ブラインドサッカーは人間の可能性を表現している
- 2018/10/12
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ブラインドサッカーとは
障がい者スポーツは、なかなか障がい者のためのスポーツの域からは抜け出せないものです。
おおよそ受動的に目にすることがあって、そこで障がい者でもあんなに頑張っているんだから元気な自分が頑張らない訳には行かないくらいには思います。
来たる2020年の東京オリンピックは注目はされていますが、その後のパラリンピックはどうしても付け足し感が拭えません。
そんな思いを一掃してしまうのが、ブラインドサッカーなのです。
それがなぜなのか、ここで理解してもらえれば障がい者スポーツ全体の見る目も変わってくるのではないでしょうか。
・ルールの概略
ブラインドサッカーと聞いても、全く存じ上げない方もいるかもしれません。
視覚障がい者のために考案されたフットサルのようなもので、GK以外の選手4名は全員、アイマスクをしていて全く何も見えない状態でプレイするものです。
それでは何もできませんので、転がればシャカシャカと音がするボールを追いかけることになっています。
後は監督とコーラーと呼ばれる相手ゴール裏にいる指示者とGKの指示を頼りにするだけなのです。
・露出度の高さ
今やアニメにもなってテレビ放送もされているブラインドサッカーは、いつの間にそんなにメジャーになったのか全然、付いて行っていない人がほとんどではないでしょうか。
国際試合のテレビ中継も増えてきて、ますますそのハイレベルな試合が身近になっているのです。
最も目が必要なスポーツの一つともされるサッカーで何も見えないのに、下手な健常者並みの動きをするのにはちょっとしたサプライズがあります。
他のただ走ったり跳んだりするのであればどこか痛々しくも感じますが、ブラインドサッカーでは障がい者ならではの感動を与えてくれやすいのです。
失った視覚の代わりに聴覚と空気から感じる第六感だけでも、研ぎ澄ませばこれだけのプレイが見せられることがわかります。
ブラインドサッカーの難しさ
サッカー経験者であっても、目を閉じてはリフティングなどは1回もできなくても当たり前です。
走るだけでも転びそうで恐る恐るしか走れないでしょう。
そこに音がするだけのボールをドリブルして前に運んでみろとか言われても、サーカスの曲芸並みの技になってしまいます。
さらにそれを妨害しようとする相手がいるのです。
そもそもくるくる位置を変えて身体の向きを変えていては、ゴールはどの方向にあるのかもわからないはずでしょう。
・見えなくてもできるコミュニケーション
味方の選手がどこにいて相手がどこにいるのか、それも複数人いるのですから、いくら声や音は聞こえても目が見えなくてはどうしようもないことです。
それが実際に試合を見ていると「そんなバカな、有り得ないだろう、本当は見えているのでは?」としか思えない動きをするのです。
ブラインドサッカーで自分の可能性も広がる
今、あるだけの機能を活かせばもっといろいろなことができることを教えてくれるのは、障がい者スポーツの全てにおいて言われることではあります。
そのことをブラインドサッカーは「いくら何でもここまでできるのか」と、最もわかりやすく衝撃的にさえ教えてくれるスポーツなのです。
・やってみても良し
ブラインドサッカーは、アイマスクをすれば健常者であっても参加できるスポーツです。
メディアでの露出を受けて、実際、どんな感じなのか試してみたいと言う人も多いのではないかと思います。
見ているだけでもやればできるものと実感されますが、真似してみても全然できないのがわかります。
いかにトレーニングによって、不可能が可能になっていることが新たに実感させられるはずです。
こうしてみるとブラインドサッカーだけでなく、今とてもできそうにないことでもトレーニングを積んでいけばできることも多々あるのかと思えるのではないでしょうか。