欲望に忠実な中国人に学ぶ、景気回復の鍵
- 2017/01/17
- ビジネス
- 897view
- 政治/経済
- ウイスキー
- お酒
- ブランデー
- 娯楽
- 海外
- 経済
- 趣味
万元戸は遠くなりにけりですが……
改革開放が進む80年代の中国、豊かな中国の象徴とされていたのが「万元戸」と呼ばれる人々。万元戸(まんげんこ)、年収1万元を超える家族のことで、まあ当時の中国・一人当たりの平均年収が2~300元だった時代の1万元ですから、相当なお金を持っていた人々のことですね。
今では死語となっていると聞きますが、当時は「億万長者」的なニュアンスで使われていたに違いありません。
セブンスターと中国人のタクシードライバー
……といっても80年代当時のレートで1万元ならば日本円で150万円、現代の中国で考えると、万元戸といってもまあ大層なレベルではないのでしょう。
そんな、150万円が夢の様な金額であった80年代中国のタクシードライバーが、日本のタバコ、セブンスターを吸っていたという話です。
当時のセブンスターは220円、夢の金額が150万円、つまり6818分の1……仮に、夢の金額を1千万円と設定すると一箱1,466円、1億円と設定すると実に一箱1万4,667円のタバコを吸っているタクシードライバーがいたという。
彼に話を聞くと「まあ、非常に高価な輸入タバコだけれど、日本のタバコは旨いからねえ」という返事。それを聞いた時に、まあ恐ろしい国だと戦慄を覚えました。
日本産ウイスキーブームの実態は?
旨いから、ただそれだけの理由でとんでもない高価なタバコを吸う。この様に自己の欲求に非常に素直であるというのが、中国の恐ろしさということができるでしょう。
これは、少し前までの貧しかった中国に限ってみられた傾向ではありません。例えば現在、異様に高価なブランデーを購入しているのは中国人、ウイスキーも中国人。
NHK朝の連ドラ「マッサン」ブームでサントリー・山崎やニッカ・竹鶴が品薄というニュースが流れましたが、実はこぞって購入しているのは中国人というのが真実。
おかげで、サントリー・山崎など手ごろな価格で旨かった「10年」がカタログから落ちてしまい代わりに「ノンエイジ」つまり無印が出回らざるを得ないという現状。
ウイスキーはエイジングをしなければならないという特性がありますから、一旦不足した原酒を追加生産するわけにはいかないのです。
昔の日本人は、もっとガツガツとしていたはず
まあ、山崎・10年がなくなってしまったことについては恨み節をいいたくなります。そして、金に飽かせて爆買いとかいって、高級品を買い漁る中国人というのは、あまりカッコいいものでもありません。しかし中国人の自らの欲望に忠実な姿は、ある意味、私たちが忘れてしまったものなのです。
日本人も景気が絶好調だったバブル期・80年代には、ニューヨークのタイムズスクエアやエンパイアステートビル、ゴッホの「ひまわり」を買っていましたよね。今考えてみるとバカな金の使い方だったと思いますが、当時はそんな話を聞いてどこかで気持ちよかったのも事実なわけで。
要は個人消費を盛んにすればいいのです
今の景気の落ち込みは……バブル期が異常で、現在が正常であると考えることもできますが……そんな欲望を表現しないつつしみを日本人が覚えたからと考えることができます。
しかし、馬鹿みたいに金を使い続けていれば、ここまで景気が悪化するということもなかったはず。
日本で強まる傾向は、欲望が外に向かわずに内に向かう、オタク化のみ。
それも結構なのですが、もっと欲望に忠実にならないと!!景気回復の一助として、ちょっと気に入った時計を買ってみるのもいいのではないか?そんな風に思うのです。