YAZIUP CLUB会員募集中

歴史的人物や合戦に縁深い競馬場とそれにまつわる都市伝説

  • 2018/01/12
  • ライフスタイル・娯楽
  • 52view
  • 八神千鈴
タグ

馬と同じように競馬場にも物語がある

馬と同じように競馬場にも物語がある
2017年の有馬記念は、武豊騎手騎乗のキタサンブラックが引退レースを勝利し、有終の美を飾って終幕しました。この勝利で総賞金額は18億7684万3000円となり、それまで歴代獲得賞金1位に君臨し続けた世紀末覇王・テイエムオペラオーの18億3518万9000円を抜いて新たな賞金王の座に就きました。
キタサンブラックは母の父に短距離のスペシャリスト・サクラバクシンオーの血統を持ちながら長距離の菊花賞を勝つなど、名馬には名馬たる所以のエピソードがつきものですが、実は馬たちが走る舞台の競馬場にも興味深いエピソードがたくさんあります。
特に競馬場は、歴史的人物や合戦と接点を持つことが多いです。なぜなら広い敷地が必要になるため、かつて武士が支配した領地を丸ごと使用していたり、大軍勢が展開した戦場の跡地だったりするからです。
この事実をもとに、いつしか誰からともなく不思議な都市伝説が誕生した競馬場も存在します。そのうち3つをご紹介しましょう。

 

東京競馬場と井田一族墓地――武士の霊が名馬をあの世に呼ぶ

東京競馬場と井田一族墓地――武士の霊が名馬をあの世に呼ぶ
ホースマンすべての夢・日本ダービーの舞台である東京競馬場。このダービーに近い日程の特別レースに、是政特別というダートレースがあります。レース名の由来は、東京競馬場が位置する現在の東京都府中市を開拓した戦国武将・井田是政にちなみます。
是政はもともと関東一円を支配した戦国大名・北条家に仕えていましたが、天下統一を目指す豊臣秀吉によって北条家が滅ぼされると、この土地に移住して開発に尽力しました。
井田一族の墓地があるのが、東京競馬場の内馬場。そしてすぐそばの大木が神木の榎です。競馬場開発の際、墓地は移動して神木は切り倒す予定でしたが、車両が故障したり関係者に不幸が相次いだりしたため工事は中止になり、現在ももとの場所に残されています。
大欅と呼ばれることが多い神木の榎付近では、競走馬の事故が多発しています。断然1番人気のサイレンススズカが競走中止した1998年の天皇賞・秋を記憶している方は多いでしょう。これは名馬が井田一族に呼ばれたのだといわれます。

 

中京競馬場と桶狭間古戦場伝説地――敏感な馬には霊が見えてしまうらしい

中京競馬場と桶狭間古戦場伝説地――敏感な馬には霊が見えてしまうらしい
中京競馬場の最寄駅は名古屋鉄道の中京競馬場前駅ですが、この駅は有名な史跡の最寄駅でもあります。それが桶狭間古戦場伝説地です。中京競馬場の番組に桶狭間ステークスがあることからも、縁深いことがわかります。
桶狭間の戦いは織田信長が今川義元の大軍に奇襲を仕掛けて勝利した合戦とされていますが、実は信長が本当に奇襲をしたのかなどよくわかっていないことが多くあります。具体的に戦った場所もはっきりしないため、桶狭間古戦場伝説地という名称になっています。
しかしこの近辺で合戦があったことは確かで、競馬場内のゴール周辺には討死した軍勢の霊が出没するといわれます。人間には見えなくても敏感な馬には見えてしまうため、霊に驚いた馬がゴール直前に減速して着順に影響することもあるとか。
2010年の全面改造工事開始まで存在したダート1700mのレースは事故が多かったため、今川義元に呪われているという都市伝説がありました。

 

京都競馬場と戊辰役東軍戦死者埋骨地の碑――新選組の霊が慰霊碑の撤去を妨害した

京都競馬場と戊辰役東軍戦死者埋骨地の碑――新選組の霊が慰霊碑の撤去を妨害した
京都競馬場は淀と呼ばれることもあるように、淀川水系の桂川・宇治川・木津川が合流する地点のすぐ近くです。もともとは広大な湿地帯でした。
幕末の鳥羽・伏見の戦いでこの地形を利用して戦ったのが新選組です。今の京都競馬場の北側には淀堤という狭い堤防があり、湿地帯の中で唯一移動できる道でした。新選組はこの淀堤の千両松という地点で敵方の明治新政府軍を迎撃。はじめは有利に戦いましたが、近代兵器の一斉射撃を受けると多くの仲間を失って敗走します。これが、鳥羽・伏見の戦いで最大の激戦となった千両松の戦いです。
京都競馬場の駐車場には、千両松の戦いの戦死者を慰霊する戊辰役東軍戦死者埋骨地の碑があります。競馬場拡張の際に撤去する予定でしたが、慰霊碑を削った直後から新選組隊士の霊が夜な夜な現れるようになったため、工事関係者が石碑を管理する妙教寺に供養してもらい、もとの場所に復元しました。それ以降、霊は現れなくなり、石碑は今も同じ場所にあるのです。

この記事につけられたタグ

関連する記事

この記事の作者

八神千鈴
八神千鈴
編集プロダクション、出版社の編集者を経てフリーライター。現在は歴史系記事をメインに執筆。それ以前はアニメ、コスメ、エンタメ、占いなどのメディアに携わってきました。歴史はわかりづらいと思っている方にもわかりやすく、歴史のおもしろさをお伝えしたいです。
up 八神千鈴
八神千鈴

週間アクセスランキング

人気カテゴリランキング

ページTOPへ
ページTOPへ