「卵は1日に1個以上食べてはいけない」という迷信
- 2016/08/22
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卵をたくさん食べてはいけないの?
人間の体に必要な栄養素をまんべんなく含んでいる食品を、完全食品といいます。厳密には、母乳以外に完全食品はないと言われますが、母乳に近い栄養素を備えた食品の1つに「卵(鶏卵)」があります。
ところが、この卵、なぜかうるさいことを言う人がいるんですね。いわく、卵はコレステロールをたくさん含むから動脈硬化の原因になる、卵はアレルギーを引き起こしアトピー性皮膚炎のもとになる、だから卵は1日1個以上食べてはいけない。
よく言われることですし、医者に言われた経験のある人も少なくないでしょう。
卵でコレステロールが増えるというのは、1世紀前の学説
卵についてのこういう偏見は、最近になって次々にくつがえされてきました。そもそも、卵が血中のコレステロールを増やすと言われはじめたのは、なんと1世紀以上前の1901年にロシアで行われた実験の結果。それがどんな実験かというと、ウサギに卵を食べさせた実験なんですね。
ウサギは草食動物。そのウサギに動物性食品の卵を無理やり食べさせれば、コレステロールがぐわっと増えるのは当たり前じゃありませんか。科学というのも、結構いいかげんなんです。
卵を制限する必要なんて全くなし
いいかげんなのは、お国も同じ。卵のコレステロールが云々されるようになったのは1980年代に厚生省(現厚生労働省)がまとめた「国民栄養所要量」なるものが元になっていて、「高脂血症体質の人はコレステロール摂取を1日300ミリグラム以下に抑えるべし」というのがその内容でした。300ミリグラムというのは卵2個で超えてしまう境界線で、だから「卵は1日1個」という説が生まれたわけです。
ちなみに、この文書は現在は改訂されていて、「通常の日本人は制限する必要はない」という文言が加えられています。これまた、なんと、いいかげんな。
食べるなら、「ポーチド・エッグ」で
卵は、安くて栄養満点。食品の優等生のような存在ですが、食べ方によっては多少の害もあります。人が健康に生きていくための必須栄養素の1つに「ビオチン」というビタミンがあります。別名ビタミンB7と呼ばれるこれが不足すると、免疫機能の低下などの障害を起こします。卵の卵白には「アビジン」という物質が含まれていて、これはビオチンを壊すという悪さをします。
卵はなんといっても卵かけご飯が最高という諸氏も多かろうと思いますが、生玉子を多量に食べるのはちょっと危険。というのも、生の状態の卵では、アビジンが活発にはたらくからです。
これを防ぐには、卵をほんの少し加熱して食べること。その意味で卵の理想的な調理法と言われるのが、「ポーチド・エッグ」です。
ポーチド・エッグで毎日をバイタルに
ポーチド・エッグの作り方は簡単。ソテー鍋などの広くて浅い鍋に水を浅く張って、加熱。沸騰したら耐熱容器に割り入れた卵をそっと置き、蓋をして2〜3分待つだけ。これでできあがりです。
40歳を過ぎたら、暴食はダメ。必要な栄養素を少ない量の食品から効率よく摂ることが大切です。朝は、ポーチド・エッグでスタート。毎日をバイタルに生きましょうよ。