ペコラ銀座やバタクなど評判な「関東の実力派日本人テーラー」その2
- 2016/09/02
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関東で活躍する日本の実力派テーラーを紹介する2回目です。
(前回はこちら)
ここでの実力とは
技術×センス×実績
を兼ね備えたテーラーという事です。私の、元生地屋としての経験や、そこから今までに続く繋がりなどから、総合的に判断しています。
こういうテーラーを選ぶというのはつまり、世の中一般にハイブランドとされる様なものを経験し、そこも飽きて自分らしさを探す、かなりのファッション上級者もいます。一方、はじめからブランドには興味を持たない人もいます。共通するのは「ブランドを着た自分」を格好良いと思うのではなく「自分を唯一無二のブランドとして表現する」という様なスタンスを持っているという事ですね。
いずれにせよこれは「表現する自分」を自覚している事が必要です。まさに、大人の装いという事なんですよね。
だから、私の紹介には「この服のこんな所がこんな風に良いんです!」なんて、服のディテールやデザインなどを取り上げる様な表現を使いません。ここで紹介するテーラーもまた、お客さまの持つ格好良さを、自らのセンスと技術で最大限に引き出すのが仕事ですから。
出来上がったスーツの良さは、着ている人の魅力そのものになるわけです。大事なのはテーラーとの相性。結局は人と人ですからね。そういう視点で、今回もなるべくテーラーさんの人柄が伝わる様な紹介をしていきます。(順番は前回から引き続き、カッコ内カタカナ表記での、あいうえお順です)
◇batak(バタク)
HP: http://batak.jp/
新宿を拠点として中寺さんが取り仕切るのがこのバタク。私がオーダースーツ業界に入り立てで、まだまともな装いが揃っていなかった頃、たまたまジーンズを履いている日に、先輩に連れられて営業でお会いしてしまった頃を思い出します。
中寺さんの印象はまさにジェントルマン。見た目はとてもきちっとした印象ですが、話しぶり、物腰はとても柔らかで、新米だった頃の私にも優しくお話をしていただきました。
英国調のセンスを感じられるスーツを得意とするとされるテーラーです。
◇羊屋(ひつじや)
HP: http://www.tailor-hitsujiya.com/
茅場町にお店を構えます。ここで腕を振るうのは中野さん。テーラーでは普通、一着仕上げるのにも何人かで分業するのですが、ここは中野さんが1人で全てを行います。私がお会いした時の第一印象は「アツい人!」。
お話しぶりは落ち着いているのですが、その奥に感じる服への愛、そして情熱は凄いという印象でした。少し前にはトークイベントを行なうなど、オーダーの魅力を多くの人に届ける事にも力を注ぐ一面があります。
◇Bespoke Tailor Dittos(ビスポークテーラー ディトーズ)
水落さんが南青山にお店を構えるのが、このディトーズ。残念ながら私がお話させていただく機会はありませんでしたが、その評判は生地屋にも充分に伝わってきていました。スーツ文化に真摯に向き合う姿勢を、そのホームページからも垣間見る事ができます。クラシックな英国スタイルを得意とするテーラーと言われます。
◇BLUE SHEARS(ブルーシアーズ)
二子玉川にお店を構える久保田さん。現在は大阪にもお店がある様です。
残念ながら私は久保田さんとは電話でしかお話した事がありませんが、とてもインテリジェンスを感じられる方、という印象です。日本だけでなく香港でも活躍されているそうです。
久保田さんのスーツは、英国調のスーツが得意という風に言われます。
◇PECORA GINZA(ペコラ銀座)
HP: http://www.pecoraginza.com/
銀座にそのお店を構えるのは、佐藤さん。イタリア・ミラノのサルトリア(テーラー)、マリオ・ペコラ氏の元で学んだ事から、こういうお店の名前なんですね。日本にイタリアらしいオーダースーツを広めた草分け的存在といえるでしょう。今回紹介するテーラーの中では重鎮ともいえる存在です。ですから、もちろん実績は折り紙付き。イタリアの中でも北部の洗練されたスーツを得意とするテーラーと言われます。
◇LID TAILOR(リッドテーラー)
西荻窪にお店を構えるのは根本さん。雰囲気のある店内、店頭にあるクラシックなカフリンクスなど、お店に入るだけでそのセンスを感じずにはいられません。
どちらかといえば英国調のスーツです。根本さんご自身も、とても落ち着いた、優しい笑顔が印象的なジェントルマンです。英国調なので、ベーシックなスーツという事になりますが、ベーシックだからこそ、そこに宿るセンスが全体の印象を左右しますね。そんな、大人が味わえるセンスを堪能できるテーラーでしょう。
さて、以上が私のオススメテーラーです。いずれも現在の日本のテーラー業界を牽引している方々といえるでしょう。2回にわたってお届けしてきたオススメテーラーの中に、あなたに合うテーラーが見つかればと思います。
そして、次回はちょっとした番外編として、オススメの「これから期待のテーラー」を紹介したいと思っています。次回も引き続き、お楽しみに!