車の世界でも本格化する「ヘリテージ」という潮流
- 2018/04/04
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時計の世界だけではない、ヘリテージブーム
時計の世界はヘリテージ・ブーム。
少し前に、こんな原稿を書いたのです。「ヘリテージ」とは遺産・継承物といった意味ですから、要は復刻版。昔のデザインを色濃く残し、現代的な技術を注入したモデルを各メーカーがヘリテージと名づけて投入・好評を得ているのです。
それだけ、過去のデザインが優れているのか、業界自体が新しいものを生み出せなくなっているのか、というのはともかく、状態のいい物だと100万円を超えてくるようなヴィンテージ腕時計が、ヘリテージなら手頃な価格で購入できるのは大歓迎。
犬助も思わず、手を出したくなってしまうのですが……ヘリテージが流行っているのは時計の世界だけではありません。車の世界でもヘリテージ・ブームは来ています。
車も熱くなっているのが、ヘリテージ路線!!
車の場合のヘリテージとはクラシックカーと呼ぶには、まだ年月を経ていない物を指します。つまり、1950〜80年代のものが中心……カッコつけて呼んでますけれど要は「旧車」ですな。そして、ご存知のとおりヘリテージ・カーはデザインやボディラインにおいて見るべき点は多いもの、人気となっているのです。
例えば、昨年の8月に幕張メッセで開催された「オートモービル・カウンシル」では100台を越える、国内外のヘリテージ・カーが集合。展示されるだけでなく、一部は販売までされており、3日間で2万人を優に超える人々を集めて盛況だった模様なのですが、やはり本物のヘリテージ・カーは時計同様、手が出しにくいのが現状。
そこで熱が高まっているのが新車のヘリテージ、つまりクラシカルな新車。
先駆けとなったのはフォルクスワーゲン「ニュー・ビートル」やBMW「ミニ」、フィアット「500」のプレミアムコンパクト勢。
日本車なら、ホンダ「N360」をリファインした「N-ONE」もヘリテージといえるでしょうし、今年の春にリリースされるスズキ「ジムニー」も、初代に立ち戻ったようなデザインになるというウワサですから、これもヘリテージ路線といって良いでしょう。トヨタは「スポーツ800」にインスパイアされた、小型スポーツカー「S-FR」を企画しています。
レーシングストライプ入りの「Z」が登場
そんな中、日産「フェアレディZ・Heritage edition」が発売されると聞いて、車のヘリテージ・ブームも本格化しているな、と感じた次第。
こちらの「Heritage edition」、何でも1970年代に北米で販売されていた「280Z」のスペシャルデコレーションパッケージを現代風に復活させたもの……といっても、飽くまでも「デコレーション」。現行のZ34型に、特別な内外装を施してヘリテージな雰囲気をまとわせています。
目を惹くのは、ボディ中央やサイドに大胆にあしらわれた「レーシングストライプ」。
最近ではオプションでストライプを入れたスズキ・ハスラーなどを見かけるようになり、あれはあれでカワイくて好きなのですが、本来ストライプが似合うのは、やはり「Z」の様なスポーティな車であると、Heritage editionの写真を見て思った次第。
ボディーカラーの「プレミアムアルティメットイエロー」も、特別な感じが伝わってくるのです。
受け継いでほしくない、負のヘリテージ
と、ここまで書いて思ったのですが……レーシングストライプって、その昔「ぶっちぎりライン」って呼ばれていませんでした? 恐らくこの言葉に反応できるのは、犬助よりももう少し上、現在50歳を超えた人々だと思うのですが。
ぶっちぎりラインと来るならば、続くのはシャコタン、竹ヤリ、デッパ!! これでは、昭和の暴走族ではないですか? 近年では「旧車會」といって、いい年をしたオヤジ連中がつるんで暴走行為をしたりして迷惑になっているとか。高齢化の波は、ココにも押し寄せているんですね。
レーシングストライプがヘリテージならば、ぶっちぎりラインは負のヘリテージ。そちらの復活は、ぜひ勘弁してもらいたいもの。まあ、人の目に触れないところで楽しんでいるのなら、文句のつけようもないのですが。