メジャー戦力外の田澤投手が日本でプレーが困難??田澤ルールとは?
- 2018/05/30
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田澤純一が戦力外
先日、マーリンズから自由契約となった田澤純一選手。
2013年にはリリーフ投手として26ホールドを記録し、当時所属していたレッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献するなど、その実績は十分。
そのため、獲れるものなら田澤が欲しいというNPB球団は少なくないはず。
しかしこの田澤が日本でプレーをするのは難しいとも言われています。
その理由して挙げられるのが、「田澤ルール」を巡るいざこざです。
「田澤ルール」とは
田澤選手は高校卒業後に新日本石油に入社し、社会人チームでリリーフ投手として活躍。
ドラフト指名解禁年となる2007年には、現在では撤廃されている希望枠の候補に挙がるほど高く評価をされていました。
しかしメジャー願望のあった田澤選手は、ドラフト前に会見を開きその意思を表明。
12球団に指名を見送るよう求め、日本球界に入ることをきっぱりと拒否しました。
かねてよりNPBとMLBには紳士協定があり、お互いのドラフト候補となる選手には交渉しないという不文律がありました。
しかし田澤選手の場合はMLBから交渉に乗り出したわけではなく、本人が強く希望してのものです。
そのため当時は「本人が希望しているのだから行かせてあげればいいではないか」「いや、これを許してしまえば来年以降も有望なアマチュア選手がMLBに行ってしまう」などさまざまな議論が起こりました。
結局NPBの球団が田澤選手をドラフト指名することはなく、田澤選手はレッドソックスに入団。
本人の望みが叶ったわけですが、これを懸念したNPBは「ドラフト指名を拒否して海外の球団と契約した選手は、当該球団を退団後も一定期間はNPB球団と契約できない」というアマチュア選手の流出を抑止するルールを作成。
これが通称「田澤ルール」と呼ばれるものです。
「田澤ルール」に対する選手会の反応は?
「田澤ルール」はNPBが一方的に導入したもので、選手会はこのルールに反対の声をあげています。
選手の経済活動を制限することから、独占禁止法に抵触することを指摘。
このようなルールを作ることよりも海外の球団よりもNPBを選んでもらうような、そんな魅力のあるリーグにすることが重要だと述べています。
日本でプレーするには
「田澤ルール」で設けられた一定期間は高卒選手が3年、大卒・社会人選手が2年。
新日本石油出身である田澤選手の場合は、2年ということになります。
ただ「田澤ルール」ができたのは田澤選手がレッドソックスに入団をした後であり、そのため田澤選手は例外になるという話もあります。
このあたりはNPBが正式に表明したわけでもないのでわかりませんが、ただ田澤選手は「田澤ルール」導入のきっかけとなった張本人。
当時のゴタゴタがしがらみとなり、NPBに忖度をして獲得を見送る球団がないとは言い切れません。
また同じくNPBを経ずにMLBでプレーした多田野数人選手やマック鈴木選手がそうであったように、NPBでプレーをする場合はドラフト指名されることが必要。
そのためシーズン中での移籍は不可能となり、日本でプレーをするのなら秋まで待つ必要があります。
MLBで計379試合に登板した田澤選手。
恐らくNPBを経て海を渡っていたらこれ程の登板数にはならなかったでしょうし、ワールドシリーズ制覇を経験することもなかったでしょう。
当時のいざこぞはどうあれ、メジャーを志していた田澤選手自身にとってあの選択が正しかったのは間違いないと言えます。
実績もあることですし、MLB球団からオファーがある可能性もまだまだ残されているでしょう。
ただもしオファーを出すMLB球団が現れなかったら・・・、田澤選手を獲得したいNPB球団があるのなら・・・、NPBが「田澤ルール」を適用しなければ・・・。
その時は、10年越しで田澤選手がNPB球団のユニフォームに袖を通す日が来るのかもしれません。
そしてそれを望んでいるファンも、少なくはないでしょう。