ギブソンがなくなる?!名門の経営危機について思うこと

  • 2018/05/27
  • ライフスタイル・娯楽
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  • アントニオ犬助
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ロックといえばレスポール、そしてギブソンなのです

ロックといえばレスポール、そしてギブソンなのです

「レスポールが重たすぎたんだろ?」
といえば、RCサクセションが1983年に発表した「ベイビー!逃げるんだ。」の一節。三菱「ミラージュ」のCMにも使われていましたから、サビの歌詞にもなっているタイトルをご記憶の方も多いのではないでしょうか?
犬助にとってもこの曲は、ロックンロールに開眼させてくれたという意味で思い出深いものなのです。が……今回取り上げたいのは、そんな子どものころの思い出ではなくレスポールについて。いや、レスポールを製造しているアメリカ「ギブソン(Gibson)」社が経営危機に陥っているという話です。

ギブソン社が創業したのは1894年、最初はマンドリンを製造する小規模な会社でしたが、1950年代になると「エクスプローラ」や「フライングV」など、独創的なボディを持つエレキギターを発表。「ストラトキャスター」や「テレキャスター」といった看板モデルを持つフェンダー社と共に、エレキギターのメーカーとして双璧とも呼べる名声を築きました。

そんなギブソン社の看板製品ともいえるのが、冒頭にも取り上げた「レスポール」。
元々はギタリストであるレス・ポール氏のオリジナルモデルだったのですが、独特のボディのシェイプと「分厚い」と評される音味に人気が爆発。70年代に流行したハードロックをかき鳴らすには、欠くべからざる存在となったのです。

ジミー・ペイジ、ゲイリー・ムーア、ジョー・ペリー、スラッシュ、エース・フレイリー……ギブソン・レスポールを愛用しているギタリストは数知れず。そうそう、「けいおん!」の平沢 唯ちゃんもレスポールを使っていましたね。

 

エレキギターが使われている曲って、流行らないよね

エレキギターが使われている曲って、流行らないよね

そんなギブソン社が倒産するんじゃないか?というニュースが飛び込んできたのは今年の4月。当初は経営不振によるとしか報じられておらず、驚くばかり。何といっても、エレキギターの代名詞のようなメーカーが倒産するとはちょっと考えられず、犬助の頭の中はかなり混乱したものです。

でも、ですよ……考えてみれば、ギブソンに限らずエレキギターをフィーチャーした曲を最近、あまり耳にしないのも事実。気が付いたら、電子音ばかり目立つ音楽がチャートを席巻していたりします。犬助が音楽に夢中になっていたころのヒーローといえばギタリストだったものですが、息子の世代になるとヒーローはDJ、ギブソン社が経営不振に陥るのも、時代の流れかと少々寂しくなったものでした。

 

経営不振の原因は、多角化の失敗

しかし!!続報を聞いてみるとギブソン社の経営不振の原因は、本業のギター製造ではないというではないですか。確かにエレキギターの売上は大きく減少しているものの、部門として見る限りは利益体質だといいます。

一方でギター部門の足を引っ張っていたのが、現在のCEOであるヘンリー・ジャスキヴィッツ氏が力を入れていたというオーディオ事業。
大枚をはたいて買収したオンキヨーやティアックといったオーディオメーカーが、思ったように利益を上げることができなかったとか。犬助も以前、レスポールやSGといったモデル名を冠したギブソン・ブランドのヘッドフォンを目にして頭が「?」となったものでしたが、どうやら、これらの無闇な多角化が経営の悪化につながったとのこと。

今後、ギブソンは、オーディオなどの不採算部門を売却、本業のギターを中心に経営の立て直しをはかっていくといいます。

 

成長を持続することは、ギブソンにとっても宿命だった

成長を持続することは、ギブソンにとっても宿命だった

多角化を狙って失敗。不採算部門を売却することで経営を立て直す……経済界を見ていると特に珍しくはない出来事ではあるのです。

しかし一本一本、ギターを手作りしているイメージのギブソンのような企業ですら、同じ様な事態に直面していると聞き、驚かされてしまったのです。
だって、株式公開をしていない老舗のギターメーカーですらこれなのですから、どんな企業でも成長を続けなければならないという宿命からは逃れられない、そりゃあ無理な投資がたたったりしますわな。

まあ、ひとまず中国など新興国の企業がギブソン・ブランドを購入。
ギブソンの名前がついた粗悪なギターを量産する、こんな事態にならなくてよかったと思っている次第……だって、あのギブソンが中国製って、いくらなんでもなえてしまう。
もちろん、犬助がギブソンのギターを購入するという予定はありませんが、何といってもギブソン、中でもレスポールはロックの象徴、製造国がアメリカであることは重要なことのように思えるのです。

まあシグネチャーブランドであるエピフォンは、ずいぶん前から中国や韓国、そして日本といったアジアで生産していますが。

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アントニオ犬助
アントニオ犬助
みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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