男性版!最新のニキビの種類と治療!美容皮膚科医が解説

  • 2019/10/23
  • ボディメイク
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  • Dr.Shosho【美容皮膚科医】
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最新版のニキビ治療

最新版のニキビ治療
ニキビには未だに悩んでいる、という男性は多いのではないでしょうか。

ニキビがあると清潔感がなく見えてしまいます。そして一旦クレーターのような痕になると治療がとても難しいです。

ニキビは尋常性痤瘡という名前の病気です。皮膚科で使う治療をするのが圧倒的にはやく治るし、跡も残りにくいです。
ここ数年で皮膚科におけるニキビの治療は大きく進歩しました。
前、皮膚科行ったけど全然効かなかったという方も、ぜひトライしてみてください。

 

ニキビの治療はガイドラインに沿って行いましょう

ニキビには様々な民間療法、口コミがありますね。間違った考え方もたくさんあり、皮膚科医としては苦労します。

ニキビを治すためのガイドラインというものが、定期的に日本皮膚科学会から出されています。
ガイドラインとは分かりやすく言うと、何十年とニキビを診察していた名だたる皮膚科の先生達が、何万人もの患者さんに対してニキビの研究をして導き出した、最強のニキビの治療法です。
最も高確率でたくさんの人に効果があると考えられる治療です。

口コミや民間療法は、せいぜい数人に効果があった治療ですよ。
冷静に考えると、ガイドラインがいかに効果があるか分かると思うのですが、ニキビの治療は長い戦いになります。そのため患者さんが、治療に不信感を抱き、謎の民間療法に逃げてしまうことが多いです。

また、病院に行くほどじゃないなと思う人も多いのが現状です。
ニキビは跡に残ってしまうと治療するのがとても大変なので、ひどくなくてもしっかり治療しましょう。

 

ニキビができるメカニズム

ニキビは以下のような①→④の流れで生じます。

①微小面ぽう
皮膚のターンオーバーが乱れることで、毛穴の入り口が狭くなり、皮脂がたまりやすくなる

②白ニキビ
毛穴の入り口が、完全に詰まってしまいます。この詰まりが角栓です。毛穴の奥では皮脂は造られ続け、どんどん毛穴に皮脂が溜まっていきます

③赤ニキビ
毛穴がふさがってしまうと空気が足りなくなり、普段は無害なアクネ菌が悪さをし、炎症が起きます。

④ニキビ跡
炎症が軽度であれば、ニキビ跡にもならずに完治します。
炎症が強い場合は、真皮という深い層までダメージが生じ、ニキビ跡が生じます。

 

ニキビの治療の実際

ニキビのガイドラインでは多くの治療法が勧められており、全てをここで紹介することはできないです。今回は最もオススメされている治療のみに絞って、解説していきます。最もオススメされている治療が最も効果がある可能性が高いので、まず試してみる価値があります。
その中でどの薬を使うかは、その人それぞれになるので、処方してもらう皮膚科の先生の指示に従いましょう

昔ながらのニキビの治療薬:抗菌剤の外用と内服
昔ながらのニキビの治療薬は、アクネ菌による炎症を抑えることがメインでした。ニキビのできるメカニズムの③以降をターゲットにした治療になってきます。

そのため炎症のある赤ニキビには有効であり、ガイドラインでも炎症がある時期の治療には強く勧められています。しかし、①・②のように毛穴に汚れが溜まる段階は防ぐことができないため、ニキビができにくなる訳ではありません。また3ヶ月以上など長期間使用すると、耐性菌といって薬が効かない菌が増えてしまい、治療が難しくなるというのも問題点でした。

実際には、抗生剤の塗り薬や飲み薬を処方されることが多かいです。
塗り薬の名前でいうと、「ダラシン」「アクアチム」「ゼビアックス」が有名です。
飲み薬では、「ビブラマイシン」「ミノマイシン」などがよく使われます。

 

新しいニキビの治療:ニキビを根本からできにくくする薬

【ディフェリン】
ディフェリンは肌のターンオーバーを整えて、毛穴のつまりを予防します。ニキビを①の段階からできなくする薬です。この薬によってニキビを予防するという治療が可能になったという画期的な薬です。

問題点としては、皮膚に刺激感を感じたり、乾燥、皮むけなどの症状(皮膚刺激症状といいます)が約80%の人に生じることです。この症状は約1ヶ月くらい続き、そのニキビが良くなる実感が得られるのに2ー3ヶ月かかることも多く、「自分には合わない」と思って辞めてします人が非常に多いです。面ぽう(毛穴のつまり)自体は1ヶ月ほどで改善されるます。
保湿剤を使うことにより、この皮膚刺激症状は弱くなりと言われています。

炎症のある赤ニキビができなくなった後も、使い続けることで、ニキビができにくくなります。長く使い続けていても大きな副作用はなく、むしろ毛穴に汚れが溜まりにくくなるので、毛穴が目立たなくキメが整った肌になります。

【べピオ】
べピオはフリーラジカルを生じて、ニキビ菌を破壊します。抗生剤とちがい耐性菌作ることが非常に少ないため、長期に使っても安心です。またディフェリンほどで強くはないですが、ターンオーバーを整える作用もあります。③のニキビ菌ををターゲットとしつつも①の毛穴の汚れをたまらせない作用も持っているという薬です。

問題点としては、ディフェリンと同じように皮膚刺激症状を生じる人が30ー40%いることです。これは1ヶ月程度で自然と慣れてくるので、薬を使い続けるべきなのですが、べピオの場合は2ー5%程度にかぶれが生じます。かぶれの場合は、使い続けても症状が悪くなる一方なので、薬を中止する必要があります。自分の症状が、慣れてくるものなのか、中止しなければならないものなのかという判断は、一般の人には難しいです。

【デュアック】
先程のべピオと抗生剤のダラシンを配合したものです。今の保険適応の薬の中では、最もはやく赤ニキビを抑える薬です。しかも抗生剤を単体で使うより、耐性菌が生じにくいと言われています。

問題点に関しては、べピオと同じです。

【エピデュオ】
ディフェリンとべピオを配合しており、異なる作用で毛穴を詰まりにくするため、今の保険適応の薬の中で最も①の段階からニキビをできにくくする薬です。さらにべピオの殺菌作用により、赤ニキビに1ヶ月程と早めに効果が見られます。抗生剤も含んでいないので、耐性菌を心配する必要がなく、長期にわったて安心して使える薬です。

問題点としては、効果が強い反面、皮膚刺激症状も強いことです。ディフェリンもべピオも皮膚刺激症状を与える薬のため、人によっては我慢できないような強い皮膚刺激症状がでてしまうことです。そのため基本的にはディフェリンかべピオどちらかを試して、問題なくなってから使うことが多いです。

 

ニキビができないよう私生活で気をつけること

【使用する基礎化粧品】
男性でも洗顔後にお肌を整える化粧水や乳液などの基礎化粧品を使用したり、日焼け止めを使うことはあるでしょう。ネットなどの口コミで「馬湯やスクワランでなどでとにかく保湿するのがいい」などという情報を入手し、それらを使っている方も多いです。クリニックでのニキビの治療をしても、それらを使用しているとニキビが良くならず、過剰な保湿を辞めると治ったということも多いです。

ではどのようなものを使えばいいかというと、「ノンコメドジュニック」の商品です。「ノンコメドジュニック」とは、ニキビができにく成分でできた商品で、化粧品の裏側などに書いてありますよ。特別な場所に行かなくても、薬局などで探してみるとたくさん見つかります。

ディフェリンなど使用するとお肌が乾燥してくきます。保湿をするとそのような症状が弱まるのですが、使うのは「ノンコメドジュニック」の保湿剤、または皮膚科で処方してもらった保湿剤のみにしましょう。

【洗顔】
ニキビに悩む患者さんの約半数が、なぜか朝は水だけで洗顔しています。
よほどの乾燥肌でないかぎり、朝晩の2回とも洗顔料を使ってください。

【食事・睡眠・ストレス】
食事に関しては、ガイドライン上は特別な制限はなし、とされていますが、実際に脂っこいもの、砂糖が多いもの、乳製品などで悪化を感じる人は多いと思います。もし自分で、特定の食材で悪化を感じるのであれば避けるのが基本です。
睡眠やストレスももちろん影響してくるので、なかなか難しいと思いますが、できる範囲で十分な睡眠をとり、ストレスの少ない生活をおくりましょう。

 

まとめ

今回は、ニキビの最も基本的な治療を紹介しました。基本というのは、最も効果がある確率が高い治療です。この治療は保険も効くのでお値段も抑えられ、かつ最も効率的に治療できます。ニキビがひどくなってクレーターのような痕になると治療はお金も時間もかかるけれども、完治は難しいという状況になります。しっかりニキビをケアして清潔感のある、ステキな肌になりましょう。

 

ここまで読んだオヤジにおすすめの記事2つ。

美容皮膚科医が解説する、男性のシミの種類と治療法(https://yaziup.com/body-care/esthetic/63510)
オヤジの悩み 美容皮膚科アドバイス オヤジにも人気!夏のスキンケア編(https://yaziup.com/body-care/esthetic/63390)

この記事の作者

Dr.Shosho【美容皮膚科医】
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現役の美容皮膚科医。一人でも多くの人に、医学的に正しい美容情報を広めることが目標。ハッピーになれる美容方法をお伝えします。
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