キー局と地方局のアナウンサー事情と娘の就職
- 2016/12/16
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キー局は花形でアナウンサーも多い
毎日、テレビの各チャンネルで見慣れたアナウンサーですが、その多くがキー局と呼ばれる東京にある全国ネットを持つ局のアナウンサーです。オヤジ世代の人間としては、自分の娘が女子アナになりたいと言ったらどうでしょう。どうせならキー局に入って、全国に顔を売れと思うか、地元の局で慎ましくやってくれと考えるか。本人の問題だから任せると言うのか、電波で顔を晒すなんてやめてくれと反対するのか。
どんな反応を示すにせよ、アナウンサーの事情を少しくらいは知っておきたいところです。画面で見る機会が多いのはキー局の人間ですが、地方局にもたくさんのアナウンサーがいます。ただし、局単位でみると、キー局と比較した場合に圧倒的な人数の差があります。
たとえば、2016年で日本テレビは50人規模のアナウンサーを雇用しており、その4割程度が女子アナです。TBSは60人規模で男女半々、テレビ朝日も60人規模で若干女子アナ優勢、フジテレビに至っては70人規模で男女半々というところ。テレビ東京は4局よりも少なく30人を超えるところで女子優勢です。
キー局のアナウンサーが多いのは、全国へ多くの番組を送っていることが大きな要因と言えます。現在では、BSやCSにもチャンネルを持っており、その制作要員も必要です。
一方、地方局はどうかと言えば、準キー局と呼ばれる在阪4局こそそれなりの人数が揃っていますが、他は少人数で運営しています。
大阪の局の場合、例年毎日放送が40人前後で女子率は30~40%。朝日放送も毎日放送と同じか少し少ない程度です。この両局はラジオ兼営局であり、CSとも関わりがあります。また、全国ネットであるか否かを問わず、他地域へネットすることも比較的多い局です。
関西テレビは両局の6割程度の人数で、女子アナが少ないのが特徴です。読売テレビが最も少なく20人規模で女子は4割といったところです。
地方局のよいところ
これが、本当の地方となるとどうでしょうか。全国一見られる地上波チャンネルが少ないといわれる宮崎県の宮崎放送をみると、2016年12月時点で13人のアナがいて女子が7人もいます。テレビ単営局のテレビ宮崎も同数となっており、宮崎は意外に頑張っているようです。
では、本州最北の青森県はどうでしょう。青森放送は13人中9人が女子で、青森テレビは9人中6人が女子。青森朝日放送は9人中女子は4人です。
このように、キー局ほど多くのアナはいませんが、女子の比率はキー局に勝るとも劣らない局が少なくありません。また、キー局の女子アナはタレント並みの扱いもあって全国から希望者が殺到します。狭き門どころの話ではありません。しかも、地方局は人口で考えた場合にキー局よりも女子アナの数が多いとさえ言えます。
もちろん、キー局ほどではないにしろ、地方局にもアナウンサー志望で全国行脚する学生が来ます。しかし、局によっては地元重視で遠隔地出身者がほとんどいないところもありますし、地方出身者にとって地方局はねらい目と言えるでしょう。
さらに、バラエティ番組で芸能人のような存在となり、週刊誌に狙われやすいキー局に比べて、地方局の方が堅実で本格派のアナウンサー職を極めやすいのではないでしょうか。加えるなら、キー局ほど不定形な仕事に追われる可能性はないでしょう。
自社制作番組の比率や、全国ネット番組への露出の面以外で、唯一の弱点は報酬の少なさです。キー局や準キー局は平均で軽く1000万円を超え、多くは1400万にもなり得ます。しかし、地方局ではなかなか1000万は超えませんし、700万あればよい方とも。若い女子アナの給料は…。
それでも、一般企業の事務職に就くよりは高給である場合が多いでしょう。地元で顔が知られるようになれば、披露宴やイベントなどの営業の声もかかりやすくなります。ただ、この分野ではプロダクション所属のプロ司会者と競合関係になることもあります。
こうしてみると、地方局の女子アナになるのも悪くないと思えてきます。娘さんが希望するなら応援してあげましょう。