかりなのがトゥルームなのです。
機械式腕時計に異常な信仰心を見せる人々がいます。
そして、冒頭にも示した通り、そんな傾向に反論をする人たちがいます。
前者と後者どちらが多数派かというと、間違いなく後者。そして、後者の市場が持っているポテンシャルは高いというのが、今回のエプソンの判断なのでしょう。
恐らくですが……今後、エプソンは電子デバイスが得意であるという強みを活かして、スマートウォッチにも殴り込みをかけてくるでしょう。
なんだか、これからの腕時計業界の台風の目になりそうなエプソン、そしてトゥルームなのです。