e-Sportsはスポーツではないのか?
- 2018/09/16
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日本オリンピック委員会の立場
インドネシアのジャカルタとパレンバンで行われたアジア大会が終って一息ついたところですが、スポーツ大会に活躍の場を広げるe-Sportsの未来について気になる話題をひとつ。
アジア大会では、e-Sportsが公開競技として実施されました。ここで、e-Sportsとはなんぞや? という説明をしておきましょう。カタカナで書くと「エレクロトニック・スポーツ」で、簡単にいえばコンピュータゲーム・ビデオゲームによる対戦競技であり、それをスポーツとして定義したものです。
アジア大会では、サッカーゲームのウイニングイレブンなどで日本代表選手が戦っています。ところが、あの大会に出場した日本代表選手は、実は日本代表選手ではなかった!? という話があるのです。
なんのこっちゃ? というか、よくわからない話なのですが、どうやら「テレビゲームがスポーツなんかいな!」という見方が強く影響しているようで…。
スポーツらしからぬといえば、高齢者の代表選手が多いブリッジなどのマインドスポーツもそうですが、e-Sportsはよりスポーツ感が乏しいと評されているのでしょう。なんと、JOC日本オリンピック委員会は、e-Sportsを自分の範疇のスポーツとは認めていません。
アジア大会においても、JOCとしては選手を派遣していないので日本代表選手ではないという妙な話になっているのです。では、いったい誰が選手を派遣したのかといえば、日本eスポーツ連合というe-Sportsの国内統括団体ということになります。
しかし、アジア大会は「オリンピック委員会」管轄の大会であることから、選手の派遣にはJOCが絡みます。これについてJOCは、手続をしただけとの立場。つまり、日本eスポーツ連合には手続する資格がないから代わりにやったという話です。
世界はe-Sports採り入れの流れか
アジアオリンピック評議会の主催大会で、JOCの派遣選手ではないe-Sportsの日本代表選手は、出場競技以外の場面では代表選手としての立場を得られないことになっています。つまり、開会式や閉会式への参加もできなければ、選手村への入村資格があるのかないのかもわからないという状態でした。
しかし、4年後の次回杭州大会からはメダル授与の対象となる正式競技となることがほぼ決定しているとされているe-Sports。日本だけが「いや、それスポーツとちゃいまんねん」というわけにもいかないでしょう。
その先は、ホンモノのオリンピックで採用される可能性もあります。そうなってから慌てても困ります。
もっとも、たしかにe-Sportsがスポーツと呼べるのかという疑念にも一理あることはたしかでしょう。それこそ、古代オリンピックから受け継がれてきた「身体を動かす」スポーツからみれば、スポーツとは呼べないのかもしれません。
しかし、マインドスポーツもあり、なんでもかんでもスポーツと呼べそうな世の中になった以上は、対応するのがベストでしょう。そもそも、すでに囲碁の日本代表選手をアジア大会に派遣した実績を作ってから8年が経過しているのです。
さて、e-Sportsがスポーツとして認知されるとして、問題はどのゲームを競技・種目に採用するかでしょう。テレビゲーム(コンピュータゲーム・ビデオゲーム)は山ほどあります。各ゲームメーカーが売り込みに必死になる姿が浮かぶようです。
アジア大会どころかオリンピックに採用されたら世界中で大ヒットする可能性があります。反面、そもそも世界中で大ヒットしていないゲームは採用されないだろうとの見方もできます。
そうした面でも、従来のスポーツとはまったく異なる趣のe-Sportsです。そろそろオヤジも何かはじめた方がよいのかもしれませんね。2020年の東京オリンピックにはありませんが、その次あたりからはe-Sportsでメダル争いとなる可能性は大です。若者や子どもに負けるな!