中高年の3世帯に1世帯が貯蓄ゼロ!気が付いたらスッカラカンになる家庭には法則がある
- 2018/07/16
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日銀の金融広報中央委員会が’17年に実施した『金融行動に関する世論調査』によると、40~60代の男性の、3世帯に1世帯が収入の格差に関わらず、貯蓄ゼロである事が判明した。
年収1200万超えでも、貯蓄している中高年は約1割。
子供に遺産を残せと言われてきたオヤジの父親、祖父母世代からみれば信じられない話である。
収入さえあれば貯蓄出来るというのが幻になった理由は、ある法則が関係している事は判明した。それは何なのか。
自転車操業になる家には法則がある
稼いでも貯蓄ゼロ、自転車操業になる家には、ある一定の法則がある。
1:同調圧力に弱い、もしくは強気の小心者
2:転勤、収入などで住む場所を選べない
3:見栄っ張り
4:支出への意識が低い
5:主観的
思い当たる事はないだろうか。
全部とまでいかなくても、半分当てはまれば、自転車操業。
大半であれば年収の額云々に関わらず、貯蓄ゼロになる確率は高い。
結果を聞いてブチ切れているようであれば、今後、貯蓄ゼロどころか、預金通帳を切り崩す危険性もある。
では貯蓄ゼロになる例は、具体的にどの様な年収、家族が挙げられるのだろうか。
典型的な例は、同調圧力への弱さ
貯蓄ゼロの家族でオヤジたちが真っ先に思いつくパターンは、
『年収400万円台、共働き、子供2人、賃貸、外食は回転ずしかファミレス、ファストファッション。』だろう。
筆者が場末のスイミングスクールでよく目にするパターンも、こうした家族だ。
近所の子供がサッカーを習ってる、英会話をやってるという理由で、ウチの子供も習わせる。
他の子供もスマホを持ってるから、スマホを持たせるというのが、この手の家。
『他の家の子供もやってるのに、ウチがやってないのはおかしいでしょう?いじめられるじゃないですか。これでも節約して食材はネットスーパーと業務スーパーでしか買いませんし、気晴らしはコストコです。』
が決め台詞である。
が、月の出費の内訳をみると、通信費や食費に各7万も出ていき、子供の習い事で5万も出費する始末。
仮にスマホを子供に持たせるのであれば、格安スマホの限定プランにするなど決めるべきである。
こうした家族がお金を貯められない理由は、先ほどあげた法則に当てはめると、1,4,5だ。
同調圧力に弱く、自分は自分と割り切って考えられない姿勢は、子供にも影響する。
これが年収700万になっても、今度は教育ローンや、住宅ローンが家計を圧迫するという事が考えられる。
年収が低いうちに、考えを客観的に見直した方がいいという事になるのだ。
では年収1000万超えのひとたちが貯蓄ゼロになる理由は、どこにあるのだろうか。
年収1000万超えの貯蓄ゼロは見栄
タワマンの上層階に住んでいる年収1000万超えの人たちの貯蓄ゼロの理由はどこから来るのだろうか。それはズバリ『見栄』である。
階層ごとにヒエラルキーがあり、子供には有名校へのお受験が課せられ、妻にはランチの付き合いが強要される。
筆者の通うジムのスタジオに、片道2時間以上かけて週三回も来るお嬢様ファッションの主婦がいるのだが、彼女はタワマンのママ友ランチや、つきあいに参加したくないので、わざと用事を作って出てくるというのだ。
それもそれで一つの手なのだが、それもまた一つの見栄であり余計な出費である。
ダンナがタワマンの同調圧力に負けて乗りもしないベンツを買い、延々と車庫に眠らせているのと同じ理由だ。
投資目的でタワマンを買う富裕層も居るだろうが、その裏で住人の見栄と同調圧力による醜い出費が続いていたとしれば、それは幸せを提供しているとはいえないだろう。
では、同調圧力もうけず、見栄もはらず、貯蓄をして幸せになるにはどうすればよいのだろうか。
何事も、ほどほどに
ノーベル賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマンは、人間の幸福度と収入は対数の関係にあると言った。
人は100万収入が増えるよりも、100万減る事の方に、精神的、肉体的苦痛を感じる。
人が幸福になる収入の限度は年収75000ドル(約850万円)。
さらに友人の数も、自分で管理できる範囲がいいというのが条件に上っていた。
何事もほどほどにという事である。
エリエールで有名な大王製紙の元取締役・井川氏は、子会社から106億8000万円、カジノ目的の為、流用し、有罪判決を受けた。
その経験から、身の丈に合わない見栄、同調圧力こそ貯蓄の邪魔になる事を痛感したという。
貯蓄ゼロでも稼いでいれば大丈夫という感覚は、井川氏の例えでいうと、
ギャンブルで底をついても『まくった』という脳内麻薬が出ている状態と同じ。
なのでは、という事なのかもしれない。
毎日の生活が『まくった』では、いつか自分だけでなく家族を含め、周りの人間の首も絞めてしまう。
そうならない前に、自分自身の生活を見直してみるべきだろう。