新元号が選ばれるオモシロ基準を知ってますか

  • 2018/08/18
  • ライフスタイル・娯楽
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  • のりき 夢丸
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名残惜しい平成の世もあと少し

名残惜しい平成の世もあと少し

天皇陛下の生前退位が近づき、いよいよ来年は元号が変わる年となる。
巷では「平成最後の〜」なんて枕詞がひんぱんに使われるようになり、早い早いと思っていてもすでに30年という月日が過ぎたんだなと改めて感じさせる。

元号が変わることは、国内の経済に大きな影響を及ぼす。
業界によっては「ホントは早く新しい元号を決めてもらった方が助かるんだけど…」というところが少なくない。
中にはこの際全部、仕事上は西暦扱いにするかなんて話も持ち上がるだろう。

国民の熱い関心が集まる「新元号」だが、実は「平成」という今の元号に決まるまでにも、ケンケンガクガクの議論があったことをご存じだろうか。
今になって当時の声がちょくちょく漏れ聞こえるようになり、興味深い検討の内容が明らかになってきた。

 

え、アルファベットですか?

え、アルファベットですか?

「平成」という元号は、はなから「本命」扱いだったということはよく知られているが、とはいえ有識者会議の議論までないがしろにするわけにはいかなかった。

そこで政府はどうしたかというと、
▼元号をアルファベットで省略したときの例を考えてほしい
とあらかじめ有識者にお伺いをたてていた、というのである。

どういうことかというと、
▼元号をアルファベットで略す場合、昭和は「S」だったので、今回も「S」から始まる元号だと「S S」と重なることになるからできれば「S」候補以外で
と、議論を誘導したらしい。

そこで平成以外の候補、たとえば「正化」「修文」などは、この希望にそぐわないことになり、瞬く間に本命候補「平成」が推されていった、というのである。

アルファベットで元号を省略する習慣と、元号を構成する漢字の歴史とどちらを重く見るか、という話だが、それなら「平成」でどうですか、何か不都合はありませんか、と聞いた方が議論は深まったのに、とも感じる。

 

このアルファベット理論を今回に当てはめると

このアルファベット理論を今回に当てはめると

ではこれをふまえて「平成」後の元号は、どんな候補が考えられるのか。

明治、大正、昭和、平成をアルファベット一文字で表せば、「M T S H」である。

明治生まれの方が健在でいらっしゃる現状を考え合わせれば、新元号にこの4文字は使えないことになる。
ところが頭文字が4つ使えないという状態は、音が少ない日本語にとっての選択肢を半分も狭める結果になる。

残るアルファベット行は
「A K N Y R W」
だが、元号に使いやすい漢字の「発音」も考えると「N Y」あたりはとても候補が少ないように感じる。

すると実質的な候補は
「A K R W」
あたりに絞られる。

さらにここからは素人ゲスの勘ぐりだが、日本語としては発音できても、対外的に「日本語のように」発音しにくい音と言えば「R」である。

外国人は「R」の発音が上手すぎるので、日本の元号に聞こえなくなってしまう危険はないだろうか。

もう一つ。明治の前の元号はご存じ「慶応」だったので、「K」が復活するには時が早すぎないか。
よって新元号の本命頭文字アルファベットは「A」または「W」というのがオジサンのゲス予想だ。

 

温故知新で新たな候補を見つけた

温故知新で新たな候補を見つけた

ここまで考えたとき「もっと昔はどんな元号があったんだろう」と思いついて、ちょっと歴史を遡ってみた。

すると慶応の前から順に
元治(げんじ)
文久(ぶんきゅう)
万延(まんえん)
安政(あんせい)
嘉永(かえい)…
と遡ることができる。

今回の本命「A」も「W」もきれいな発音の日本語に属するが、そういえば日本語には「濁音」もあることをすっかり忘れていた。

ただし年号に使われる濁音はほとんど「G」「J」「B」に限られる。
一番近い濁音元号はわずか2年しか使われなかった「元治(1864〜)」であること、またその前も濁音元号「文久」だったことを考えれば、まだ濁音字は使わずに残す手もあるか。

なにより「A」にも「W」にも、今の日本に必要な良い意味の漢字がある。
「安」と「和」だ。
「安」は「安政(1855〜)」以来、「和」は「享和(1801〜)」以来使われておらず、十分に間隔も空いている。

全てが平らかとはいかなかった平成の世であるが、せめて未来は「安らかで」「和を尊ぶ」時代であってほしいものだ。

この記事の作者

のりき 夢丸
のりき 夢丸
馬と日本酒と時代劇をこよなく愛するフリーライター。 モットーは「人の行く裏に道あり花の山」。 最近はドローンに興味津々の毎日。 競馬血統ブログ「ほぼ毎週競馬ナビ」にて執筆中。
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