ボクシングのプロのチャンピオンとオリンピック金メダリストではどちらが強いの?
- 2018/03/31
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元ボクサー・たこ八郎氏のファイトスタイルとは?
ボクシング日本フライ級王者として2度の防衛戦を闘い、引退後はコメディアン、俳優として活躍したといえば、たこ八郎氏。オヤジ世代には懐かしい名前ですね。
ボクサーとして活躍していたのは1964年までですから、これを読んでいる人で八郎氏の現役時代のファイトを覚えているという方は、さすがにいないのではないかと思います。
かくいう犬助もその一人なのですが……話によると、ファイトスタイルの特異なこと!!
ガードを低く下げ、とにかく相手に打たせる。
そしてどれだけ打っても倒れない、倒れないばかりか耳元で「効いてない効いてない」とささやき続ける……まあ気持ち悪いし、打ち疲れが出てくるしで、対戦相手はたまったもんじゃない。そして、後半のラウンドで仕留めにいくというのです。
パンチ力がなくても、鼻は折れる
「最近、姿見なかったね?」
「強化合宿で、モンゴルへ行ってました!!」
その昔、犬助の知り合いに、同じ学校のボクシング部に所属していた人物がいました。国体で優勝した経験も持つ彼は、全日本のメンバーにも選ばれるほどのトップアスリート。そんな彼に軽々しくも、ゲーセンのパンチングマシーンを殴らせようとしたことがあります。
「犬助さんより数字は出ませんよ。でも、相手の鼻は折れますけれどね」
真剣な顔をして、そんなことをいう彼に、ちょっとゾクッとしたのを覚えています。
同じボクシングでも、アマとプロは別物です
アマチュアボクシングとプロボクシング、全く別の競技であるとすらいわれるほど、両者には大きな差があります。
2013年、アマチュアボクシングの協会であるAIBAがルールを改正し、ヘッドギアを廃止したり、採点方法がラウンドごとに優劣をつける10点法に変更になったりで、プロボクシングに近くなったかに思えます。しかし、アマチュアとプロ、ルールの差は依然として大きいもの。それを最もよく表すのが、ラウンド数ではないでしょうか。
男子の場合、アマチュアは3分3ラウンド方式、試合が始まれば様子見などという悠長なことはしていられない。お互いとにかく手数を出すという試合になりがちです。
一方、プロボクシングならば4ラウンド方式からスタートして、6、8、10と上がっていき、タイトルマッチともなると、12ラウンドを闘わなければならない。だからアマチュアとは作戦もファイトスタイルも違ってきます。
ポイントを相手に取られていたとしても、倒してしまえば勝ちになるのですから、相手の打ち疲れを待つという、たこ八郎氏のスタイルも有効になる。
逆に、八郎氏のスタイルはアマチュアでは、なかなか難しいということもできるのです。
また、「鼻は折れる」といい放った犬助の知人がいいたかったのは、ボクシング=パンチ力ではなく正確性であるということ。特に、アマチュアボクシングの世界ではそれが顕著であるということです。
アマチュアボクシングは有効打の数を競うスタイル、プロボクシングは倒しにいくというスタイル。競技自体が違うものなのです。
プロボクシング・チャンピオンの権威は薄まりましたが……
「ボクシングのプロのチャンピオンとオリンピック金メダリストではどちらが強いの?」というタイトルについては、別の競技だから単純に比較することが難しい。というのが、正しい答え。
プロレスのチャンピオンと大相撲の横綱が闘ったならばどうなるか?
ルールによって結果が大きく異ると思うのですが、これと同様。ボクシングでもプロのルールで闘えばプロの方が、アマチュアのルールで闘えばアマチュアのほうが圧倒的に有利と考えるべきでしょう。
例えば、WBA世界ミドル級王者・村田諒太選手とタイトルマッチをおこなった、ハッサン・エンダム選手が、リオデジャネイロ・オリンピックに出場し、1回戦敗退の憂き目にあった。これは、エンダム選手のアマチュアのスタイルへの対応が不十分だったと考えるべきであって、「アマチュア>プロ」と考えるべきではありません。
近年では団体や階級の数が増えたばかりか、暫定とかよくわからないチャンピオンが増えて、ありがたみが薄くなったプロボクシングのチャンピオンではありますが、やっぱり「強い」という事実は動かないと思うのです。