エロ本の未来にとどめを刺したのはコンビニというより観光客だった?
- 2019/02/04
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この夏コンビニで成人誌が買えなくなる
今年8月頃から、大手コンビニ数社が一斉に店頭での「エロ本」販売を止めると言い出した。
いや〜、最後にコンビニでエロ本買ったの、いつだろう?
というか、最近グラビアの立ち見(読みじゃないね)もしなくなったし、なによりコンビニで立ち読むといえば「文春砲」か「商品評価雑誌」くらい。成人向けというコーナーに踏み入ることさえなくなってしまった。
そんなにいい顔をするわけではないが、今あの手の雑誌を待ち焦がれている層ってどこになるのかな?
一説には根強いオジサンファンがいるって聞いたけど、今なら絶対ネットコンテンツの方が過激でお得でしょ?
その恩恵に預かれない人たちの砂漠のオアシスなのかもね。
どうして今まで消えそうで消えなかった?
ここ数年、エロ本がそろそろコンビニ店内でもいる場所をなくしつつあるというのはわかっていた。
一時期、雑誌にゴムを付けたりカバーを付けたりと涙ぐましい「エロ根性」で存在を薄め、なんとか居候を許してもらおうと懸命に立ち向かってはいたが、今度はご近所の声(買い物客)が理由ではなく、大家さん(コンビニ)自体から出て行けと言われてしまったことになる。
しかし古き良き時代には、エロ本は決して悪くない稼ぎ手商品だったようだ。
まずエロ本は単価そのものが高い。
エロ本の安売り競争ってあんまり聞いたことないし、なにより内容がミソだから、勇気出して買う方も「絶対にいい娘が載っている方を買う」わけで、100円安いからってそっちを買う気にはならない。
次にエロ本は旬が長い。
すい星のように現れて消えてしまうグラドルとかセクシー女優もいるけれど、基本的に一度グラビアとして掲載されてしまえば、かなり長い間業界内を滞留しているもの。
またグラビアの女性美は、その瞬間を切り取っているから、一週間後見ても一年後見ても美しい。色あせることがないんですな。
そして一番特徴的なのが、エロ本の買い方。
いくらあなたが筋金入りのエロ本ハンターだといっても、エロ本を単体でレジに持っていくことはないでしょう。
最低限、酒とか、つまみとか、弁当とか、夜のお供といっしょに買うでしょ?それがコンビニ側にはたまらなく魅力なんだって。
というわけで、今まではコンビニ側にも美味しいメリットが満載だったので、エロ本は必要以上にその立場を追われることがなかったのだ。
コンビニ業界豹変の内情とは
そんな商売上手でエロ本の暗躍を許していたコンビニ業界だが、ついに、ついに、エロ本たちと袂を分かつときが来た。
そのきっかけとなったのが「訪日外国人客の急増」だと言われる。
実際外国でエロ本を買ったことはないけれど、諸外国では日本のコンビニのように「弁当もお菓子もエロ本も買える」店というものはないらしい。つまりエロ本はエロ本屋でちゃんと買いなさい、という決まりがしっかりできているのだ。
そんな国からやってきた外国人たちがコンビニで堂々と売られるエロ本を目にして(お土産として買うならともかく)、いい気持ちになるかどうか。子どもといっしょに店内に入ってくれるのかどうか。
さらにさらに、開催せまる東京五輪では世界中から観光客が訪れ、中には「裸なんてもってのほか!肌見せもダメだ」という国、宗教の方もたくさんいるはず。
観光業は「リピート」が命。初対面の印象は絶対的というわけで、五輪が書き入れ時になるコンビニ業界がいち早く「エロ本のしっぽ切り?」をしたのが今回のサヨナラ劇の背景ではないかとも言われる。
哀しみの人々は今後どうするのか
いまエロ本の主な読者層は「高齢の独居男性」と「出張族のコンビニ弁当組」だといわれる。
このうち、バリバリの現役出張族は他にもお楽しみの種がいくらでもあるだろう。
だから本当に残念がっているのは、孤独な一人暮らしの高齢男性かもしれない(なくなることを直前まで知らないってこともありうるな)。
人はどんなに歳をとっても、欲から離れられない生き物である。
長年の楽しみを、たった2か月足らずのスポーツイベントがごっそり持ち去ってしまう哀しみを、代わりに癒やしてくれるものはあるのだろうか。