Jリーグにはドラフト会議はないのかと、思ったことありませんか?
- 2018/12/22
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Jリーグは自由競争社会である
今シーズンのJリーグも全日程が終え、ここから基本的に選手はオフに入ります。
逆にここから忙しいのがチームのフロントでしょう。
来シーズンのチーム編成の骨格は、この期間中に決めるしかないのです。
今シーズンを振り返り、戦力を分析、弱点を補うべく選手の招集に奔走しているのではないでしょうか。
昇格や降格のあったチームは、大幅な変更も余儀なくされることもしばしばです。
他チームからの補強であれば、Jリーグに限らずプロ野球でも行われていますが、行われていないのがドラフト制度です。
これによらず、新人選手であればいつでも誰とでも契約可能なJリーグが持っているその発想の根拠を押さえておきましょう。
Jリーグ新人選手の登録パターン
プロ野球では、ドラフト会議によりある程度の自由で平等な新人選手の振り分けが可能になるシステムが確立されています。
では、ドラフト会議によらないJリーグでは全くの自由競争なのかと言えばそうでもありません。
ユースチームからの昇格
まず、各チームには下部組織が義務付けられていて、自チームで育てた選手には契約の優先権が与えられています。
つまり他のチームのU-18の選手であれば、どんな好条件を出しても横取りはできない訳です。
現代では有望選手はほとんどがどこかのJリーグチームのユース選手であることが多くなっていますので、既にその段階でプロになるならチームも決まっていると言えるのです。
これは地域に根付いたスポーツ環境づくりと言うJリーグの理念にも合致したものでもあります。
学生の獲得
ユースチームに属さない高校生や大学生は、各チームの練習に参加して手応えを感じてからプロ入りを目指すことが多くなっています。
これはチーム事情によっては、活躍の見込みを感じられなかったりもするからでしょう。
有望選手に声を掛けては練習に参加してもらったりするのは自由競争ではありますが、より選手サイドに立った試みを重視しているのです。
最近のプロ野球に進む新人選手は、「プロならどこでもいい」などとよく言っていますが、どこまで真意なのかも疑問が残るところです。
それに比べてお互いが納得の上で入るチームが決まるJリーグはいたって自然で望むべき姿ではないでしょうか。
自由競争でも成績に反映されにくい
これはサッカーと言うスポーツの特徴でもあります。
野球では基本的に勝負は投手対打者の1対1を繰り返すものです。
よってより優秀な選手が多いほど、チームとしての成績に反映されやすいと言えます。
これがサッカーのようなスポーツでは、1対1の場面こそありますがそれをチームとしてカバーすることもできるのです。
実際にドラフト制度を導入せずとも、J1リーグの優勝チームにかつての巨人のような一辺倒な様相はありません。
むしろJ2からの昇格チームが優勝争いを演じたり、昨シーズンJ1で優勝争いを演じたチームがJ2に降格したりすることに驚かされることもあるくらいです。
獲得する方も楽
ドラフト制度は獲得を目指すチームにとっても弊害はあります。
せっかく調査の上、どれだけ欲しかったとしても、競合すれば他チームに奪われてしまうことも多々あります。
それを前提にしなければならないため、予定数以上に選手を探しておかなければならないのです。
スカウト陣に人数も掛けず無駄になる労力や経費も掛けることなく新人選手が獲れるJリーグは、合理的ではあるのです。
海外に逃げられても全然OK
選手寿命の短いサッカー選手は、高校も卒業しないうちからいきなりプロ生活を海外チームで始めるパターンも増えています。
今後、そのような事例が増えればJリーグにとってマイナスかと思えば、そうでもありません。
ハイレベルな海外で成長し、やがてJリーグに戻ってその成果を披露してくれることも期待できます。