中京記念2017 時計の足りないワンアンドオンリーが勝つならば
- 2017/07/17
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ダービー馬のハンデ戦参戦はあの最弱世代以来か
かつて「史上最弱のダービー馬」と揶揄された馬がいた。
その名はオペックホース。
1980年の日本ダービーで大本命モンテプリンスを破る一世一代の走りをみせて頂点に立った後、怒濤の32連敗を喫した。
調べるうちに、どうもそのオペックホース以来ではなかろうかという気がする「ダービー馬のハンデ戦参戦」は、注目というか、悲哀というか、執念というか…。
関係者のさまざまな思いを乗せて、現役ダービー馬が夏の中京を疾走する。
条件は決して悪くない
皐月賞の追い込みから一転、ダービーを先行で制したワンアンドオンリー(牡7・橋口厩舎)の泣き所は「速い脚がない」「持ちタイムが平凡」なこと。
2歳時は稍重でラジオNIKKEI杯を勝つなど、ジャストフィットする条件を生かしながら、出世してきた。
しかし古馬との混合戦に突入して以来は、得意だったはずの重・稍重でもパッとせず、かといって良馬場では切れ負けする日々。
なぜか異国の地ドバイでの成績が最もよいという摩訶不思議なことになっている。
裏を返せば彼の得意な「良前提の時計がかかる展開」は、JapanのG1では絶対に起こることがなく、洋芝か中京への参戦はいずれ避けられない運命だったのかもしれない。
あとは全く未知のマイル適性がどうか、である。
そうそう、時計がかかるといえば
さてこの中京記念にはおもしろい傾向がある。
▼春に走りすぎは禁物
▼近走で「中京仮想馬場タイム」を出している馬が狙い目
たとえば
去年
2着6人気ピークトラム 前走谷川岳S1分33秒5(稍重)1着
本番1分33秒7
15年
2着13人気アルマディヴァン 前々走Vマイル1分33秒4で15着
本番1分33秒4
3着3人気ダローネガ 前走湘南S1分33秒3で1着
本番1分33秒5
13年
2着13人気ミッキードリーム 前走米子S1分33秒7で6着
本番1分33秒6
これらはすべて「持ち時計だけは堅実に走る馬」が、中京なら間に合ってしまうケース。
時計の早いG1戦や中央場所でドカ負けしている馬が大半だから、いきおい人気がなくなり、おいしすぎるというわけ。
逆に、
昨年1番人気ダッシングブレイズ10着
前走京王杯SCで1分20秒0!
15年2人気レッドアリオン8着
前走安田記念で1分32秒7!
など、他にも近走でマイル戦32秒台などを叩き出して激走済みの人気馬は、ことごとく馬群に沈んでいる。
競馬がタイムトライアルでないことの証明だ。
タイムが求められないなら付け入る隙ありか
ワンアンドオンリーの中京参戦があながち無理筋でないといえるのはこの点にある。
厳しい条件ほど燃えてみせた彼の闘争心に再び火がつけば、予想以上の戦果も期待できよう。