寝ても取れない「疲れ」にどう対抗する【薬剤師悩み相談】
- 2019/04/27
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毎日のように家族のため、おいしいものを食べるため、生きていくために働き続けるオヤジたち。働けばもちろんお金が貰えます。でも働くことでお金以外のものも増えていきますよね。
それが「疲れ」です。望んでもいないのに勝手に体に居座る疲れに悩んでいる方も多いでしょう。そこで今回は、疲れにくい体の作り方や対策方法をご紹介していきます。
1.疲れが溜まっていく原因
寝ても寝ても取れないその疲れ。疲れに悩まされている方はあなただけではありません。ドラッグストアで疲れ対策のドリンクやビタミン剤を手にとっている方が多いことからもそれは明らかです。
疲れが溜まる原因はいくつもありますので、まずはなぜ疲れが溜まってしまうのか、その理由を見ていきましょう。
1-1.睡眠不足
睡眠が取れていないと、間違いなく疲れが溜まっていきます。日中は交感神経が優位になることで体を動かしていますが、寝ているときは副交感神経が優位になるので体が休まっている状態です。
脳も体も興奮状態から解放されています。この睡眠が十分に取れなければ、体も脳も長い時間にわたって興奮状態が続くので疲れが溜まってしまうんですね。
1-2.栄養バランスが偏った食事
体を動かすエネルギーは、食べたものから作られます。栄養バランスが偏っているとエネルギー源となる燃料も不足してしまうんですね。またエネルギーを作り出すのにもビタミンなどが必要となることから、エネルギーを作る働きも落ちてしまいます。
するともちろん体はエネルギー不足になるので、思うように動いてくれなくなるわけです。ガソリンの少ない車で思いっきりアクセルを踏んでも車は動かないように、人間もエネルギーが不足すればしっかりとは動けません。
1-3.ストレス
仕事や人間関係などなど、身の回りにはあらゆるストレスが潜んでいます。実はこのストレスも体を疲れさせる原因です。ストレスは自律神経のバランスを乱してしまいます。
自律神経の働きが乱れると、体を興奮状態にする交感神経と体を休ませる副交感神経とのバランスが崩れるので、なかなか体を休めることが難しくなるんです。
1-4.寝る前にスマートフォンをいじっている
ベッドに入ってごろごろしながらスマートフォンをいじる方は多いでしょう。眠くなるまでまとめサイトを見たりアプリで遊んだりして過ごす方は珍しくありません。でもそのスマートフォンのせいで疲れがなかなか取れない状態になっているかも。
スマートフォンから発せられるブルーライトは睡眠リズムに影響して眠りを邪魔する他、眼精疲労の原因としても知られています。ベッドに入ったらスマートフォンを扱わないなどの工夫も必要です。
1-5.何かしらの疾患が疲労に関係しているケースも
体の疲れは何かの病気が原因で起こることも実はあります。
・甲状腺機能低下症
・うつ病
・ウイルス性肝炎
などが疲れの症状が出やすい代表的な疾患です。疲労対策をやっても改善されない場合は、何かの疾患が隠れている場合もあるので「疲れが取れない、何かおかしい」と思ったら医療機関を受診することも大切です。
2.今日から始められる疲れの対策方法
疲れは何かしら対策することで、いくらか軽減することができます。すぐに取り組める対策方法をいくつかご紹介していきましょう。
2-1.質のいい睡眠を取る
ただ長く寝ればいいってものではありません。睡眠で大事なのは質です。量よりも質なのです。もちろん質のよい睡眠を長く取るのが1番ではありますが、まずはとにかく質を意識していください。
「スタンフォード式 最高の睡眠」によると、よく眠れるか眠れないかは睡眠に入ってからの最初の90分が大事であると書かれています。最初の90分に訪れるノンレム睡眠で深い眠りにつければ質の高い睡眠を取れるのです。
逆にこの90分を無駄にしてしまうと、その後にいくら眠っても最高の睡眠は取れません。また日々の小さな睡眠不足は少しずつ重なって体をじわじわと疲れさせていきます。最初の90分で深く眠るために、睡眠前にスマートフォンを扱わない、深酒をしないなどの工夫をしていきましょう。
2-2.体でエネルギーを作るのに必要なビタミンを積極的に摂る
私たちの体は、食べたものを使って体を動かすエネルギーを作っています。三大栄養素と呼ばれているたんぱく質、脂質、炭水化物が主なエネルギー源です。
このうち炭水化物から作られるエネルギーが約60%、脂質が約25%、たんぱく質が約15%を占めてます。それぞれの栄養素がエネルギーに変換されるためにはビタミンが必要なため、積極的にビタミンを摂ることが疲労回復にもつながるわけです。
では具体的にどのビタミンを摂ればよいのでしょうか。答えはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の3つです。
・ビタミンB1
炭水化物からエネルギーを作り出すのに必要なビタミン。エネルギーの約60%は炭水化物から作られるので摂らない理由がありません。大豆や豚肉に多く含まれています。
・ビタミンB2
三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンです。卵やレバーに多く含まれています。
・ビタミンB6
たんぱく質の分解や合成の手助けをしてエネルギーを作る働きをしています。さんまやバナナに多いです。
疲れがひどいならとくにビタミンB1は意識して取ってほしいですね。
2-3.運動をする
「え?疲れているのに運動ってどういうこと?」って思いますよね。疲れてぐったりしていて、とくに動く気力がない方ほどぜひ運動してほしい。なぜなら運動をすることで心が元気になるから。ストレスで心が病めば体も疲れます。
でも心が元気になったら体も元気になるんです。運動不足の方も多いでしょうから、ぜひ運動を始めてください。とくに筋トレがおすすめです。筋トレをするメリットはこんなにもあります。
・体型がよくなってモテる
・メンタルが向上する
・いつまでも若くいられる
・筋肉がつくと自信もつく
・ほどよい疲れが良質な睡眠をもたらす
・ダイエットにもなる
体型がよくなってダイエットにもなって、マッチョになるから自信もついて…さらにメンタルが向上。これ、嘘のようで嘘ではありません。
「筋トレが最高のソリューションである」にも書かれているように、筋トレをするとセロトニンやドーパミンといったホルモンが分泌されます。セロトニンには心を落ち着かせる働きがあることから「幸せホルモン」と呼ばれることもありますね。
ドーパミンは体を元気にしたり幸福感を与えたりしてくれるホルモンです。つまり筋トレをすることでストレス発散とやる気アップ、そして健康な体が手に入るというわけ。
「今日は運動する気が起きないけどとりあえずジムに行くか」と言ってジムに行った方が実際に運動を始めるとハツラツとし出すのは、こういうカラクリも関係していたのです。疲れている方こそ運動をしましょう。
3.解決方法
寝ても取れないその疲れは、質のいい睡眠を心がけること、栄養バランスに気をつけること、そして適度な運動をすることで対策できます。眠り始めの90分でどれだけ深く眠れるかによって睡眠の質が決まるので、寝る前にスマートフォンを見たり眠りを浅くするアルコールの摂取は控えましょう。
また食べたものからエネルギーを作るビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6も積極的に摂るようにしてください。それから運動を取り入れるのも疲れを取るのに有効です。筋トレをすればセロトニンやドーパミンが分泌されてストレスも軽減されますし、何より見た目もカッコよくなるのでぜひやってみてくださいね。
何をやっても疲れが取れない方は病院で検査してもらうのもいいでしょう。健康維持にもつながりますし、病院でビタミン剤を処方してもらうこともできます。いつまでも若々しくいられるように、疲れ知らずの体を目指しましょう。