交通違反の反則金と警察利権の知られざる関係性と正体
- 2017/04/19
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罰金と反則金は異なるもの
ゴールデンウィークや年末年始など、交通量が活発化する時期に伴って厳しくなるのが「交通違反の取り締まり」です。「一旦停止」や「スピード違反」「運転中の携帯電話使用」など、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。よく「こないだスピード違反で捕まっちゃってさ、今月ピンチなのに罰金払う羽目になって大打撃だよ」といったセリフを耳にします。よくある日常の光景かもしれません。「罰金」という単語が出ていますが、実はこれ、正確ではありません。
ご存知の方も多いかと思いますが、通称「青切符」と呼ばれるものの正式名称は「交通反則告知書」で、駐車違反や信号無視など、比較的軽微な違反をした際に切られる切符で、行政処分です。これに対し、赤切符と呼ばれるのは、飲酒運転などの重い交通違反に対して切られます。そして、この赤切符は行政処分ではなく「刑事処分」となり、殺人や傷害などの犯罪で逮捕、起訴されて裁判所で言い渡される「懲役刑や禁固刑」の延長線上にあり、つまり「赤切符」は「前科」となります。さらに交通違反のなかで同じ「速度超過」でも、30㎞オーバーは赤切符となり、30㎞未満であれば青切符となるなど、その度合いによっても赤切符となるケースがあります。
そもそもおかしな反則金制度
通常の犯罪であれば検察を通じて起訴され、裁判所から「判決の言い渡し」をされます。しかし、交通違反に関しては何故か「反則金」という形で警察がその主導権を握っています。これは冷静に考えてみれば非常におかしな話であることが分かります。青切符レベルの交通違反をした際、警察から「反則金の支払い」が命じられますが、裁判手続きを経ていないのにも関わらず、現場で取り締まる警察官の一存で「お金を支払え」という命令が出せる現状に違和感を覚える人も多いかと思います。そもそも、交通反則金制度の誕生には、「信号無視や駐停車違反など、全ての交通違反に対して裁判が行われると裁判所はパンクしてしまう」「だから軽微な違反については警察の方で処理すれば良い」といった背景があると言われています。
ここに「警察利権」への疑惑が乗じるのです。実際、政府をはじめ各公的機関には、毎年度毎に「どれ位の支出が予想され、どれ位の収入が見込めるか」という予算編成があります。実は、警察庁は平成29年度だけでも「交通違反の反則金による収入として既に700億円」が予算として組み込まれているのです。そして、それは総務省を経由して公安委員会へ流れているとも言われています。考えてもみてください。交通違反は、本来ならば減らすべきものですが、事前予算として組み込まれるということは、現場の警察官に「交通違反の切符を切るノルマ」が生じるのも自然なことです。その証拠に、過去に何件も「警察官による強引な切符切り」が問題となり、報道もされています。
交通違反の不起訴率は高い
実は、ドライバーが納得していない反則金については、本人が公判請求を望めば、その交通違反は警察の手から検察の手に渡ります。検察に送検された後に起訴されるケースはごくわずかで、不起訴率は実に9割を超えると言われています。もちろん、自覚のある交通違反であれば反則金を支払うのが国民としてのルールですが、交通反則金にはこうした背景があることだけは知っておいて損はありません。