女の敵は女?妊娠順を指定する保育園の闇
- 2018/04/05
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妊娠順はルールどおりにという非常識
2018年2月、世間では平昌オリンピック・パラリンピックや北朝鮮情勢、はたまた大相撲や森友などが騒がれている中、毎日新聞にひとつの投書が掲載されていたのです。その投書で明らかになったのは、とある保育園で、保育士が「ルールを破って妊娠した」ため、投書主の男性が一緒に謝罪に行ったという驚くべき実態でした。
なんと、この保育園では、勤務する女性保育士の妊娠順を園長が指定しており、それがルールだというのです。ルールを破ったのだから謝罪は当然で、謝って済む話ではないのか、その後も嫌がらせを受けているとか。女の敵は女というフレーズが頭をよぎります。男か女かは関係ないといいたいところですが、男の場合は打ち出しにくいルールではないでしょうか。
さらに、オヤジには理解できない話だといえば、男女差別!と叫ばれるのかもしれません。理解できるオヤジもいるのでしょう。しかし、こんなことが常識ではないという点では男女関係なく総意だろうと考えられます。
女性だらけの職場、それも若い女性が中心の保育園のような職場では、妊娠出産で休職・退職する職員が多いため、妊娠可能性を把握するのは当然だとする意見は少なくありません。そこまでは容認するとしても、あなたはこの時期に妊娠しなさい!それ以外の妊娠はルール違反です!というのは、どこかの独裁国家かというレベルでしょう。
また、日本社会全体を見渡したとき、園長の指定は論外だが、「私は○○に妊娠を希望しています」と報告していた場合で、それ以外の時期に妊娠するのはダメだろうという風潮もあるとかないとか。これもトンデモナイ話です。そんなに簡単に妊娠をコントロールできるなら、人口動態も自由自在に操作できそうです。そもそも、申告期間でなければ100%避妊しろという馬鹿げた理屈が通るわけもありません。
仮に、この園長なり保育園なりが過去に奔放な保育士によって振り回されたという歴史があったとしても、だからOKという問題でないことは明らかです。こんなことやってるから少子化が進み、保育士不足が進み、保育園の経営難が進むという負のスパイラルが加速するのだ!というオヤジは発想が貧困なのでしょうか?
国や自治体は実態把握を
この件は性的な領域にかかわることだけに、異質なものとして受け取られがちでしょう。しかし、法的な観点から見れば、なんのことはない職権の濫用であり、パワハラ事案。異性間であればセクハラとも呼ばれる話。実は、園長が女性であるという根拠は見あたらないのですが、仮に、この園長が男性だったなら、今頃は女性団体の猛攻を受けていたかもしれませんし、もっと大騒ぎになっていることでしょう。もっとも、セクハラは同性間でも成立するはず。
それはともかく、雇用主や上司による不当な扱いには、労働当局をはじめとする国や、施設を所管する自治体がもっと積極的に実態を把握し、環境の改善を促進する必要があります。国会議員も同様です。「保育園落ちた日本死ね」の流行語大賞表彰を受けたり、不適切な行動をしたりしている暇があったら、こういうところで待機児童問題の根を除去する活動をしてもらいたいというのは無理な話でしょうか。どこの誰とはいいませんが、愛知7区の女性議員さん。
さて、妊娠順を指定され、ルール破りと非難され、不当な扱いを続けてまで勤務する必要があるのか?辞めちゃえばいいじゃん。という声も少なくないようです。それも身を守る策ですが、いつか同じ職に就くことを考えたとき、経営側にたてつく人物として敬遠されるおそれもあるでしょう。残念ながら、そういう思考の経営者もいるようです。といって、このまま残るのも地獄となれば、別の分野へ進むしかないのか…。これは望ましい社会の姿ではありません。子どもに教えられない闇の世界の話です。
ところで、この件に関して保育園側、園長側の声は見当たりません。そのため、投書の内容、報道されている話を前提に考えることになってしまいます。仮に、事実に反する内容があっ束相ですが、ひとつの例題的に活用することが可能な話だといえるでしょう。
オヤジ世代としては、子どもや孫が無関係とはいえない分野のこととして、また、日本の将来に関することとして、関心を持ってみておきたいところです。