ベストセラー作家の小説構築案にみる、プレゼン成功の秘訣
- 2018/11/04
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どんな立派な資料を作ったとしても、伝わらなければ意味がない。
プレゼンで手元の資料を読む事に終始していたり、自分の事を喋るのに精一杯で、聴衆の反応を見る余裕がなければ、そのプレゼンは失敗に終わったと言っても過言ではないだろう。
ではプレゼンの最中に、ずっと聴衆の目を引き付け、なおかつ、今日の貴方の話は素晴らしかったと言って貰える様にするにはどうすれば良いのだろうか。
ベストセラーNo.1作家が心がけている仕事のスキルアップ
日本ではそれほど知名度はないが、67回もベストセラーNo.1の座に輝いた米作家
ジェイムズ・パターソンという人がいる。
この回数だけでなく、電子書籍で初めて100万部を突破した作家としてもギネス世界記録に登録されている人だ。
その売上は『評決のとき』、『ザ・ファーム~法律事務所~』などの法律もの原作で知られるジョン・グリシャム、『ダ・ヴィンチ・コードシリーズ』のダン・ブラウン、『ダークタワーシリーズ』のスティーヴン・キングの米国小説家御三家の売り上げを足して、ようやく追いつくというのだから、どれだけ売れているかが判るだろう。
彼は米国で『ベストセラーの書き方教えます』というオンライン講座を持つ程の人気作家だが、どんな仕事でも成果を挙げるには共通する事があると提唱している。
1:人に聞かせたいエピソードは、紙に書き出し、その中から1つに絞って、話す
2:どんな仕事であれ、モチベーションをキープして取り組む
3:規則正しい生活が、最良の結果を産む
パターソンは広告代理店に勤務しながら、必ず毎日2時間は執筆の為に時間を割いていた。
代理店を定年退職した後も、規則正しい生活を心がけ、現在も執筆活動を続け、現在では120冊以上のハードカバーをリリースしているのだ。
そんな彼は、小説を書く前にまず、あらすじを書いているという。
あらすじを3~6回書き直し、納得した時点で小説を書くというのだが、あらすじを書く行為は、自分の小説を客観的に見直す為だというのだ。
これはプレゼンにも通じる行為であり、人に何かを伝える、教える時に必要とされるスキルでもある。
ではナンバー1作家の言う通りに生活習慣を整え、プレゼンの資料を作った後は、どの様に発表すればよいのだろうか。
資料は配らない、直前まで聴衆のデーターをリサーチ
プレゼンも、上司や取引先への業務連絡も基本的には同じである。
最初の20秒~3分の『つかみ』で、相手に必要事項を伝えなければ、プレゼンや報告は失敗した事になってしまうのだ。
その間に、手元の資料を見ている時間があるだろうか、ないだろう。
紙に書いていない事を伝えるのがプレゼンの役目なので、いかにして聴衆の目を自分に向け、耳を傾けて貰えるかが、成功のカギとなる。
この『つかみ』を成功させる為には、事前に聴衆なり取引先の名前、社名、所属部署などの情報を仕入れ、なおかつ会場での『突発的事故』が起こらない様に細心の注意を払う事だ。
『つかみ』の時点で、話す話題は、聴衆に興味がある事に合わせ、相手との会話のキャッチボールを楽しむ事だ。
お手本にしたいのは、池上彰氏の様な質問の仕方だ。
相手が何に興味を持っているのかリサーチし、相手の答えを否定せず、そこから話を展開させるという方法である。
その反対にオヤジ世代にありがちなのが、自分が最近興味を持ってる全然関係ない話をプレゼン前に、ダラダラと聴衆に語りかける事である。
本人は聴衆をリラックスさせる効果があると思っているのだろうが、聴衆にとって、そんな事はどうでもいい上、最悪の場合、肝心のプレゼン共々どうでもよくなってしまうのだ。
もし自分がこの手の話をしてしまいそうなのであれば余計な事はいわずに、さっさとプレゼン本題に入った方がいい。
その際に気を付けたいのが、話すスピードだ。
最初はゆっくり、中盤から徐々にテンポアップしていくと良い。
合わせて取り入れるべきなのが、身振り手振りだ。
身振り手振りは、感情表現というよりも、大きさや数の説明などに取り入れると効果がある。
またプレゼンの時に資料を配らないのには理由がある。
資料を配ると、登壇している人よりも資料に目を向ける人が多くなってしまうからだ。
パターソンは、あらすじが書けないアイデアは小説にしなかったが、パターソンにおける『あらすじ』がプレゼンだとすれば、『小説そのもの』はプレゼンの資料の様なものなのだ。
プレゼンは、小説のあらすじや要約の様なものであり、それを思いついた本人が資料なしで説明できなければ何の意味もなさないのである。
プレゼンを成功させる為には、『資料は後からお手元のORコードよりダウンロードしてください』と先に説明し、プレゼンでは資料を補う説明をすればいい。
こうすれば、プレゼンの内容はあなたの頭の中にきちんと整理されて入るので、プレゼン当日に質問をうけてもきちんと答えられるだろう。