クリントン元大統領が作家デビューだと?既にCBS傘下局でドラマ化が決定してる人気ぶり
- 2018/06/30
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バブルオヤジ時代の米大統領と言えば、ビル・クリントン。
大統領の職を2期8年間務めたがスキャンダルに無縁だったわけではない。
日本で有名になったのは、秘書のモニカ・ルインスキー絡みの性的スキャンダルだが、クリントンは他にも、不動産絡みのスキャンダル(ホワイトウォーター事件)など、政治的スキャンダルに巻き込まれている。
そんなクリントン元大統領が、過去のスキャンダルや仕事ぶりを活かして小説家デビューしていたのだ。小説家デビューとはいっても他の歴代大統領の様に、ビジネス指南書や回顧録を書きおろす事ではない。本格的政治サスペンスなのである。
自分の不祥事もネタにしてしまう強かさ
クリントン元大統領が昨年上梓したのは『The President is Missing(大統領失踪)』だ。
翻訳はまだリリースされていないが、ミステリー作家ジェームス・パターソンと共著という事で話題となり、上梓された途端、アマゾンの書籍部門の売上げ上位となっている。
話の主人公は妻と死別した合衆国大統領・ジョナサン・リンカン・ダンカンだ。
彼は、連邦下院議員から女性問題で糾弾される。
ジョナサンは政治的中傷に猛然と反発するが、同じ時に、サイバーテロが全米ネットワークをダウンさせるテロを仕掛ける事態に直面する。
ジョナサンは、自分の汚名を晴らすより先に、合衆国を救う事を優先する為、表向きは失踪した事にして、サイバーテロと戦うというのが話のあらすじだ。
ケヴィン・スペイシーの『ハウス・オブ・カード』とハリソン・フォードの『エアフォース・ワン』をあべこべに混ぜて、クリントン元大統領の身の上に起こったスキャンダルを盛り込んだサスペンスだ。
クリントン元大統領とタッグを組むパターソンは、米国国内のハードカバーの売り上げでは、ジョン・グリシャム、ダン・ブラウン、スティーヴン・キングでさえも追いつかないほどの売れ行きを誇る作家だ。
19作連続ベストセラーNo.1の座に輝いたという『アレックス・クロスシリーズ』も3作しか映画化されず、そのうちの1作は日本未公開だ。
クリントン元大統領は『米国内の見えざるミステリーの巨人』の力を借りた事になる。
それだけでなく、この作品をメディアに売り込んだのだ。
既にドラマ化の企画もあがっている
クリントン元大統領とパターソンは、ハードカバーの原作が売れたのを見計らい、米国の16の放送局に、売り込みを行った。
熾烈な放映権争いを勝ち取ったのは、CBS傘下のショウタイム。
元々、ボクシングや格闘技の独占配信に強いスポーツ系のケーブルTVだが、ドラマ部門に弱いのがタマに傷だった。ドラマ部門のテコ入れの為に、放映権を獲得したともいえよう。
米国では、ホワイトハウスを舞台にしたドラマは、CIA、FBI、ウォール街、医療モノ、恋愛モノと同じぐらい人気かつ鉄板のネタである。
その中でも『大統領本人が活躍する話』が出てきたのは具体的に『エアフォース・ワン』が最初ではないだろうか。これをきっかけに『インデペンデンス・デイ』など、『スーパーヒーローと化した米国大統領』が活躍する話が好まれるようになった。
だが、時代は変わり、リアリティ・ショーの主役兼不動産王が米国大統領になってしまった。事実の方がフィクションよりも奇となってしまったのである。
ホワイトハウスを舞台にしたドラマで人気を独占していた『ハウス・オブ・カード』も主演のケヴィン・スペイシーのセクハラ問題で打ち切りとなってしまった。
そうなると、かつて米TVドラマが得意としていた『ホワイトハウスもの』も一捻り必要となる。そこに現れたのが、クリントン元大統領の作品だ、これをメディアが逃さないわけがない。元大統領が執筆したサイバーテロに立ち向かう大統領なのである。
大物プロデューサーが食らいついている噂も
これだけの企画なので、原作がリリースされた段階で業界の大物が動いていないはずもない。『ワイルド・スピード』のジャスティン・リン、『24』のブライアン・グレイザー、『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のマーク・ゴートン、ネットフリックスが制作に立候補しているという。
俳優ではレオナルド・ディカプリオが直々に企画に食らいついてきたという話もあったという。
今現在製作者、キャストは未定だが、元大統領が書き下ろす政治サスペンスとなるとドラマ化の期待は高まるだろう。