冬の味覚の王様「ズワイガニ」、いったいどれがベストなのか?

  • 2018/10/16
  • グルメ
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  • アントニオ犬助
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日本海側にひしめくブランドがにの数々

日本海側にひしめくブランドがにの数々

1年に1度、旧友たちと小旅行へでかけるのを、私、アントニオ犬助は恒例にしているのですが、今年はズワイガニを食いにいこう!! ということになりました。そして、いつものごとく私が幹事役を引き受けたのですが……まあ困りました。

なぜなら、どこへどんなズワイガニを食べにいくかで迷ったから。
ズワイガニのブランドは北陸、近畿、中国のエリアを調べただけでも、相当数ある。
「加能(かのう)ガニ」「越前がに」「舞鶴かに」「間人(たいざ)ガニ」「津居山(ついやま)かに」「柴山がに」「香住港(かすみこう)まつばがに」「浜坂産松葉がに」「とっとり松葉がに」「隠岐松葉ガニ」、以上10ものカニのブランドが存在しているのです。

ズワイガニの生息域は山口県以北の日本海側と、茨城県以北の太平洋側とか。
そりゃあ、各地方がブランド化に躍起になれば、それだけの種類になるのは理解できるのですが、選択する方としては迷うだけ、本当に困ってしまうのです。

 

同じ越前がにでも、漁港ごとに違いがあるのか?

同じ越前がにでも、漁港ごとに違いがあるのか?

しかし、それらの中でピカイチの知名度を誇るのは、福井県の「越前がに」。
戦後間もなく首都圏へカニの出荷を考えた人たちが、北海道の毛ガニとの差別化のために、福井県の旧国名から名前を拝借して名付けたといいますから年季が違う。
70年という歴史の長さが、高い知名度を与えているのでしょう。商標登録が完了したのが1988年、「地域ブランド」なる言葉ができあがる、ずっと前のことでした。

「というわけで、越前がにね」と、一時は決まりかけたのです。
しかし、一口に越前がにといっても、水揚げされる漁港によって特徴があったりする。
「三国港のものは日帰り漁、だから鮮度が違います」とか「越前がにならば、やはり越前町のものが最高です」とか、各港ごとにPRしていたりして混乱するのですね。

 

カニを通して見えてくる、各関係者の思惑

ならば、とばかりに考えたのが漁港がブランド名になっているカニ。
兵庫県の「香住港(かすみこう)まつばがに」を調べてみたところ、「9隻の漁船が品質にこだわって操業」とか。ほう、よさそうではないですか。しかし、考えてみるとズワイガニ漁は大抵、海底を網を這わせる底引き網のはず。それに品質にこだわるも何もないのではないか? と、疑問も浮かびます。

加えて、引っかかるのが兵庫県のカニの知名度の低さ。
原因は「津居山かに」「柴山がに」「香住港まつばがに」「浜坂産松葉がに」と、1つの県に4つのブランドがひしめいている。これでは広告宣伝を打つにも散漫にならざるを得ませんから知名度は低いまま。どうせなら「但馬がに」のような、統一ブランドを立ち上げたほうが、よほどインパクトもあると思うのです。

しかし、各々が独自ブランドを立ち上げてPRをおこなっている。
この裏側にはリーダーシップを取りきれていないJF兵庫漁連の力のなさや、各漁港ごとにぶつけ合っているエゴなど、いろいろ難しい問題が浮かび上がってきます。

 

果たして値段でカニの味は変わるのか?

果たして値段でカニの味は変わるのか?

しかし……もっとよく考えてみれば、どんなブランドが付いていようと、どこの港で水揚げされようと、ズワイガニはズワイガニ、それぞれに大きな差があるはずがない。
迷いに迷った犬助は、こんな結論に達したのです。

さすがにオホーツク海で採られたズワイガニとなると、日本に輸入されているものは冷凍のカニ。冷凍と生では味は大きく味は異なるでしょうし、わざわざオヤジが集まって「スパシーバ!!」と口走るようなカニを食わなければいけない理由がわからないので論外としますが、産地まで出向いて食べる分にはどこでも旨いんじゃないの? と考えたのです。

そして、今迷っているのが高級旅館にするか、適当な民宿にするか。
ゆでたり、焼いたりとごくシンプルな料理法しかないズワイガニって、料理人の腕の差は出るのでしょうかね? 高級旅館も民宿も味は変わらないのではないでしょうか?
何しろ、この2つには倍以上の価格差があるのです……うーん、犬助のカニをめぐる悩みは、しばらく続きそうなのです。

この記事の作者

アントニオ犬助
アントニオ犬助
みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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