リーグ優勝の価値を揺るがす?クライマックスシリーズ
- 2018/10/21
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結構続いているクライマックスシリーズ
プロ野球もシーズンオフの時期を向かえるにあたり、クライマックスシリーズと日本シリーズが残っています。このクライマックスシリーズですが、スタートした当時は何かと否定的な意見も聞かれました。
しかし、いつの間にやら存在するのが当たり前のようになっており、下位チームによる下克上の場として一定の人気もあるようです。
ただし、存在を疑問視する声が消滅したわけでもないようで…。
そもそも、クライマックスシリーズとは何なのか?ここから確認しておきましょう。
日本のプロ野球は、セントラルリーグとパシフィックリーグに分かれてシーズンを戦います。序盤で両リーグが共同して他リーグのチームと戦う交流戦がありますが、基本はリーグ内での戦いです。これをペナント争い・ペナントレースと呼びます。
リーグ優勝の可能性が高いチームが絞られ、ペナントの行方が固まってくると、興味は個人の記録に移ります。同時に、ほとんどの試合が「消化試合」となってしまい、盛り下がることおびただしい状況が生まれてしまうことも珍しくありません。
2位じゃ駄目なんですか!はい、1位の可能性がないと選手も白けてしまいかねず、ファンも見る気が失せるのです。といったところでしょうか。
要するに、シーズン最後まで白熱したゲームを提供しなければ、興行成績に悪影響なのです。そこで、リーグ優勝しなくても日本シリーズに出場し、日本一になれる道を残すことで、消化試合を激減させるために登場したのがクライマックスシリーズというわけです。
具体的にはAクラスと呼ばれる3位までチームにリーグ代表の可能性を残します。こうなると、最下位のチームでさえも戦績しだいでは3位に浮上する可能性があるため、メイチ勝負を期待できます。
リーグ優勝の価値はどうなる?
にっくきリーグ優勝チームを3位チームが撃破し、相手リーグ代表を破って日本一に輝くというのは、ファンにとっても気持ちのよいものといえます。しかし、やられた方はそうでもないわけです。
たとえば、セ・リーグの優勝チームが広島で2位が阪神、3位が巨人だとします。クライマックスシリーズの結果、勝ち上がったのが3位の巨人に。同様に、パ・リーグの覇者である日本ハムと2位のソフトバンクが消え去り、3位のオリックスが勝ち上がったとしましょう。(あくまで順位は仮定です)
両リーグの3位同士で争う日本一の座ってどうよ? という話です。どっちが勝っても、ペナントで負けたチームが日本一としてペナント優勝チームより上の評価を受けるのは、どう考えてもヘンテコな話だとするオヤジも少なくないでしょう。
しかも、お互いにシーズンで負けが先行しているチームの可能性もあるわけです。そんなチームにクライマックスシリーズで負けたリーグ優勝チームが悪いというかもしれません。しかし、短期決戦ではちょっとしたアクシデントで結果が左右されるもの。ペナントの結果を引っくり返す値打ちがあるともいえません。
また、仮に、日本シリーズで負けたとしても、日本シリーズ出場チームとしての栄誉を受けることができます。そして、リーグ優勝よりも大きな扱いになることも。
いや、日本シリーズは別物であり、リーグ優勝はリーグ優勝で価値があるというのかもしれません。しかし、実際にはペナント上位3チームによるクライマックスシリーズで代表が選ばれるわけです。そうすると、ペナントは盛大な予選会ともいえます。
興行の都合でスポーツ本来の楽しさが奪われているといえば言い過ぎかもしれませんが、この奇妙な制度に疑問を呈する専門家も少なくないのが現実です。
とはいえ、干支が一回りする期間にわたって続けられている制度ですので、このまま存続するのかもしれません。世間がヨシとしているから続いているのだと考えれば、それも当然のことといえるでしょう。
クライマックスシリーズ肯定派も否定派も、プロ野球が陳腐化してしまわないように注視する必要はありそうです。