今なお続くシリア内戦の原因とは?実はアメリカとロシアの代理戦争?
- 2018/03/13
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今なお続くシリア内戦
国際情勢を気にするオヤジとしては、シリア内戦関連の報道を多く見ることが多いのではないでしょうか。シリア内戦のニュースを見ていくと、アメリカやロシアも登場してきます。そこで、知っておきたいのがシリア内戦の原因や現状です。シリア内戦の原因や現状を知ると、アメリカとロシアが介入している理由も見えてきます。そこで今回は、今なお続くシリア内戦の原因や現状、アメリカ・ロシアの介入について紹介していきたいと思います。
シリア内戦の原因とは?
シリア内戦が始まったのは2011年3月15日のことです。シリア内戦の契機となったのは、アラブの春です。アラブの春とは、独裁政権を倒して民主化を進める革命のことであり、2011年にチュニジアで革命が起こりました。そんな独立政権を倒す動きがシリアでも始まり、シリア内戦へとつながっていったのです。
シリアでの独立政権とは、アサド大統領が率いるバアス党を指しています。アサド大統領はイスラム教の少数派であるアラウィー派なのですが、多数派であるはずのスンニ派を掌握しています。多数派であるスンニ派としては面白くありません。そして、アラブの春をきっかけにして、アサド政権打倒を目指して自由シリア軍という民兵組織が結成されたのです。その後、内戦が激しくなり、泥沼化していったのです。
シリア内戦の拡大…
当初、シリア内戦はアサド政権と反政府勢力による対立でした。しかし、新しくイスラム国が登場します。反政府勢力は、同じスンニ派であるサウジアラビアや反アサド政権のアメリカなどから支援を受けていました。支援による資金や武器をイスラム国は奪おうとするのです。そのため、反政府勢力の中でも、自由シリア軍とイスラム国の対立が起こります。その結果、シリア内戦は三つ巴の戦いとなってしまったのです。
さらに、シリア内戦には、アメリカやロシアが介入しています。アメリカは友好国であるサウジアラビアとの関係もあり反政府勢力を支援。一方、ロシアはソ連時代からシリアとは友好国です。そのため、ロシアはアサド政権を支援するのです。ですから、どんどんシリア内戦は拡大し、泥沼化されていきました。
アメリカとロシアの代理戦争との見方も…
シリア内戦と言われると、「内戦」とつくためシリア国民同士の紛争のイメージが強いです。しかし、シリア内戦ではシリア国外からの参戦も多いのが現状です。しかも、シリア内戦はアメリカとロシアの代理戦争との見方をすることもできます。反政府勢力には、アメリカやサウジアラビア、イスラエルなどが支持しています。アサド政権には、ロシアや中国、イランなどが支持しているのです。支持している国を見れば、アメリカとロシアの陣営がそれぞれ反政府勢力とアサド政権を支持していることがわかります。そのため、シリア内戦はアメリカとロシアの代理戦争として見ることができるのです。冷戦は終結していると言われていますが、実はシリア内戦でもアメリカとロシアの対立が続いているのです。
シリア内戦の現状と今後について
シリア内戦は、イスラム国が勢力縮小したことで紛争を複雑にしていた要素がひとつ減っています。ただし、アサド政権と反政府勢力の対立は続いるのが現状です。ただし、和平交渉の動きもあります。実際に、ロシアのプーチン大統領は限定的な停戦を求めており、2月27日に停戦の発行期日を迎えています。しかし、実際には2月27日も戦闘が続いているのです。アサド政権やロシア政府は、反政府勢力が迫撃弾を発射したと非難。一方で、アサド政権側の軍用機が空爆していたとの証言もあります。そして、停戦発効後にアサド政権側のロケット弾で少年1名が死亡したとの情報もあるのです。停戦の動きもあるものの、今後もシリア内戦の泥沼化は続くことが予想されています。なんとかシリア内戦が和平に向かってほしいところです。